ページ

2021年5月13日木曜日

NEUMANN TLM103

 古い自動車のCMで「いつかはCROWN」っていうのがありましたけど

マイク好きならやっぱりNEUMANNは一つのあこがれであります
マイクのことを知り尽くしたSOUND ENGINIERさんであれば
「いやいや、NEUMANNより●●の方がいいよ」なんてこともあるのでしょうが
高級マイク=NEUMANNという短絡思考しか無い私などには
十分に「いつかはNEUMANN」と思うに足るマイクなのであります

NEUMANN製品が5/13に価格改定


今回の購入の背景がこの事件であります・・って、今日じゃないの~~!

マイクのみに絞っていえば、改定=値上げというばかりでも無いのですが
「概ね全品値上げ」と考えても良さそうな内容です
 ・値下げ:TLM 107 Studio Set
 ・値上げ:マイク各シリーズ全体/一部値上げ
時期に関しては「21年5月13日(木) ゼンハイザージャパン株式会社受注分より」
とされていますので、流通在庫分の値上がりは13日以降という可能性もありますが
13日以降ほどなく値上げされると考えた方が良さそうです

さて、一体いくらくらい値上がりするのかが問題ですが、
イケベ楽器さんのサイトでいくつか例を挙げてみると以下のとおりです
 ・Neumann U87Ai Studio Set
   現在の販売価格(税込):352,440円
   値上げ後の販売価格(税込):451,440円 →99,000円の値上げ
    ※Neumann U87Ai単体の値上がり幅は約10万円
 ・Neumann TLM103
   現在の販売価格(税込):118,800円
   値上げ後の販売価格(税込):141,570円 →22,770円の値上げ

駆け込み需要をあおってる可能性も無くはないので
イケベ楽器の情報を鵜呑みって訳にもいきませんが(^0^;)
「どうやら小規模な値上げではなさそう」という雰囲気はひしひしと感じます

まあ、値上がりしなくてもド定番のNeumann U87Aiなどは買えるはずも無いのですが
かろうじて手が届きそうだったTLM103もかなり厳しい状況となってしまい
「いつかはNEUMANN」計画に黄色信号が灯ってしまいそう・・・

タイミングを見て中古を買うことも考えましたが、
安価なマイクなら中古で事故ってもあきらめつきますけど
10万超えとなると・・・頑張って新品購入の方が安全と判断しました

NEUMANN TLM103


さて、高価なNEUMANNのなかで、かろうじて手の届きそうなマイクとしては
TLM102とTLM103の2機種があります
形状もよく似ているのですが、録り音はかなり異なるようです

いろんなネット情報を見た限りでいえば、
NEUMANNの音を体験したいならばやはりTLM103の方がいいみたいです
主に参考にしたサイトは、以下の2つです
 ・NEUMANN創立90周年特別企画
 ・Neumannマイクの特徴と10機種の使用感レビューまとめ

■コンデンサーマイク
■指向性:単一指向性
■周波数特性:20Hz~20kHz
■最大入力音圧レベル:138dB
■SN比:87dB
■出力インピーダンス:50Ω
■電源:ファンタム48V±4V
■本体寸法・重量:外形60mm×全長132mm、500g
■オプション:サスペンション

使用感
【ショックマウント】
TLM103単品には、ショックマウント(サスペンションホルダー)が付属せず、マイクホルダのみ付属します
NEUMANNのショックマウントは4万円前後と高価なので、
コストダウンという意味もあるのかも知れませんが、
TLM103は構造的にマイクカプセルが弾力素材で取り付けられているため、
ショックマウントを使用しなくても、もともと振動ノイズを拾いにくいというのが
そもそもの理由のようです

しかし、「ショックマウントがないとテンション上がらない」ってひとも、きっと多いかもですねw
そんなときにネックになりそうなのが「60mm」という外径です
しかし、これは写真の一番太い帯状の部分のことで、下部の細い部分は概ね52mm程度ですから、それがマウント可能なショックマウントであれば使用可能と思われます

私はRycoteのUSM VB-L(対応径:55-68mm)を使用しています
太い帯の部分にはぴったりですが、写真のように帯の下から支えるようにもできます
ただ、下から支える場合は、ネジを完全に閉めても
マイク径に対してやや大きすぎて遊びがあるので、
ショックマウントの意味も??なわけですが、まあ見た目重視です(笑)
それに、USM VB-Lの耐荷重量が500gとTLM103に対してギリギリなことを考えると
下から支えれば落下の心配が消えるということで良しとしています(笑)

【ポップガード】
TLM103の金属メッシュは十分なふかれ防止効果があるらしく、基本的にはポップガードは不要ということらしいです
しかし、喫煙者にとってマイクのヤニ対策は必須なので、上の写真のように薄いフェルト製の自作マイクカバーを使用しています

【重量級??】
500gというと重い部類に入るマイクではありますが
本体が小ぶりなこともあり、取り回しに苦労するということは無いです

音の感想
ファーストインプレッションは、良い意味では無く「なんだこれ(T_T)」
GOLDENAGEのPre73jrにつないで出てきた音は、簡単に言えば「モコモコ」
上が出てないわけでは無いのだけど、中低域の解像感が乏しくて正直ガッカリでした

しかし、1時間くらい使ってるうちに視界が晴れてきますw
そして・・・・NEUMANN愛してる~(笑)

さて、まずはあらためて私の録音目的を書いておきたいのですが
私はソロギター録音と時々弾き語り録音が主な用途となりますので
舞台等オフマイクでの広範囲録音もしませんし、オケとのミックスもありません
マイクの評価は、その用途によって大きく異なるものとなりますので
そこを踏まえた上で以下をお読みいただければと思います
そして冒頭の「モコモコガッカリ」はとりあえずお忘れ下さい(笑)

しっかりした音の密度が心地よさの根底にあります
それに加えて艶っぽい解像感が、弦の音に生き生きとした表情を与えてくれます
しかし、そこに加工感や作り物感といったものは無く、いつも聴いている生音に近い、
そんな感じを強く受けます
「やや明瞭感を増した生音」そう表現しても良いかもしれませんね
そして、音に「乾いた感じがない」こと、適度な湿潤性があることも、私にとっての魅力となっています

ただ、いまどきのコンデンサーマイクは、
数千円から百万オーバーまで超幅広の価格帯のものが存在しますが
そのどれも、個人ユースに限れば全く使えないレベルってものはありません
価格と性能はある程度比例しますけど、みなそれなりに使えるマイクです
もちろん1万円と10万円のマイクにははっきりとした差があります
しかし、その差を大きいと感じるか小さいと感じるかは、
用途と感性が大きく関わるので人によって異なるでしょうし、
価格に見合う差なのかどうかも人によって違うでしょう

なので、上に書いたTLM103の音の評価も
「これでもう他のマイクは使えないね~」なんてことでもありませんし
安価なマイクで「なんとか良い音を!」と工夫を重ねるのも貴重な経験ですから
「安物に手を出さずにお金貯めてでも買うべきだよ」などという気もありません(笑)

そして私には買えませんが、もちろんもっともっと上の世界もあることでしょう

しかしながら・・・
これまで、AKGもsEもRODEもLEWITTもオーテクも使ってきて
アコギ録音ではそれなりに良い音で録れるのですが
程度の差はあれ、どこか言葉にならない違和感があったこともまた事実です
その違和感をTLM103では今のところ感じない・・・
それが私にとってのこのマイクの価値といえるのかもしれません

 ・マイク:Neumann TLM103
 ・プリアンプ:GoldenAge PRE73jr
 ・ギター:NISHIHARA
 ・レコーダー:Behringer XR16(USB録音)
 ・エフェクト&加工:無し



さて、ネットでもあまり情報が無いTLM103の特性図が製品に添付されていたので
ご紹介しておきたいと思います
高域は10kHz前後で+4dBの持ち上がりがあり、これは聴感上も感じる感覚です
中域は完全なフラット、低域は70Hzから自然なロールオフとなっており、
こうした特性が、上記した「やや明量感を増した生音」の一因と思われます
ただし、マイクをデータだけで語るのはあまり意味が無い・・・かもですけどw

TLM103 周波数曲線

TLM103 ポーラパターン


2 件のコメント:

  1. いつかはクラウン!
    ノイマン持てばスーパースター☆
    遂にピラミッドの頂点に君臨ですね

    返信削除
  2. >bs-guitar-funnypage さん

    コメントありがとうございます!

    まあ事前に値上がり情報をつかんでましたので「今でしょ!」ってw
    でもこれまでなにを使ってもどこか感じていた違和感をなぜか感じない、そんなマイクでした

    返信削除