タイプもルックスもよく似た2つのマグネットPUを比べてみたのが、本日の記事です
なお、音源、評価ともにT-903の発売直後(2014.8)のものとなりますのでご了解下さい
【skysonicT-903】
現在、skysonicのラインナップはT-902、T-903、PRO1の3種類
私はT-903しか持ってないのですが、価格や概要をamazonから紹介するとこんな感じです
T-902及びT-903はマグネットとマイクのミックス、
PRO1はT-903にコンタクトを加えたトリプルミックスのPUとなります
【Seymour duncan sa-6】
元々、自分の大のお気に入りで、気に入り過ぎて3個も買ってしまってます
T-903と同じマグネットとマイクのミックスタイプですが価格は千円ほど高いです
外観など
【skysonicT-903】
形を見てお気づきかもしれませんが、ロゴとかボリューム、マイクのコントロールを別にすると、サンライズS2にそっくりです
ロゴを塗りつぶして、遠目からだと、なりすましできるかもしれません(笑)
電池の端子とあってないので力業で「えい!!」って押し込む(笑)
電池が変われば上手くささるかもしれないですが、ちょっと残念
※2)取り付け可能なサウンドホール径
最低でも98mm程度は無いと装着困難のような気がします
サウンドホール径100mmのギターへの装着は、そこそこきつきつでした
上手くやれば、95mm前後でもつくかもしれませんが、安全圏は100mmです
万一「どうしても入らない」という場合は、
片方の留め具を完全に外してから、ギターに装着してみて下さい
その状態でサウンドホールに収めてから、この留め具を元に戻します。
相当面倒ですけど、より小さなサウンドホールでも入れられます
一方、下の写真は、手持ちのSeymour duncan sa-6です
ボリュームやミックスのコントロール位置がT-903とは少し異なります
大きさは903の方が少し大きいです(左:903、右:SA6)
どちらのPUもボリュームとマイクミックスの2つのコントロールがありますが、
903は本体の中にコントロールつまみが入った形、SA6は飛び出した形で取り付けられています
903の方はこのつまみ配置のせいで、つまみを動かすときに少し弦に触れてしまいます
(注意して操作すれば大きな音は出ないと思いますが)
弦を張ったまま脱着、と言うことを考えると903はかなり窮屈です(可能ですけど)
両方とも小さな丸いマイクがついてますね、これがコンデンサマイクです
SA6の方は、良く覚えてないですが、裏側に直接電池を装着する方法があるらしく、なにやらごちゃごちゃとしてますね
比較条件は、以下のとおりです。
●プリアンプ:ZOOM A3 ※プリアンプ機能のみ使用
●曲:中川イサトさんのクラレンス ※1フレーズ飛ばしたショートバージョン
●ギター:Larrivee C-10 ※今思えばこれは失敗だったか?もともと低音がドーンみたいなギターではありません
●録音:ZOOM Q4ライン録音
●リバーブ:TC_electronic_NR-1 Nova Reverb
中川イサトさんのクラレンスは、美しい旋律とともに、
しみわたるような低音が魅力の曲で、6弦をBまで下げます
もともと、2つのPUで「低音の出方、締まり方」を比較したかったこともあったので、
この曲を選んでみました
※)以下音源は、ボールピースと弦の間隔を調整し忘れておりました
録音時はSA6で5.5mm、903で4.0mmで、やや低音が弱くなってしまってます
両者よく似ています
確かにマグネットの音ですが、「のっぺらぼう」というわけではなく、
少しざらつきがのっていてマグ臭さを軽減しています
違いがよくわからないくらい似ているので、ブラインドだと判別つかないかもしれません(^◇^;)
低音の出方は、上記のとおり未調整のサンプルですので何とも言えませんが、
両者とも少々控えめな感じもします
【②MIC全開時の比較】
これは明らかにSA6のマイク成分の方が大きいです
903もぜんぜん悪くないのですが、MICがminのときとmaxのときの差がやや小さく、
「調整した!」という満足感?(笑)がやや小さいという感じでしょうか
最初、「これはmic壊れてるのでは?」思い、こんな実験までしてみました
903のマイクのみで音を拾ってますが、micがminでも音は拾います(^◇^;)
minとmaxの差が小さいと思ったのはこのせいかもしれません
ただし、SA6でも同様にminの時でも音は拾いますが、
maxにしたときのゲインが903よりもずっと大きいです
903の場合、micの調整幅がやや狭いと言うことで、
僕らシロートには「調整した!」という満足感がSA6に比べてやや小さいかなと、そう言う話です(笑)
※)今回はライン録音での結果であって、ハウリングを起こす要素ゼロですから
こういうことが言えるわけで、SA6のゲインをライブとかでどれだけ生かせるのかは
少々ギモンです
ライブでのマイクの実用範囲にはSA6も903も大差がないのかもしれません
リバーブののり方はどちらも良い感じですが、やはりマイクゲインの差が感じられます
【④ボールピースと弦の間隔を調整してみた】
903についてだけ、ボールピースと弦の間隔を5,6弦で2mm、4弦で3mm、
1~3弦は変更無し(4mm)と言うことで調整してみました
確かに低音の出方は強くなりましたが、もう5,6弦はマグネットらしさ満開です
<MIC全開時>
<MIC全開時+リバーブ>
【私の総評】
マグの性能は、SkySonic T-903、SA6ともほぼ同じ
(精密には比較できないけど出力的にも同程度な感じ)
マイクはSkySonic T-903のゲインが弱いと感じます
ハウリング回避のためにそれほどマイクゲインは必要ないという考えもわかりますが
宅録という用途もあるわけですから、ユーザーの調整余地は残して欲しかったなと思います
以上を踏まえ、かつ現状で同程度の価格と言うことを考慮すると、
T-903も悪くないですが、私はSeymour duncan sa-6を選びたいです
【H26.6.29追記】
コメントで質問いただいた
「SEYMOUR DUNCAN SA6 Mag Micの取り付け可能な最小サウンドホール径」
についてですごく一般的な方法
・弦は緩めた状態で張ったままだとして
・PU両サイドの留め具を取り外すこと無く
・PUをいったんサウンドホール内に落として
・片側の角をサウンドホールの縁に咬みこませ
・その後もう片方の縁を持ち上げる形
であれば、コメントしたとおり96mmではギリギリアウトか、
もしくは採寸誤差に助けられて、幸運にも入りましたとか、しか考えにくいです
もう一つの留め具を完全に外してトップ上面からスポッとはめ込む方法は
「はいるかもしれないが、少々賭けの要素もある」とコメントではお答えしましたが
これについて追加でご説明いたします
留め具を完全に外してしまえばPUの本体部分さえサウンドホールに入れば良く
上の写真で見れば本体の幅は87.5mmですから96mmのサウンドホールには余裕で入ります
(両方外さなくても、片方の留め具のみを完全に外すだけでOKかもしれません)
ただし、このときのリスク要素としては、以下が考えられます
①留め具のねじがサウンドホールに干渉しないか
②留め具を元通りに戻せるか
①留め具のねじがサウンドホールに干渉しないか
写真のように留め具用のねじは本体のくぼみ部分に配置されていて
サウンドホールに干渉する心配はなさそうです
②留め具を元通りに戻せるか
できなくは無いと思いますが、難易度に関してはやったことが無いので想像できません
「結構手間なのでは?」と思いもしますし、
本体のクランク部分がガイドになって、ブラインドでも意外と簡単かもとも思います
私の情報としては上記の通りです
あとは自己責任で挑戦されてくださいね! 幸運を祈ります!!!