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2020年10月18日日曜日

MS方式によるステレオ録音と処理方法

前回に引き続き、アコギのステレオ録音についてです 
MS方式とはMid、Side2本のマイクでステレオ録音を行う方法です
でも録音をそのまま再生してもステレオにはなりません
MS処理という処理を必要とするのですが、私には理論的なことはよくわかりません
しかし、理屈は分からなくとも処理自体は比較的簡単なので
一応ご紹介しようと思います

用意するマイクとセッティング

【マイク】

まずは以下の2本のマイクが必要です
 ・MID用:単一指向性のモノラルマイク(今回はRODE NT3を使用)
 ・SIDE用:双指向性のモノラルマイク(今回はSE ELECTRONIC X1Rを使用)
「双指向性」とはマイクの表側からも裏側からも音を拾うマイクで
指向特性グラフで見るとこんな感じのマイクとなります
双指向性マイクというと少し聞き慣れないかも知れませんが
マイクの指向性切り替えスイッチで「双指向性」が使用可能なマイクは意外に多く
サウンドハウスで検索するとたくさんのマイクがヒットします
うちにも数本あるのですが、最近リボンマイクというのを仕入れまして(笑)
どうしてもそれを使ってみたかったのでSE ELECTRONIC X1Rを使用した次第です

下図を見ると「1本でステレオ録音出来るマイクなの?」と思われるかも知れませんが
双指向性(Figure-8)とは「マイクの表側と裏側で同じ音を拾う」のであって、
あくまでモノラル仕様のマイクなのであります
双指向性マイクの指向特性(SE ELECTRONICのHPより)

【セッティング】

設置自体はそれほどめんどくさいわけではありません
 MIDマイク:RODE NT3(シルバーのマイク)をギター方向に設置
 SIDEマイク:SE ELECTRONIC X1R(黒のマイク)をMIDマイクとは直角方向に設置
MID、SIDEとも集音部が上から見てほぼ同じ位置に来るように設置します


上から見るとこんな感じ、NT3で正面の音を拾い、X1Rで側面の音を拾います


私の場合はこの2本のマイクを保持するのに「ステレオマイクバー」を使用しました


録音後の処理

自慢じゃないですが理論的なことは全く分かりませんし
ネット情報でも微妙に異なる処理方法になってる場合があるので、今回は


を参考に作業を行いました
なお、作業手順はAUDACITYでの例として示しました

【ステップ①:録音音声の取り込み】

AUDACITYに、ミッドマイクの音声、サイドマイクの音声を取り込みします
 トラック①:ミッドマイクの音声
 トラック②:ミッドマイクの音声


【ステップ②:MS処理】

そんなに複雑ではありません、次の5手順で完了です
 手順①:ミッドマイクの音声をコピーしてトラック①-2を作成
 手順②:トラック①-1(元のミッドマイク音声)をL側にトラック①-2R側にパンする
 手順③:サイドマイクの音声をコピーしてトラック②-2を作成
 手順④:AUDACITYのエフェクト「上下を反転」を使用しトラック②-2を位相反転させる
 手順⑤:トラック②-1(元のサイドマイク音声)をL側にトラック②-2R側にパンする


【ステップ③:調整】

処理自体は上記で終わりですが、必要に応じてステレオ感等の調整を行います

 ステレオ感の調整:サイドマイクの音量またはパン量を増減します
 中央定位の調整:ミッドマイクの音量を増減します

処理結果

 ・MIDマイク:RODE NT3(プリアンプ Focusrite Isa Tow)
 ・SIDEマイク:SE ELECTRONIC X1R(プリアンプ GoldenAge Pre73 jr)
 ・ギター:Bugs Gear 00C-40E(3万円で買ったオールメイプル、わりとお気に入り)
 ・録音距離:概ね30cmくらい
 ・音声処理:音量調整以外はなにもしていません


A-B方式やXY方式に比べると少しめんどくさいですが
それなりのメリットはあると感じます
一般にはステレオの広がり感の調整が自由にきくということがメリットとされますが
アコースティックギター録音に限れば、
それよりも、センターのしっかり感が出しやすいことの方がメリットのように思います

4 件のコメント:

  1. おはようございます

    藤本健のwebでMS特集が以前ありました。
    DAWに関するwebです。
    今はソフトで疑似MSを作ることが可能だとはわかっていましたが、
    今特集は一番わかりやすいバイブルだと思います。
    目から鱗が落ちて人魚になりそうです(^^♪
    本当にありがとうございます。
    人間は広がり感には弱いものです(笑)

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  2. >bs-guitar-funnypage さん

    「MS処理」というのは最近ではMS録音後の処理というよりは
    DAWのミックス過程での処理と言う方が一般的なのかもしれません
    ネットで調べてもほとんどがその情報でした(^0^;)
    ただMS録音後の処理方法もいくつかはあったのですが
    何か微妙に異なるような感じでして・・・
    実際にやってみても不自然さが残る結果のものもいくつかあったり(笑)

    そんな中で一番しっくりきたのがSANKENの方法でした
    ABやXYよりも中央定位のしっかり感はあるような気がしています
    是非一度お試し下さい!!

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  3. ZiZiさん おはようございます

    ブログにコメントを即入れたくても、
    毎週日曜のスタバでないとできません。
    iPhoneから商売敵のグーグル運用ブログには
    グーグルのアカウントでログインしても、
    ログイン情報が反映されないので仕方ないのです。
    アンドロイドのスマホだと大丈夫らしいですが。

    さて、早速昨日MS方式を試してみました。
    単一指向のマイクがないので、タスカムのハンディで
    代用してますが。
    ブログに簡単に載せましたのでご覧ください。
    しかし、MSは奥が深いですね。ま、なんでもそうですけど。
    ミックス→マスタリングの各バランス取りが分からなくなってしまいます。
    けど、リバーブをほとんど使わなくても広がり感一杯ですね。
    リバーブはほんの少しだけ掛けました。
    単一指向のマイクが、ほ・ほ・欲しい
    またZiZiさんに・・・やられた(笑)

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  4. >bs-guitar-funnypage さん

    GOOGLE vs APPLE・・・対立構造の被害者ってところですね(笑)


    MS録音おつかれさまでした!
    良い音で録れてますね~~~~~
    そしていつもながら丁寧な演奏、見習わなくては!!!
    (はい、今聞き終わって拍手を送っておりますw)

    MSといいますか「位相反転処理」の不思議と言いますか
    モノラル音声をコピーして2トラック作成し
    片方を位相反転してそれぞれLRに振り切ると
    あら不思議・・・ステレオ音声じゃん!ってことに(^0^;)
    もともと音声処理のなんたるかが全く分かっていないので
    狐につままれたように感じてしまいます・・・

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