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2022年12月28日水曜日

CLASSIC PRO CSB1

とてもコンパクトなマイクプリアンプですが、商品名的には「インライン・マイク・ブースター」と呼ばれるようです

CLASSIC PRO CSB1


ダイナミックマイクやリボンマイクのような低出力のパッシブ型マイクに接続して出力をブーストするために使用します
ただ、ファンタム電源を要するコンデンサーマイクには使用できないことに注意が必要です

もう一つの活用法としては、ファンタム電源をマイクまで通電しないという特長を活かして、パッシブリボンマイクの保護に用いるということもあります
 ※パッシブリボンマイクにファンタム電源を供給すると故障の原因となります

【使い方】
ゴールドの部分をマイクに直接接続し、マイクプリアンプ(またはオーディオインターフェイス)から48vファンタム電源を供給します
もちろんマイクに直接接続せず「マイク-マイクケーブル-CSB1-マイクケーブル-マイクプリアンプ」という形でも大丈夫です


CLASSIC PRO CSB1
CLASSIC PRO CSB1とよく似た商品に「SE ELECTRONICS DM1 DYNAMITE」があります
まあこちらは「インラインプリアンプ」と呼ばれていますが、呼称はさておき機能的にはほぼ同じな機材です 

CLASSIC PRO CSB1の諸元をDM1 DYNAMITEとの比較で示したものが下表です
ゲインが2dB小さいことを除けば、両者はほぼ同じなのですが、注目すべきはその価格差w
CLASSIC PRO CSB1はDM1 DYNAMITEの概ね1/3という圧倒的コスパを誇ります


しかし、「それじゃ、CLASSIC PRO CSB1の圧勝じゃね?」というのはちと早計です
問題は「2dBのゲイン差」です
下図は、全く同環境で両者を比較したときの波形を示したものです
 ・上(緑):CLASSIC PRO CSB1
 ・下(青):DM1 DYNAMITE
あからさまにCLASSIC PRO CSB1の録り音が小さいことがわかりますが、これが「2dBのゲイン差」であり、実際に緑を2dB増幅すると概ね同じ振れ幅の波形となります
あくまで「概ね」ではありますが・・


音も比べてみた

以下は全く同じ環境下で両者の音を比較したものです
上記した「2dBのゲイン差」の補正は行わないそのままの音なので、CLASSIC PRO CSB1の方がやや音量が小さくなっています
ちなみに、録音条件は以下のとおりです
 ・マイク:SE electronics V7(ダイナミックマイク、感度-54dB)
 ・プリアンプ:BEHRINGER XR16内蔵プリアンプ(ゲインレベル+40dB)

人の耳というのは大きな音量の音の方が良い音と感じるそうなので、その分DM1 DYNAMITEのほうが有利とは言えそうです
しかしそれだけなら+2dBの補正をかければ同じに聞こえそうなものですが、そう単純でもありません

私には、DM1 DYNAMITEの方が高域のロスが少なく、中低域の膨らみもあるようにきこえ、どちらが好み?と聞かれれば「DM1 DYNAMITE」と答えます
もちろんそれほどはっきりした差では無く、価格差を考えるとCLASSIC PRO CSB1も十分ありなのですが・・・

やはり、どちらを選ぶかは聞き比べて、好みな方を選ぶ
CLASSIC PRO CSB1が好みなら迷わず購入、DM1 DYNAMITEなら価格差に見合うかを検討、ということになりそうです
ただ、そこまで大きな音質差では無いのでCLASSIC PRO CSB1もそんなにガッカリすることは無いと思います

単に比較の意味なので・・・下手くそ御免!であります(笑)



+26dBの増幅は必要なのか
CLASSIC PRO CSB1もDM1 DYNAMITEもコンデンサーマイクには使えませんので、対象はダイナミックマイクとリボンマイクとなりますが、リボンマイクはやや特殊なのでダイナミックマイクのこととしてお話してみます

ダイナミックマイクはコンデンサーマイクに比べて低感度です
今回使用したSE electronics V7も、定番なSHURE SM58も感度は「-54dB」、まあざっくり「-50~-60dBの間くらい」と考えれば良いですが、中にはBEHRINGERやJTSのように「-70dB以下」というものも存在します
 ※BEHRINGERやJTSは低価格ですが、そこそこの音質で使えるマイクも多いです

このような低感度マイクを使って、余裕を持った録音をするには、個人的に「最低でも+60dB以上」、超低感度マイクも含めてすべてのマイクに対応するなら「+70dB」のゲインを持つプリアンプが必要となります
しかし、単体のプリアンプなら問題ないのですが、オーディオインターフェース内蔵のプリアンプでは不足する場合があります
【オーディオインターフェイスのゲイン値(例)】
 ・Steinberg UR44:+52dB
 ・Steinberg UR44c:+60dB
 ・FOCUSRITE Clarett+ 2 Pre USB:+57dB
 ・MOTU M4:+60dB
 ・ZOOM UAC-8:+60dB
「大差ないヤン?」と思う方もいらっしゃるかもですが、旧型のSteinberg UR44だと「ん?なんか変?」と思うくらい音が小さいですから、数dBの差はかなり大きいです
 ※+6dBで音圧レベルは2倍になりますが、聴感上の音の大きさとは異なります

さて、私は、特に根拠は無いのですが、ゲインつまみマックスで使うとノイズが急に増えるように感じるので、出来れば8,9割程度以下で使いたいと考えています
なので、やはり+50~+60dBの最大ゲインではちょっと不足すると感じることが多いです
その「ちょっとの不足感」を埋めるのに+26dBのブーストはちょうど良い感じなのです
実際、上記の録音では、
 ・CLASSIC PRO CSB1での増幅値:+26dB
 ・BEHRINGER XR16内蔵プリアンプでの増幅値:+40dB
ということで、「合計+66dB」の増幅となるのですが、それでも緑の波形(上の画像)程度の録音音量なのです

絶対必要というわけではありませんが、1つ持ってれば安心!っていう程度には役立つ場面がありそうに思います

蛇足ですが、パッシブリボンマイクをお持ちなら「ファンタム電源の遮断装置」として持っておく方が良いと言えます(ファンタムを通電するとマイクが壊れてしまうため)


2 件のコメント:

  1. これも決めては・・・見た目でしょうか(笑)

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  2. >bs-guitar-funnypage さん

    う~~んw
    そうとも言えそうですが・・・
    音で判断するなら「赤い方」でしょうか(笑)

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