ページ

2015年8月17日月曜日

ZOOM Q8 内蔵マイクでのギター録音


Q8に限った話ではないですが、
Q4でもQ8でもHDR-MV1でも、ステレオ高性能マイクの付いたビデオでギター録音するとき
いくつか困ったことが生じます
 ①左右の音量差が生じる
 ②高音、低音が左右に偏って、音質がどこか不自然
 ③近づけると低音過多、遠ざけるとレベル不足 等々
また、もちろん内蔵マイクで録る場合は、
 ・音質優先するとほとんど画作りができず、アングルが固定されてしまう
という問題もあるわけですが、これは今日の話題からはちょっと外しておきます

本題の前に、①、②については、音源をモノラル化してしまうという対処があります
この場合音の広がりがなくなってしまいますので、
必要があればソフトウェアでステレオエフェクトをかけてやると聞きやすくなります
なーんだ、とお思いかもしれませんが、意外に無難な方法で音も悪くないと思います
むしろ最も現実的で有効な方法なのかもしれません

しかしせっかくのステレオマイクです
後処理とかの手間を極力かけず、ステレオマイクを上手くいかして、
なんとかギターの音を綺麗に録りたい、というための試行錯誤が今日の本題です
試行錯誤ですから、「これで大丈夫!」という結論はありませんが、何かの参考になれば幸いです


【事前の留意点】
ZOOM Q8の標準マイクカプセルはマイク交角が120度と広角マイクになっていますが
環境ノイズを拾いやすいのと、左右の音量・音質差を生じやすいので
可能ならXYH-5(90度)か、XYH-6(90度と120度が選択可)に交換するのが良いです
上図はマイク交角90度で示したものです

【Aポジション】
私が試した限りでは、3ポジションの中で最もバランスの良い録音ができました
LRともギターの直接的な音の発生源(サウンドホールやトップ板等)を向かないせいか
左右の音質・音量差も最小限です
また、Cポジションと異なって、「右手がサウンドホールをふさぐ形でマイクの前にくることがない
という利点があります
加えて、右手からやや遠い位置になるので、右指のタッチノイズも少し小さくなります
問題があるとすれば、全体的に線が細く迫力不足と感じる場合ですが、
その場合はBポジションに向けてやや位置をずらしながら、適正と思える場所を探します

【Bポジション】
14Fの前20cmくらいという、モノラルマイクを使うなら定番の位置です
しかし、ステレオマイクだとL側がもろにサウンドホールを向いてしまって、
音量差も大きく、音質的にも不自然です
ビデオカメラということでなければ、この位置でもXYマイクを水平面上ではなく
鉛直面上に配置すれば不自然さを回避することも可能ですが
画像も90度回転してしまいますから、ちょっと現実的じゃないです

【Cポジション】
実は私自身も割と長くこのポジションを使っていました
多少の左右音量差はあっても迫力のある音に聞こえたせいですが、
確かに迫力はあっても、なんか「耳元でギターを弾かれている」ような聞き疲れする感じや
アタック音が強すぎる感じが、しだいに気になってきました
またマイクの前に右手が立ちふさがることの音質変化というのは、
善し悪しはともかくかなり大きく、そのことも気になったのですが、
これについては、音質ばかりでなく、
動画に「手ばかり大きく映ってしまう」ということの方が問題と感じてました(笑)

 【マイク先端からギターまでの距離について】
図中で青矢印で示したライン上の距離のことで、この距離は、
 ・近づけるとやや低音が強く迫力が増す、S/N比も向上するが、繊細なニュアンスが薄くなる
 ・遠ざけると高音寄りになり、エア感が増すが、S/N比は低下するし、音の芯が希薄になる
という特徴があります
好みの位置を探すというのが基本ですが、私の場合は
 ・ZOOM Q8:マイクボリューム9でマイク先端から50~60cmくらい
 ・ZOOM Q4:マイクボリュームHIGHでマイク先端から30cmくらい
 ・HDR-MV1:(スイマセン、貸し出し中に付き未検証です)
という距離で撮ることが多いです
Q4はQ8に比べてマイクゲインが低く設定されているため、やや近づけないと音量が小さくなります


いかがでしょうか
なるほど!と思われた方も、うそつけ!と思われた方もいらっしゃるかと思いますが(^_^;)
今回はあえて音源は添付しませんでしたので、いろいろと試してみて下さい
記事の主旨を無理矢理?まとめると、
「Aポジションを基本に、ヘッドフォンで確認しながら良い位置を探してね!」
ということになります
なお、今回はA~Cポジションという水平面上での位置変化で話を進めましたが
カメラの位置を上下させる、鉛直方向の変化でも音は異なると思います

また、録音には部屋の構造(反響の大小や、主要な反響面の位置等)やマイクの種類や特性
などが大きく関わります
録音環境によっては、今回の記事とは異なる結果になることもありえますので、
あまり真剣にやり過ぎると泥沼化することも考えられますが
暇つぶし的に遊んでみるのも楽しいですよ!


2 件のコメント:

  1. ZOOM Q2HDを使い始めた当初、
    あれこれと試行錯誤して、
    Aポジに落ち着いた経緯があります。
    でも音がどうのというよりも、
    映像の収まりが良かったのが理由でしたけど…。

    音にこだわりはじめてから、
    左に偏った音像をセンターにしたくて、
    外部入力に変えたのですが、
    現時点ではかなり納得の出来なので、
    しばらくはこの環境で撮ろうと思っています。
    一度でも悩んでこだわり始めてしまうと、
    その先には深い沼が待ってるので、
    これで良し!と言い聞かせるのが肝要です(笑)

    返信削除
  2. mssumasum さん、おはようございます

    映像の収まり・・・というのは確かにその通りですね
    記事は、音の問題として書いては見ましたけど
    Aポジは音と映像のバランスが一番まともという部分もあります
    Q2HDもそうなんですが、マイクがウリのビデオの場合は
    どうしてもそれ単体で音も映像も録ろうとするところにやや無理もあって
    根本的に解決するにはモノマイクを外部接続するしかないかもしれませんね

    それと、そもそもステレオマイクというのが
    なんかギターのような単一音源に近い楽器の録音には向いてないような(笑)
    たしかに多少のエア感は出ますけど、
    最近は、「それって必要?」って思ってしまいます
    モノマイクでとって、軽くステレオエフェクトというのが結局最強のような・・・
    Q8だけで勝負しようとするものぐささが
    泥沼の端っこにたっている原因のようにも思います

    でも確かに大事なのは泥沼に首までつからないこと
    肝に銘じます

    返信削除