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2015年6月23日火曜日

Toshi.G工房 宇坂ギター TG-DC

分別ある大人だから、明日まで待ってようと思ったけど、やっぱりオコチャマだったのね(笑)
本日、宇坂ギターをお出迎えに行ってきました


TG-DCモデル(2013東京ハンドクラフトギターフェス出品モデル) 
モディファイドD、デントカッタウェイ、アームレスト、スルーネックジョイント

トップ:アディロンダックスプルース
サイドバック:ココボロ
ネック:マホガニー
指板、ブリッジ:ココボロ
ヘッドプレート、デント部、アームレスト部、ロゼッタ:黒柿
ナットサドル:牛骨
スケール:645.2mm
バインディング:メープル
インレイ:白蝶貝、アバロン
ペグ:グローバータイプ ゴールド
塗装:オイルフィニッシュ

【製作者】

徳島県神山町に工房を構える、宇坂利文さん(Toshi.G工房)の作です
http://www.geocities.jp/toshigjp/profile.html
まさに、山深い「神の山の仙人」といった環境でギター製作をされているルシアーです
私も最初に工房にお伺いしたときには、坂道から片輪落としてしまいました(^_^;)
今でも気の抜けない山道のオクに工房があります
以下の番組で、宇坂氏とともにこのギターも出てきますけど、なにもお値段まで出さなくとも・・・(笑)


【名称など】

特に聞いたわけじゃないですが、「TG-DC」は「Toshi.G工房 Dent Cutaway」の意味だと思います
さてこのギターをどう呼ぶべきか考えてみたんですが
「TG-DC」ではギターなのか何なのかもちょっとわかりにくい
「toshi.G工房 TG-DC」でもまだわかりにくいし、ちょっと呼びにくい
ということで、私としては「宇坂ギター TG-DC」と呼ぶことにしました
宇坂氏は「宇坂ギター」という名称は一度も使ったことがないと思うので
勝手に呼ぶのも少し気は引けるのですが、
氏への敬意も込めて「宇坂ギター」と呼ばせて貰おうと思います

【細部】

ヘッドの表は黒柿、裏はハカランダです
チューナーはグローバーですけどメーカーは不明です
GとTを組み合わせたロゴは白蝶貝のインレイになります


 指板はココボロ、ポジションインレイは白蝶貝
デント部は黒柿の曲げ細工で作られています
ちなみにこのカッタウェイ形状を宇坂氏は「デントカッタウェイ」と呼んでいますが
ギターにつきものの「打痕」のことも「デント」といい、要は「くぼみカッタウェイ」と言うことになります
新岡ギター教室さんのサイトではこの形状を「デミカッタウェイ」と呼んだりしてますね
ちょっと見にくいですがトップバインディングの内側のパーフリングはアバロンが入ってます


ロゼッタはアバロンと黒柿です、黒柿の上から透明ピックガードが貼られています
トップ材はアディロンダックスプルースです
ベアクローは試奏の時にはトップ面全体に入ってると感じて、確かにその通りなんですけど
なんせ光の具合で、写真には写りにくいです(^_^;)
ブリッジはココボロです


サイドバックはココボロです
ネックエンドはアコギには珍しい「スルーネック構造」のためヒールがとても小さいです
このため13Fにカポ装着も可能で、西村歩さんの「13フレットのオルゴール」も弾けそうです


アームレストも黒柿です
エンドピンは普通のものが付いていたのですが
いずれ遠からずピックアップを付けたくなることを見越して、12mmホールを開けて貰いました
穴は木製の化粧ピンで埋めています


【音について】

幸いなことに、ここに持ち帰っても試奏の時の音の印象とほとんど変わりないです
そして、所有ギターのどれとも「全く異なる音色」・・・
これがルシアーものと呼ばれる音なのでしょうか
ここまで違うというのはちょっと衝撃的だったりします
フィンガー限定ならD28GEよりも・・・・う~~・・・とは言いたくないけど(爆)

全体的にやや硬質な音です
が、その硬質感が「各弦の粒立ちの良さ」につながっています
一音一音に存在感があって、確かにフィンガーピッキング向きだと感じます
製作後2年たってますので、
硬質といってもできたての頃よりはやや落ち着いてきてるものと思われ
特に1,2弦はかなり落ち着いた音色とも聞こえます

嬉しいのは、6弦フェチ(笑)の私も十分に満足できるハリのある5,6弦の鳴り
まさに「びぃーーーーん」という、ど真ん中ストライクの音
なんともいえないシアワセを感じさせてくれます

ただ、倍音感も強くサスティンも素晴らしく長いというのが
こんなに扱いにくいとは思っても見ませんでした
南澤大介さんが、ご自身の監修ギターでは無駄な倍音を省いたり
サスティンも扱いやすい程度に控えたりと言うことに腐心されていると聞いたことがありますけど
いままで「なんでそんなもったいないことするのか?」と不思議に思ってました
でも今はちょっと納得したかもしれません

消音技術を全く持たない私には、音がもつれて、絡まって
チト手強いギターになりそうですが
その手強い音は、今私が感じているシアワセ感そのものでもあるわけで
「こりゃだめだー」なんてことは、けっして無いのでございます(笑)

サンプルは、この感覚のままにお伝えしたいんですけど、
なかなか思うように録れません
ヘンリンだけでも感じていただければ嬉しいのですが・・・





10 件のコメント:

  1. ziziさん、こんにちは。

    遂に手に入れられましたね。
    にしても、何とも美しいギターだなあ。羨ましい。

    気になるのはこの一点ぐらいでしょうか。

    > ただ、倍音感も強くサスティンも素晴らしく長いというのが
    > こんなに扱いにくいとは思っても見ませんでした

    私も同様に消音技術をほとんど持たない身ですのね・・・。
    でもいいなあ・・・。

    > それよりは宇坂ギターを是非1台、よろしくお願いします!(笑)

    ziziさんが手に入れられたのと同じぐらいの価格なら前向きに検討します(笑)。

    っていうか、私の場合、この手の外見を持っていて、弾きやすいギターなら、他のでもいいような気がします。
    この手の「くぼみカッタウェイ」みたいなタイプの、他にもありますよね?

    シダーはもうフォルヒで持っているんで、要するにスプルースので、フィンガー向きのがあったら理想だなあ・・・。

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  2. J minorさん、おはようございます

    美しさも音と同様、大事な要素ですよね
    僕も見た目に惹かれた部分は否定できません(笑)
    音、姿、弾きやすさがギターの3大要素なのかもしれません
    そのどれもが一定レベル以上で
    なおかつ、何とか手が届く価格のギターに出会うというのは
    ひょっとするとすごい幸運なことなのでしょうね

    宇坂氏はこのギターを本来価格からやや割り引いて
    ヤフオクに出されてたんです
    で、たまたまそれを見つけた翌日にお電話して試奏に行ったと言う次第です
    価格的にいったんは「やっぱり無理!」ってあきらめたんですが
    あきらめがつかずに、
    何とか出せそうな金額をお伝えしてから、潔く断念しようとしたところ
    宇坂さんから暖かいお返事をいただいて、今に至ります
    前に地元のルシアーさんを応援・・とか書いたけど
    あのお値段だと、ほんと応援にはないって無いような気がします
    むしろ僕の方が応援された・・のかと(笑)

    トップ材は音色にかなり影響があると思います
    シダー、マホ、スプルースどれも特徴があって、どれもそれぞれの良さを感じます
    が、シダーの中ではやっぱりフォルヒは出色ですね~
    想像でしかないですが、
    他のシダーギターよりちょっとトップが薄いんじゃないでしょうか
    スプルースは、なんというかオールマイティな感じが好きですが
    スロー系とかバラード系とかだと特に相性の良いイメージです

    ただ、今回ひとつ勉強したのは「硬質感」の必要性でしょうか
    硬質なままだと全くツマラナイ音なんですが
    これに倍音とサスティンが付いてくると、化けるなあって(笑)
    一音一音がこうすっきり前に出てくるって、気持ちいいんだな~~って
    しかし、これがどういうギター作りで生まれてくるのかは
    さっぱりわかりません
    宇坂氏にも聞いたら「うーーん、やっぱり材と作り方かな~~」(爆)
    いや、それは知ってるし(^_^;)

    J minorさんにも良い出会いがあることを祈ります
    もし本当にオーダーしていただけるなら、交渉役は引き受けますよ!



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  3. ziziさん

    こんにちは!

    宇坂さんのギターの音色
    幸せになるサウンドですね。

    硬質な音は弾いているうちに
    まろやかになると思いますが
    サスティーンと倍音はこの豊かさが良いですヨ

    プロが使う場合はサスティーンと倍音が
    整理されている方が録音にも使いやすいのでしょうが
    アマの私たちには癒される音で楽しめるのが一番ですよね。

    育っていくの楽しみですね(^O^)/

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  4. sasunさん、こんばんは

    ついに手元にやってきました
    音、姿ともに満足しております
    しばらく弾かれてなかったのか、
    ネック裏の滑りがやや悪かったんですけど
    今はもう大丈夫です

    音の方は弦も大きく関係しますから
    アニーボールのアルミニウムという弦の特性も含んだ音ですし
    しかもいつ代えたのか不明という条件ですけど
    硬さの中にも豊かさも感じられて
    これはこれで好みな音ではあります
    これから育つかどうかはともかく
    数年くらいは壁の花にせず
    手元に常時置いて弾き続けたいと思います

    >アマの私たちには癒される音で楽しめるのが一番ですよね
    もうほんとにその通りですね
    もしも適当に倍音やサスティンが整理されたギターが目の前にあっても
    多分買うことはないだろうなって思ったりします(笑)
    いろいろ音のことを言ってても
    結局、私は華やかでリッチな音が好きなんだなって思います

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  5. こんにちは。お久しぶりです、キャプテンチュウハイで御座います。

    スルーネックの工法を調べていたらZiZiさんのページに行きつきました。

    Toshi Gさんのギター買われてたんですね。
    素晴らしい音ですね。消音が必要なサスティーンの長さに、スルーネックも影響してそうに思いました。

    ZiZiさんの演奏動画、私のブログで紹介しても良いでしょうか?

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  6. >キャプテンチュウハイ さん

    ご無沙汰しております!!
    また、キャプテンチュウハイさんからコメントをいただけて
    正直かなり喜んでおります

    宇坂ギター、お役に立てますようでしたら
    是非ご紹介ください
    まだまだ若いギターですから
    サスティンの伸びとともに音の硬さもやや目立ちますが
    良いギターだと思います
    ご紹介いただければ宇坂氏もきっと喜ばれると思います
    よろしくお願いいたします


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  7. すみません、、、ネットなのに出不精なもので。

    そしてご快諾有難うございます。

    今まで宇坂ギターはノーマークだったんですが、動画拝見して驚きました。
    特に倍音感が国内ルシアーっぽくないというか、ここまでしっかり鳴らす人は少ない印象です。このギターは弾いててすごく気持ちいいでしょうね!


    少し前にToshi G工房さん放出のココボロ端材を買わせていただいたのでちょっとした縁みたいなものを感じてしまいましたww

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  8. >キャプテンチュウハイ さん

    出不精は私もです、オマケにデブ症・・・(^_^;)

    アディロン+ココボロという強靱な材料のギターですので
    太い音になるのには時間もかかりますし
    ある程度腕力も必要になりますので
    若干「手強い」印象もあります(笑)

    よろしければD28との音比較動画もありますので
    ご参考になれば幸いです
    前半:MARTIN D-28GE生音
    後半:宇坂ギターTG-DC生音
    https://youtu.be/D59gNsUtfHo
    比較してしまうと方向性の違いは明らかなんですが
    自分的には「優劣」ではなく「個性」なんだなと
    そんな風に思っています

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  9. キャプテンチュウハイ2016年12月17日 22:13

    遅く鳴りすみません、ちょっと家のネットワークの整理中でした。

    比較の動画、有難うございます。
    確かに狙いどころの違う2本ですね。同列に比較しにくいです。
    ただ、フィンガーピッカーとしては宇坂ギターにチャレンジして
    みたくなりますね。ちゃんと制御出来れば楽しくて仕方がない音だと感じます。

    あ、動画拝見した限りデブ症には見えませんよw


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  10. >キャプテンチュウハイ さん

    一日外出していて遅くなりました
    記事にしていただいてありがとうございました
    また折を見て拝見させていただきますね!!

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