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2016年7月26日火曜日

アコギ用のアンプ(Amp for Acoustic Guitars)

アコギを弾く上で、ギターの生音は重要だ~!と思う一方で
質の良いリバーブにまみれて、「上手くなったかも?」と錯覚しつつ
自己満足に浸るというのも、私にとってはモチベーションの維持につながっているのです

その自己満足のために、良質なPU、良質なリバーブ、良質なアンプと
次々に探し続けてきたのですが、今日はその中から「アンプのお話」であります


【アコギ用アンプとは】

ひらったくいえば、各社から「アコースティックギター用」として発売されているアンプですが
エレキ用やベース用とはどう違うのでしょうか

 ■音の違い

  エレキ用は押し出しが強く音圧感のある音が好まれる場合が多いので、
  中域にピークのある味付けが多いように思います

  一方、アコギ用では低域から高域までフラットに出力する方向で作られていて、
  アコギの繊細な音を余さずに出力するため、幅広い周波数域が出力できるようにできてます

  意外なのはベース用アンプで、スピーカー部は十分な低域が出るものが使われてるようですが
  アンプ部に関してはエレキ用よりもむしろアコギ用に近いフラットな出力特性のようです
  このため、アコギアンプの代用としてベースアンプを使う人もいらっしゃいます

  その他、キーボード用アンプもフラットな雰囲気はアコギ用に近く
  私もいくつかのキーボード用アンプを使っています

 ■機能の違い

  アンプにエフェクター機能が付属する場合は、
  アコギ用ではリバーブ、ディレイといった空間系やコーラスがついていることが多く
  エレキ用ではオーバードライブなどの歪み系、アンプシミュレート系が主体です

  アコギ用には弾き語りを想定して「マイク入力」に対応している場合があります

  アコギ用アンプの場合、「Hi-z対応」の記載が無ければ
  エレキギターをつなぐとやせた細い音になることがありますが
  エレキ用アンプにエレアコを繋いでもそういったことは普通生じません
  これは入出力インピーダンスの整合性による問題ですが
  これを書いているとややこしくなるので(笑)、ちょっと割愛です
  「ロー出し、ハイ受けが基本だぞー」という台詞だけ頭の片隅にでもおいといてください

 ■構造の違い

  アコギアンプでは高域周波数への対応として、2wayスピーカとなっていることがあります

 【アコギ用アンプに求めるもの】

アコギ用アンプには、使う場面や目的によって異なる要求が生じるることがあります

 ■音質

  やっぱり一番重要な要素です
  私が重視するのは、重低音から繊細な高域まで自然な出力ができることですが、
  そのためには、それなりの大きさ、出力が必要です

 ■機動性

  ちょっと外に持ち出したいとかのときには、
  軽量コンパクトであったりとか、電池駆動できたりとか、機動性に優れたアンプが重宝します

 ■機能性

  弾き語りをする場合や、他の楽器とセッションをする場合では
  豊富な入力系統があると便利です

ただし、このような要求のすべてを1台のアンプでかなえることはほぼ不可能です
どこかで妥協するか、目的に応じた数台のアンプを所有するか、という選択になります

【アコギ用アンプを探して幾星霜・・・】

好みの音質や、使用目的に応じたアンプを探してたくさん試してみました(笑)
紆余曲折の足取りをご覧あれ・・・

 ■ROLAND Acoustic chorus 100  
  最初に購入したアコギアンプです
  本当に素直で豊かな出音、エレキアンプに慣れた耳にはきわめて新鮮で
  たいした曲も弾けないのに、ただ音出しするだけで幸せになれました(笑)
  ただ、少々老朽化してノイズが乗るようになったことや27kgという重量から
  最近は出番が減ってます


 ■BEHRINGER K3000FX
  かなり大型なキーボードアンプです
  最初はギター用アンプの音との違いにやや違和感があったのですが
  ほんの数時間で慣れてしまい、今では一番のお気に入りです
  15インチという巨大ウーハーのおかげか上のAC-100に比べてもさらに豊かな鳴り方をします
  また、入力系が4系統と豊富だったり、エフェクトも十分使えたりという部分でも重宝します
  欠点と言えばやはり約30kgという重量(^_^;)
  いったん設置してしまうと二度と動かしたくない重さです
  また、本体にコロコロもついてないので、
  お掃除のためにコロコロ付きのテレビ台が必須という部分もちょっとマイナスです


 ■YAMAHA THR5A 
  居酒屋に持ち込むために、コンパクトなアンプを購入
  大音量では音割れするという欠点はありますが、
  小さい割に豊かな音で、エフェクトの効きも良く、お気に入りな一台です


 ■BEHRINGER ACX1800
  興味本位で買ってしまったアンプです
  機能は豊富なんですが、音のほうが私にはあまりしっくりこなくて、長いこと倉庫住まいです


 ■Roland KC-110
  容易に運搬可能なアンプとしてはTHR5Aで満足していたのですが
  より音量豊かなアンプが欲しくて購入
  想定よりもやや大きいサイズでしたが、音、機能ともにほぼ合格点です
  まだ活躍の場は見いだせていませんが、いずれ役に立ってくれることと思います
  音はまだ硬い感じはしますが、エージングとともに柔らかさを増すものと期待してます


 ■VOX VT20+ と VOX MINI5 RM
  いずれもアコギ用では無く、エレキ用のアンプです
  前者はエレキ時代の名残、後者はリズムボックス代わりに購入したものです 

【アコギ用アンプとしてのPA】

出番が遅くなりましたが、実は今日の話題の核心であります

PAというのは、ライブなどで使われる機材です
Public Address(パブリック・アドレス)の略で、電気的な音響拡声装置の総称です
このため、家で使うという発想がなかなか湧かないのですが
もともと特定の楽器のための拡声装置では無いので、低域から高域までフラットに出力でき
音のことだけを言えば、エレアコを繋いだときの出音は上のどのアンプよりも自然で豊かです

では、PAというのは家で使うのには大げさすぎるのでしょうか?
いえいえ、ライブ会場の大規模PAをイメージしなくても、
もっとずっとコンパクトなシステムを構築することは十分に可能です
たしかに、いくつかの部品に分かれるので、持ち運びという意味では単体アンプには劣ります
上で紹介したような一体型のアンプは持ち運びやすいのも特徴です
しかし、音を追求しようとすると、どうしても余裕のある大きさや出力が必要になって
その結果、重量30kg前後にもなると、オールインワンの可搬性などはもう意味が無く
結局据え置き状態となってしまいますから、コンパクトPAとの差は大きくないとも言えます

 ■最も簡単な家用PAを考える

  それは、パワードミキサーを1台入手するという方法です
  ミキサーとパワーアンプが合体した機材で、
  これ一台でギターを入力してスピーカーを鳴らすことが可能です
  スピーカーは家の中に、何か余ってませんでしょうか
  古いコンボステレオのスピーカー、シアターシステムのメインスピーカー・・・・
  そういうスピーカーを流用すれば立派なPAになります
  私の場合は、Behringer PMP500というパワードミキサーを使っています


 ■最も安価な家用PAを考える

  ミキサーとパワーアンプを分けて入手するとさらに安価になります。たとえば、
    ミキサー:BEHRINGER XENYX 1202FX
    パワーアンプ:Lepy Hi-Fi ステレオデジタルアンプ
  であれば、両方でも14千円です
  余ってるスピーカーがあれば、これにケーブル類をそろえるだけだし、
  スピーカーが無くても、先日ご紹介したCLASSIC PRO CSP6なら、12千円の追加
  実際、この組み合わせに古いコンボステレオのスピーカーを繋いでみましたが
  アコギアンプでは聞けないような、とても自然な音が出てきます


 ■家用PAにも可搬性を求める

  簡易PAという機材があります
  有名なものではYAMAHA STAGEPASSシリーズがありますね
  ただ、「家用」と言うことで考えると、可搬性はあまり必要ないので、ちょっとどうかな(笑)
  下の写真はCLASSIC PROのPAeZ
  結局、外で使ったことは一度も無く、家用には少々かさばると言うことで長期休眠中です   


【まとめると】

アコギ用の拡声装置を考える場合、「アンプ」と言う選択ももちろんアリですけど
オーディオとして考えた方が、安価に良い音が出せることもありますよ~~~
というお話であります

その意味では、上記のPA以外にも、
たとえばPC用やオーディオ用のパワードスピーカーなんかも選択肢に入ってきます
某ギター教室さんで有名になった「スピーカラ」はその系統でもあり、PA系ともいえます
しかし、それらはギターの入力という部分で制限される事もあり得ますので
ミキサーを出入り口とするのが無難と言うことで、今日の記事を書いてみました

一点、好みが分かれそうな部分を挙げるとすれば
音がすっきりとオーディオ的に出てくるので、
好みによっては「パンチに欠ける」と感じる人もいるかもってことでしょうか
ただ、EQでかなり音作りも可能ですし、スピーカーの大きさなどによっても音は変わりますので
それほど致命的とも思えません
市販のアンプにちょっと飽きてきたかなと思われたら、試す価値はあるかもしれません


4 件のコメント:

  1. 夜中にこんばんは〜。

    話にはついていけませんが、
    しかしいろいろといっぱい持ってますねー。
    置き場所に小さな家が1軒必要かも・・
    アンプを使って音を出せる環境も羨まし〜〜い。
    今度リーフもアンプにつないでみようかな。

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    1. おはよ~さんです

      まさに事務所丸ごとギター&機材の収納場所となってます
      一応一戸建てなので多少の音は出せますが
      最近は慰問練習で少々音を大きくしてるので
      外にも漏れてると思われますが、それも今日まで
      明日はいよいよ本番です
      なのですが、孫に風邪をもらったようで、ちょっと体調悪し
      ドタキャンもできないし、風邪も持ってはいけないし
      今日は休養して体調回復を図ります~~!

      おうちで使うならTHR5Aは良いですよ
      音も良いし安いし、別途プリアンプを用意すれば
      オーディオインターフェイスにもなります

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  2. ベース(ウッド、エレキ、たまにウクレレベース)を弾いています。
    アンプ、スピーカーはPhil Jones bassのサウンドが好きでメインと成っています。
    ギターはセミアコ(335のギブソン公認日本判)とアリアの古いエレガットをたまに。

    ギターのアンプはフェンダーのチャンプ12(スピーカーをヘンプコーンに交換)とAAD by PhilJonesbassのCUB(ダブルフォーのバックアップが主眼(コレがウッドベース奏者にヒットした事からベースカブができた経緯があります)ですが、勿論エレアコには最高!良い音、良いテクニックはそのまま極上に、今一な楽器とテクニックは無慈悲に容赦なくそのまま。リバーブ等は外部機器で対応)

    Phil Jones bassのBassCubやDOUBLE Four はベース用ですがピエゾ対応の超高インピーダンス(4MΩ)入力と超フラットな音響特性からギター。特にエレアコ、エレガット、ハコモノエレキギターにもバッチリ

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    1. たぬき様、初めまして!!

      貴重な情報をありがとうございました
      ベース用のアンプがとてもフラットな特性でアコギにも十分使えると
      言う情報については、聞いたことがあったのですが
      こうして具体的に情報提供いただいたのは初めてのことです

      Phil Jones bassのBassCubやDOUBLE Four
      両者ともにSHさんの評価がすこぶる高く、
      しかもベースに限った使い方ではなくて高評価というところからみても
      たぬき様のおっしゃっているとおりのアンプなんだなあと、うかがえます
      (DOUBLE Fourの評価には「タヌキ」さまの記述ありますね)

      「今一な楽器とテクニックは無慈悲に容赦なくそのまま」
      私などはまんまそういうレベルの人ですので(^_^;)
      むしろ下手くそを優しくごまかしてくれるアンプが欲しいのでありますが(笑)
      最近は、外ではPA、家ではオーディオかキーボードアンプで落ち着いて
      アンプ漁りもどうやら収斂してきた感があります
      でも、たぬき様の情報でちょっとだけムラムラしたりもしました(爆)

      書き込み本当にありがとうございました!!

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