グライコ=グラフィックイコライザーの略です
イコライザー(EQ)には大きく分けて2種類あります
どちらがよいというものではありませんが、操作感はかなり異なります
・グラフィックイコライザー:増幅、減衰可能な周波数域が固定されているタイプ
・パラメトリックイコライザー:増幅、減衰可能な周波数域が可変なタイプ
写真のようにスライダーがたくさん並んでいるEQはグライコです
各スライダーの受け持つ周波数が決まっていて、その周辺を増減可能になっています
【EQの役割】
一般的に言えば、まずは「自分の好みの音質に整える」ことでしょうか
好みと言ってもいろいろあると思いますが、周波数特性に依存してる部分は意外に大きいです
例えば、アコギのPUの音が「ちょっと安っぽいなあ」って思うときに
500Hz~1kHz前後の中音域をやや削り、低音、高音を少し上げてあげるだけで
「これこれ!!」ってことになったりするわけです
もちろん、もっとベーシックな太さ、暖かさ、力強さというような部分は
EQでは調整しきれない部分もあるかもしれませんが、
音への不満の半分以上はカバーしてくれる気がします
もう一つは「環境への対応」でしょう
室内、路上、ライブ会場というように音を出す環境が異なると、同じ設定の機材を持ち込んでも
出音は大きく異なります
PAさんがついている場合は、意見交換しながら調整することもできますが
細かいこと言って嫌われるのも避けたい・・・・(笑)
こんなときにも手元にEQがあれば重宝します
「低音の迫力が足りないなあ」「ちょっと音がキンキンしすぎるなあ」
くらいの不満なら十分なんとかしてくれますし、場合によってはハウリング対策にも使えます
【プリアンプにもEQはついてるけど?】
そこなんですよ(笑)
じゃあ単体のEQなんていらないじゃないか、と自分もそう思ってました
でも、いろんなプリアンプを使ってると、そのEQの効き方とか操作のコツとかが結構違ってて
そのたびに「イラッ!」(^_^;)
そこが楽しいという面も否定はしませんが、それってまあまあ最初のうちだけだったり・・・
それに、プリアンプを色々使ってその評価を自分なりに考えるとき
最も困ったのは、プリアンプって増幅機能とEQ機能の総合性能で考えるべきなのかどうか
いえもちろん使い勝手も含めた総合力で判断すべきなのでしょうが
そこがそもそも「プリアンプを比較しにくい原因」となってる気もするのです
プリアンプの「素の音」を比較できないかなあ・・・
それも難しい話なんですが、EQを他力本願としたときのプリアンプの能力ってどう違うんだろう
そんなことを漠然と考えていたときに思い付いたのが単体EQです
エフェクターの数珠つなぎは可能な限り避けたいのですが、興味には逆らえません(笑)
とりあえずこんな感じでつないでみました
ちなみにEQは空間系の手前であればどこに繋いでもOKだと思いますが
PA-PRE(プリアンプ)の取説に「EQはプリと楽器の間に挟むと良いよ」って書いてあったので
今のところ最前段に配置しています
【小さい、軽い】
重量は347g、大きさは122mm×94mmくらい
想像していたよりも一回り小さいけど、スライダーの操作には支障の無い大きさ
良い感じじゃないでしょうか
スライダーも結構重いというか固さのある動きで、不用意に移動してしまうのを防いでくれます
【18v駆動】
一般的なエフェクターは9v駆動が多いので注意が必要です
パワーサプライを使用する場合は18v(センターマイナス)を供給できる機種を選んでください
この高電圧でヘッドルームを稼いでるとかの情報もどこかでちらっと見た気がするんですが
電気音痴の私には意味不明です(爆)
【眩しい】
残念ながら、神々しいということじゃなくて・・・、純粋に眩しいw
ここまで光らなくてもなあと思うのですが、っまユルス
フットスイッチでバイパス状態にするとEQスライダーのライトは消灯し
左右端のVOLUMEとGAINのみ点灯します
【使用方法や音について】
音の好みや使用環境(目的)によっても使い方は異なりますが
上に書いたようにMIDを削って、LOWとHIGHをやや盛るというのが基本ラインです
このEQのバンドは以下の10バンドに対応してます
①31.25Hz,②62.5Hz,③125Hz,④250Hz,⑤500Hz
⑥1kHz,⑦2kHz,⑧4kHz,⑨8kHz,⑩16kHz
これに対してギターの各開放弦の周波数はこんな感じ
・6弦開放:82.4Hz
・5弦開放:110.0Hz(基準音)
・4弦開放:146.8Hz
・3弦開放:196.0Hz
・2弦開放:246.9Hz
・1弦開放:329.6Hz
よく、クリップチューナーなどで基準音を440Hzとしてそれを5弦にあわせるので
5弦開放=440Hzと思いがちですが、
A=440Hzという国際規格はギターの5弦の2オクターブ上の音を規定したものです
周波数が倍になると「1オクターブ上がる」という関係なので
5弦開放=110Hz×2×2=440Hzが基準周波数となっています
ということで、ギターの弦そのものが出す基音は6弦開放から1弦12Fを使うとすれば
82.4Hz(6弦開放)~330Hz×2=660Hz(1弦12F)となりますが、
これに「みんな大好き倍音~」が加わりますから、
ギターの音色としては概ね2kHzくらいまで感じていると思います
(それより上もキラキラには重要な帯域ですが)
ということで話をEQのバンドに戻すと
①②:弦の音ではなくて「箱鳴り」の部分です、ボディタップによる音もこのあたりでしょうか
③ :5、6弦当たりの基音で、力強さだとか迫力とかに重要になります
ドンシャリの「ドン」に当たるかも
④⑤:4~1弦の基音バンドですが、そういったとらえ方よりも、暖かみとか太さとか
そういう風に考えた方がよいかもしれません
ただし、強すぎるとリアル感が薄れて「なんだかしょぼい」となりがちです
私の場合、特に⑤あたりは「絞る」使い方の方が多いです
⑥ :ここから先は主に倍音域です、1kHz前後は「音の輪郭」といった領域
⑦⑧:キレの生まれる領域です、弦へのタッチ音や擦過音もこのあたりかな
ドンシャリの「シャリ」に当たるかも
⑨⑩:超高域ですがキラキラ感とエア感を担ってる領域
耳障りにならない程度に上げるとなんとなくギターが生き生きしてくる
まあ、こんなことを踏まえながら各スライダーを上下していくわけですが
グライコがパライコに比べて使いやすいのは
この上下の状態が一目で確認できる点にあります
逆にパライコというのはグライコよりも感覚的な調整になりますから
しっかりした耳と明確な音の理想像を持っている人向けといえるかもしれません
さて、音の善し悪しは・・・・正直分かりません(笑)
しかし、ノイズも無く、スライダーの効きも良いということで不満はありませんです