【2017.4 ギターリペア中村さんに売却】
GIBSON LG-0(1966) オールマホのギターです
GIBSON LG-0は、1958年から1974?年まで生産されたギターで、
今は製造されていませんから中古、しかも40年以上前のビンテージしかありません
(ショップオーダーとか特別なものはあるかもしれないですが・・・)
LGはスチューデントモデルとして価格を抑えた製品ですが、
マホガニーの明るく枯れた音色で、プロの間でも使われることが多く、
忌野清志郎さんが、このLG-0をバンド時代に愛用したことでも知られています
2014.5にヤフオクで「年代を考えると奇跡的」という説明文で売られていたのを入手しました
届いてみると確かに奇跡的(笑)
あまりに綺麗で本当に50年前のかどうか疑わしいほどでしたが、
よく見ればそれなりのダメージもちゃんと?あって、妙に安心したりもしました(笑)
大きさは、マーチンで言えばダブルオーかシングルオーくらいの小振りなギターです
ナット幅も40mmと狭く、いわゆるナローネックという形状です
top : 14 1/8" wide Mahogany
back and sides : mahogany
bracing : straight ladder
bridge pins : black
pickguard : screw-on black
top and back binding : tortoise
tuners : 3 on-a-plate
bridge : rectangle rosewood
fingerboard : rosewood , 20 frets total
saddle : adjustable
finish : natural
【ヘッド】
ギブソン独特のヘッドシェイプです
塗装したばかりのように、綺麗すぎるほど綺麗です
ロゴの塗料も全くダメージ無し・・・怪しい?(笑)
チューナーは、3連のオープンバックチューナーですが、
オリジナルはオープンバックではありませんから、交換されたもののようです
【指板】
フレットの減りはそれなりにありますが、指板そのものは掘り込みも無く比較的綺麗な状態です。
弾く上で最も問題なのは40mmしかないナット幅です
さすがLG(「For Little Girls」or「For Ladies & Girls」)というだけあって細いです
弾けないわけではないですが、
指の太い私にとっては、ソロギ曲の演奏はかなり気をつかいます
【トップ・サイド・バック】
トップ、サイドバックともにマホガニーの単板です
トップは、やや目立つ打痕がひとつあるだけで極めて綺麗!
ただ、3カ所ほどトップにウェザークラックが見られますが、
もちろん塗装膜の範囲内で、本体木部にはなんの影響もありません
むしろ、こういったクラックがあったから、ビンテージとしてある程度納得がいったと、
まあそういった面もあります
ピックガードはギブソンに良くあるねじ式3点止めです。いやはや・・・もう単純にカッコイイ(^◇^;)
サイド&バックは、クラックどころかひとつの打痕もない・・・・きれいすぎる?(笑)
よく見れば米粒のような打痕や僅かなひっかき傷はありますけど、まさに奇跡的に綺麗です
バックル傷もないですから、ライブ使用もあまりなかったのではないかと想像します
【ブリッジ】
ちょっとあこがれていたアジャスタブルサドル!
弦高調整がドライバー一本で可能というこのシステムですが、なんといってもサドルが「木製」というところにめちゃくちゃ興味がわいてしまいました
ただ、LG-0のアジャスタブルサドル仕様は、それほど多いわけでもなさそうです
アジャスタブルサドルは66年(もしくはそれ以降)のものだけというネット情報もあります
1958 LG-0 introduction specs:
14 1/8" wide Mahogany top, mahogany back and sides, straight ladder bracing, black bridge pins, screw-on black pickguard, tortoise binding on top and back, 3 on-a-plate tuners, rectangle rosewood bridge, rosewood fingerboard, 20 frets total, 3-on-a-plate tuners, natural finish. Bridge pad was spruce, which unfortunately would wear out from the string's ball-ends.
In 1962 plastic bridge used. $85 list price.
In 1963 an injection molded styrene pickguard was used.
In 1966 rosewood bridge with adjustable saddle was used.
In 1968 spruce top on some models.
In 1974 discontinued.
それにしても1962年で、85ドル・・・高いのか安いのか?
1ドル360円で貨幣価値を3倍くらいと考えれば、92000円・・・・
私の購入価格を考えると、ちょっとビミョウな気分です(笑)
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【買った直後に思ったこと】
こんな状態の良い機体ですが、全く不満がないかと言えばそんなわけでもないです
ナットの1,2弦の間隔、5,6弦の間隔がやたらと狭く、弾きにくいです。
1,2弦についてはもともとこの状態であったということではなく、
長年の使用で2弦の溝がだんだん1弦側に広がっていった結果のようです、
5,6弦はそういった感じでもないので、単純に精度の問題なのでしょうか
弾きにくいだけじゃなくて、5弦が6弦の糸巻きに僅かに触れるようで、
強く弾くとキーーンっていう金属音が響くことがあります。
音の方は、ペンペンとお安い音がするのかと思っておりましたが、意外に若くて元気な音がします
しかし、LG-0の動画をいろいろと見ましたが、音の雰囲気は、同じ音だと思えるので、
元々このギターの音というのは、そんなにチープな感じではないのかもしれません
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【購入から数ヶ月後・・・・】
結局、上に書いたナットの問題で弾きにくかったことや、
アジャスタブルサドルの劣化が激しかったことで、Toshi.G工房さんに入院となりました
ナットは牛骨で作り直し、サドルはできあいのTASQに交換です
その結果・・・
枯れたマホガニーサウンド・・・とは言い難い、元気なギターになってしまいました(笑)
入院前から想定内でしたので、もちろん落胆というのはないのですが
むしろ、自分は「ペンペンした安い音」を求めてオールマホを探していたのに
とどのつまりは「良く鳴る元気なギター」が好きなんだと気づかされたことの影響が大きく
その後はオールマホギターを探すのをやめてしまいました
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サンプル音源です
相当気をつかって指を立ててるつもりなんですが、
どうしても押弦していない弦に指が触れて異音が出たりします
押弦スキルの無さも原因なんですが、
40mmのナット幅に対して、やはり私の指が太すぎるという、
根源的な理由があるのも確かなようです(^_^;)
このギターにはPUを付けていませんので
前半:生音、後半:生音(リバーブ付加)としてみました
元気な音になってしまって、ちょっと「ありふれた感」は強くなってしまいましたけど
それでもどこか味のある音だと、私は思ってます
こうして、外国の曲を弾いてると、なんかすごく雰囲気があるような気がするのは
きっと「ひいき目」なんでしょうけど、
同じオールマホのMARTIN OO-15と比べても、「味」という感覚ではこちらの方が勝る気がします
最近、リバーブのことで思うのですが
「プリディレイ」というパラメータって、なんかすごく大事だなと・・・
このあたりはまたいつか書いてみたいと思います
動画のリバーブはプレートでプリディレイ150msくらいにしています