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2017年4月1日土曜日

iRig Acoustic Stage の簡単レポ

IK Multimediaから今年初めに発売された「IRIG ACOUSTIC STAGE」
アコギ用のマイクピックアップ+プリアンプシステムです
しばらく品薄状態の中、私は幸運にも2月末に入手してましたが
年度末仕事の真っ最中でもあり、ろくな検証もできずに今に至りました
現在は特に入荷待ち等の必要なく購入できるようです


【製品概要】

IK MultimediaのHPから製品の主な仕様をご紹介すると以下のとおりです
私にとって重要なことを太字にしましたが、要は
「プリアンプ付きマイクピックアップで、かつ他のPUとのブレンドやオーディオIFとしての使用も可」
という、なんかこれ一つあれば何でもできそうな(笑)ドリームマシンに思えたこと、
そして、所有ギターにはエンドピンジャックの穴開け加工をしたくないギターが数台あって
その救世主となるのでは?と考えたのが購入動機でした

 •ギターのサウンド・ホールに取り付け可能なクリップ式MEMSマイクロフォン
 •DSP機能を搭載したプリアンプ・ユニット
 •ライブ・ステージでのアコースティック・ギター・サウンドを劇的に改善。
 •ピエゾ / マグネティックなどオンボード・ピックと接続可能な1/4インチAUX入力端子。
 •ボリューム調節が可能な1/4インチ・オーディオ出力端子。
 •USBオーディオ出力端子を装備しコンピュータやモバイル機器での録音が可能。
 •フィードバック防止機能(Cancel Feedbackボタン)を装備 。
 •6種類のサウンド・プリセット。
 •カスタム・キャリブレーション機能に対応。
 •最大4mm厚まで対応したクリップでアコースティック、エレキトリック・アコースティック、
  ウクレレなどにマイクを取り付け可能。
 •位相切替スイッチを装備し、2つのソースからの入力時のサウンドを最適化。

質感は超プラスチッキー(爆)
間違っても高級感などないですが、
ベルトにつけて使うシーンを想定すれば金属製で重いものにできない、
という事情もわかるような気がします


【クリップマイク】

上記に「最大4mm厚まで対応」とありますが、製品の隙間は約2.5mmです
しかし構造的に柔らかな部品が使われていて、うまく「クリップ」するようにできています
LOWDENのように5mm近いトップ板厚でもなんとか装着は可能ですが
無理して装着を繰り返すと、耐久性に難が出そうに思うので
上記のとおり4mm前後までと考えた方が無難です

逆に2mm以下の板厚(主にウクレレ)の場合は固定ができません
引っかける形なので装着後に落ちるということはないと思いますが、
購入前に使用可否に関していろいろご検討された方が無難かと思います



【マイク単体での動作】

まずはマイク単体の音です
プリアンプのDSP機能をいろいろ試してると大変なので(^_^;)
以降のテストすべて「NATURAL」で固定です
ギターは「Merida extrema c-35omc armrest」(5万円程度のギターです)
録音システムの都合上、ZOOM A3、Lexicon LXP-5を通りますが
エフェクトはすべてカットしています

割と自然な感じの音です
そしてサウンドホールに近いだけあって上手くサスティンを拾って、
ちょっとリバーブ感の豊かさもあります
ただ、実は到着した2月の時点ではMORRIS S-107Ⅱで試したのですが
このときは高域の特定周波数でハウリングのような不快な残響が残って
これがどうしても消えず、「こりゃたまらん!」と思ったことも事実です
今回は割と上手く録れましたが、ギターや弦の種類によっては不測の事態も考えられ
若干「運の要素」も含んでいるかもしれません
ちなみにそのときの残響はフィードバックキャンセルボタンでも消えませんでした

また動画で写ってますがテレビの音声は出たままで録音しています
しかし上手くギター音だけが録音され、周囲のノイズには強い感じがします



【マイク+マグネットピックアップでの動作】

これはちょっと面食らいました(^_^;)
マグネットがM1 passiveというパッシブピクアップで出力があまり大きく無いタイプなんですが
プリアンプのAUX端子に入力しても、マイクからの音しか聞こえてきません
最初は壊れているのかと思ったほどですが
M1 passiveとIRIGプリアンプの間にもう一つプリアンプを挟むことでようやく音が聞こえました
おそらくですが・・・もしもこれが正規の仕様だとすれば
AUXにパッシブのPU出力を入れたのではほぼ使い物にならず
最低限アクティブPUを使うか別途プリアンプを使うかしなければいけないように思います
でも、ギターにマイクをつけ、別のPU出力にプリアンプを繋いでそれをIRIGプリアンプに送り
・・・・な~んてややこしい接続で、体が配線に絡まってしまいそう(笑)
私自身はもうこりたので、この機能は使わないと思います

マイク単体との音の違いは、私のセッティングがあまり上手で無く小さいですが
ヘッドホンだと低音の豊かさが増しているのがわかると思います
もう少しマイクのミックスを小さくした方が良かったのですが、面倒くさいのでこれでご勘弁を(笑)



【マイク+オーディオインターフェイスでの動作】

windows10だとPCに接続で自動的にドライバがインストールされて使える状態になります
ドライバ名は「iRig Acoustic Stage」です

もしかしたらボリューム設定は関係ないかもしれませんがプリアンプのボリュームを最大にしても
録音レベルが非常に小さいです(Audacityでの録音そのままの状態は以下のとおり)



しかし、ノイズレベルはきわめて低いので、ある程度正規化やコンプで音圧を稼ぐこともできます
ついでに、リバーブも少しかけてみたのが以下です



ちなみにこのマイクはモノラル出力ですがAudacityの設定で「ステレオ録音」にしておけば
あとでリバーブ処理をするときにステレオリバーブを上手く生かすことができます


【検証終わり(笑)】

製品名のとおり「STAGE」で使うことを想定するなら
フィードバック防止機能の検証とかも必要ですが、もう疲れちゃって(^_^;)
基本的にマイクの音は悪くないと思います
ただ若干ギターとの相性のようなものも存在しますので
「概ねの人には大丈夫」とも言えますが、わずかに運しだいな部分も残るって感じでしょうか

別のPUとのミックスは確かに面白いのですが
アクティブPUの使用か、パッシブの場合は別途プリアンプが必要かなということで
私としてはちょっと使いにくいです

オーディオIFとしての使用は「録音レベルが小さい」という問題が残ります
なんとか回避方法を発見するか、後処理でレベルを上げるなら
使用方法自体は簡単ですので手軽なPC録音機器として使えるかもしれません

なお、本記事はあくまで私の私感ですので、険悪なご反応はご勘弁ください!!

2 件のコメント:

  1. ziziさん、レビューありがとうございます。
    大変参考になりました。
    買わないことにします。(笑)
    しかし、詳しいですよね。ziziさんの解説は。

    返信削除
  2. >丸に橘さん

    コメントありがとうございました
    録音機材というのはもうほんとに星の数ほどあるんで迷いますが
    どう使いたいか、をまず決めることである程度は絞り込めます
    例えばyoutube動画が目的なら
    SONY HDR-MV1みたいなミュージックビデオか
    外部入力のあるコンデジまたはビデオ+外部マイク
    というところで落ち着くかなと思います
    ただし高性能マイクの音がほんとにいい音に聞こえるかというと
    いろんな意味で疑問符が残ります
    コンデジ動画の音声は情報量が限られて単純化していることで
    逆にいい音に聞こえたりする面もあったりで、僕自身も困惑します(笑)
    丸に橘さんの動画は僕には十分いい音に聞こえておりますよ

    もしもライブで使うことを前提にするならば
    あっさりLRbaggsのM80みたいなアクティブタイプのマグネットが
    ハウリングに強くて音も良く、おそらくベストじゃ無いかと思います
    穴開け加工をしたくないときには
    コードをサウンドホールからべろんと出すタイプもあります


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