温湿度センサーの導入から約2ヶ月、ある程度のデータがとれてきました
各センサーの温湿度記録は30分間隔です
また、3つのセンサーを同環境に置けば、ほぼ同じ値を示すことは確認済みです
ただ、湿度に関しては、手持ちの湿度計に比べてやや高めの値を示しているのではないか?
と感じていますが、正確な湿度計を持っていないので実際のところは不明です
以下は、「やや古い」「わりと新しい」の2種類のハードケースにいついて
冷暖房や換気もなく、カーテンも閉め切って暗室に近い室内で
ケースの内側と外側で温湿度変化に関してどのような違いがあるのかを調べたものです
ギターケースのロックは1箇所のみで、それほど厳密な密閉状態とはなっていません
ただし、あくまで「うちでの結果」であることに、十分ご留意ください!
センサー設置場所
【①室内センサー】
ギター&ケースの保管部屋のデスク上にごく普通に設置してます
ピンクの付箋は電池交換の日付を書いています
【②BOBLENケース内センサー】
GREVENを保管しているBOBLEN BL-J17ケースです
ちょうど2年前に購入したケースで、比較的新しいです
内部は約2cm厚の保護パッドで覆われています
【③MARTINケース内センサー】
MARTIN D28GEのケースです(TKL製)
ギターが1999製なので、ケースは概ね20年程度経過していると思われます
内部は約2cm厚の保護パッドで覆われています
低湿度状態を含む96時間の温湿度推移
除湿器を14時間稼働させ、強制的に乾燥状態とした場合の温湿度です
【湿度】
室内の湿度は、44%程度まで低下しますが、
ギターケースの内部はその影響をほとんどうけずに推移しています
MARTINとBOBLENではやや異なりますが、それでも差は2%以内
概ね60%前後であまり変化が見られません
【温度】
温度に関しては、3つのセンサーはほとんど同じような変化を見せます
ケース内であってもケース外の温度変化の影響をうけてしまうようです
高湿度状態を含む96時間の温湿度推移
2日間の降雨による湿度上昇状態の場合の温湿度です
【湿度】
室内の湿度は、最大71%程度まで上昇しますが、
乾燥状態の結果と同様、ギターケースの内部はその影響をほとんどうけずに推移しています
MARTINとBOBLENではやや異なりますが、それでも差は2%以内
概ね61%前後であまり変化が見られません
【温度】
温度に関しては、3つのセンサーはほとんど同じような変化を見せます
ケース内であってもケース外の温度変化の影響をうけてしまうようです
考察??
【湿度について】
驚くのは、ケース内では、「湿度変化の影響をほとんど受けない」ことです
上記は、特定の96時間の推移を示したものですが、
それ以外の2ヶ月にわたるデータの全期間で同様の傾向を見せます
私見ですが、この大きな要因に「保護パッド」の存在があるのではと考えています
要はウレタン(スポンジ?)製のパッドが調湿機能を果たしているのでは?と言うことです
BOBLENよりはMARTINの方が1%程度高め、かつやや不安定な傾向がありますが
この辺は20年の時間経過で「ちょっとしけってる??」って部分もあるかもしれません
もちろん、40%前後の乾燥状態が、24時間、数ヶ月続くような環境下だと
結果も異なる可能性はあります
しかし、うちでは、そのような環境を創出するのは困難ですので
残念ながら、そこまでの検証は現実的に不可能です
実はこの実験のあと、ちまたに出回る調湿グッズの効果検証を行うつもりでしたが
すっかりその気は失せてしまいました(笑)
なぜなら、調湿剤を入れなくても、湿度変化はほとんど起きないからです(^0^;)
もっと意味がある検証としては「ケースによる違い」ということでしょうか
ペラペラのケースなら??
FRP製のケースなら??
いっそ、ギグバッグも試してみようか??w
そんな検証の方がよほど有意義かもと思えてきました
【温度について】
湿度と異なり、温度はケース外の状態をそのまま反映しています
まあ、いってみれば「ふ~~~~ん」ってな結果なワケですけどw
例えば、夏場の車内
「ケースに入れとけばちょっとくらい大丈夫サ~」というのは
実は全く大丈夫ではないのだった~~!と改めて気づけたのは、ある意味収穫でした
さてさて、皆様はこの結果をどのように受け止められているでしょうか?
ご意見、ご要望などコメントいただければ幸いです(笑)
な~んだ というような感想は、ziziさんが検証していただいた賜物ですので、まずは御礼申し上げます。
返信削除>ウレタン(スポンジ?)製のパッドが調湿機能を果たしている
とは思いませんが、本当のところはどうなんでしょうか。そうでなくてもこれから活用できますよね。調湿パッドにするみたいな(笑)
>ちまたに出回る調湿グッズの効果検証
私は調湿材を2つ入れて59%を保っていますので、入れないとすごいことになるのかなと思ってましたが、実験結果からすると必要ない=買わなくてもいい とは不安ですね。ケース内の湿度計は60%を超える時もあるので。
大変興味深く見させていただきました。
>bs-guitar-funnypage さん
返信削除今回の記事は単なる情報提供ですので
そこからさき皆さんがどうご判断するかはもちろんご自由ですので
調湿剤なんかイランよ!とおすすめするものではないです(笑)
それに、一般的には50%±5%といわれる湿度管理の目安ですが
管理のボーダーラインをどのあたりと考えるかは個人の判断ですから
60%は高すぎるということで調湿剤を使用するのは
完全にアリなご判断だと思います
今回の結果からいえることは
「ケース内ではケース外の湿度変化の影響をうけにくい」
というその1点のみですので、そこはご了解いただけると幸いです
調湿剤の実験はケース内の湿度がケース外に追従して大きく変化するようなら
調湿グッズがどの程度の調湿性能を発揮して、その変化を小さく出来るか
という興味が無くなったからで、調湿剤を不要といってるわけではありません
もちろん「60%で一定なケース内を調湿剤の使用で55%一定にすることは可能か?」
という興味が無いわけではないですが(^0^;)
現在は、FRP製のケースとギグバッグのデータ取得にかかっています
また何ヶ月か先にご報告できるかと思います(笑)
これは面白い!
返信削除ハードケース内で湿度調整剤を使う意味を考えさせられるデータですね。
今までGUITAR BREATH2や簡易加湿器を使いましたが正直、自己満足、気休め程度なのかもしれませんね!
もちろん多少の効果はあるとは思いますが…
知りたかったような、知りたくなかったような…(笑)
しかし今回、ハードケースの密閉性を再確認できたのは収穫でした。
>もりそうさん
返信削除コメントありがとうございました!
ケース内の調湿剤にはおおざっぱに言えば3種類あるようですね
・乾燥を防ぐもの(ボディや指板の割れ、ネックの逆反り等の防止)
・高湿度を防ぐもの(トップの膨れ、音の劣化、ネック異常等の防止)
・湿度を一定に保つもの(上記両方だけど・・
私がコワイのはココボロを割った経験上、やっぱり「乾燥」で
どちらかと言えばGUITAR BREATH2のような「乾燥を防ぐもの」に
興味のウェイトがあったんですが・・・
少なくともうちの環境に限って言えば「ケース内加湿グッズ」の必要性は低いかなと
(乾燥した室内で裸保管のギターにはもちろんなにかしら必要ですが)
ギター保管にもいろんな環境が考えられるので
今回の結果も「一つの状況下での結果」でしかありませんが
せっかくセンサー買ったので(笑)
いろんな状況での温湿度変化を調べてみたいと思います
年単位の長期企画ですが、おつきあいのほどよろしくお願いいたしますw
ただこのセンサー、電池消費が甚だしい~~~
1ヶ月保たないような雰囲気なのでCR2032電池、70個ほど仕入れました(爆)
ZiZi さん おはようございます。
返信削除貴重な検証結果ありがとうございます^_^
僕の場合、家ではケース保管はまったくしておらず3本とも出放しです。
ただ、冬場乾燥期では 暖房してる部屋には一切持ち込まない 様にしてます。
極度の乾燥でトップが割れた! なんて話はよく耳にしますものね。
ギグバックの検証、楽しみにしております^ ^
>Tokiさん
返信削除コメントありがとうございます
何を隠そう自分もケース内保管は4本くらいで
基本は「裸吊り」が保管スタイルですw
でも、保管部屋は空調をかけない真っ暗な部屋で
冬場乾燥するときに手元に置いてあるのは・・・
万一割れても泣かなくてすむ面々(笑)
実際に割っちゃったし、以前某リペアマンさんに
「暖冬じゃない冬は割れ修理が増える」って聞いたこともあります
ちなみに、ココボロが快音とともに割れたのは
30%前後が1週間程度続いたある日のことでした(笑)
それからは暖房の部屋では加湿機がフル回転してます