我が家に降臨あそばしたFOCUSRITE ISA TOW
せっかくの2chプリアンプなので一度はやってみたいステレオ録音!!!
もちろんこれまでZOOM Q8の内蔵マイクとかのステレオ録音は経験ありますが
いくら過去を振り返ってみてもマイク2本使いのステレオ録音って経験が無い
それに、ZOOM Q8はカメラとマイクが一体なだけに、
良い画を録りつつバランスの良いステレオ録音をするのには相当苦労させられたという
「スレテオ録音苦手意識」がすっかりすり込まれてしまっている・・・
そんなこともあって、ブログ友達のもりそうさんにも
「ステレオ録音?、めんどくさいだけですよ~~」などと言ってしまったわたしw
舌の根も乾かぬうちに・・・と言うのは、恥ずかしい限りでありますが
まあ頑張ってみるとしましょうw
アコギ録音でマイクを2本使う意義
ステレオ録音の話の前に「マイクを2本(または複数)」つかう目的をちょっと整理します
【①ステレオ録音のため】
ギターの音に広がり(立体感)を持たせる為の録音方法です
人の耳は主に「耳に届く音量」と「耳に届くタイミング」で音源の位置(定位)を
判断していますが、
これを録音音声として模しているのが、ステレオ音源と言っても良いかもしれません
このためには2本のマイク(ちょっと工学的には違うかも知れないけど「耳の代わり」)
が必要、かつ、音質や特性が同じマイクを使うことが条件となります
主となるアコギの音をオンマイク(近距離マイク)で録り、
これにオフマイク(やや離したマイク)で録った部屋の反射音をミックスする方法です
録音に臨場感を付加するための録音方法です
この場合は、2本のマイクの特性が同じである必要は無く
アコギ用には単一指向性のマイク、反射音用には無指向性のマイクが使われることが
多いようです
アコギのステレオ録音
ここでは「①ステレオ録音」に話を絞ることにします
アコギの音は、サウンドホールから出る音がおそらく最も大きいので
その意味では単一音源とも言えますが、実際にはトップ全体で音を発していますし、
右手のピッキングノイズや左手のスクラッチノイズも当然あるので
ギターから2,3m程度の位置で聞くといった状況を念頭に置けば
かなり広がりのある音源とも言えます
なので「ステレオ録音してもモノラルにしか聞こえないのでは?」と言うことは無く
ステレオ録音の意味というのは十分あると考えられます
ステレオ録音のマイクセッティングには一般に以下の6種類ほどがあるようです
①A-B方式(2本のマイクを並行に設置)
②XY方式(2本のマイクを90~110度で交差させマイク先端部を1点で重ねて設置)
③MS方式(センター用とサイド用双指向性マイクを設置、後処理を要する)
④ORTF方式(2本のマイクを「ハ」の字に設置、交差角115度マイク先端間距離17cm)
⑤NOS方式(2本のマイクを「ハ」の字に設置、交差角90度マイク先端間距離30cm)
⑥バイノーラル方式(ダミーヘッドの両耳の位置にマイクを設置)
まあ、詳しいことはネットでお調べいただきたいが(笑)
それぞれの善し悪し、特徴はさておき、どれが取っつきやすいかと言う観点では
双指向性マイクや後処理が必要な③MS方式、特殊な装置を要する⑥バイノーラル方式の
二つは早々に却下w
また、④ORTF方式や⑤NOS方式は「ハ」の字設置のため
ギターの音がクリアに拾える50cm以内のオンマイク録音では
集音範囲にサウンドホールが入ってこない可能性が高いので、これも却下
こうしてみると色々ある録音方法の中で「私が思う現実的なアコギのスレテオ録音方法」は
結局のところ①A-B方式、②XY方式の2つなのであります
※タッピング奏法が主体など特殊なケースでは異なる可能性もあります
FOCUSRITE ISA TOWでのステレオ録音
めちゃくちゃ短いサンプル音源ですが、まあまあ雰囲気くらいは聴いてもらえると思います
ただですね・・・・(笑)
ハイゲインによろこびすぎて、調子に乗って、あまり設定を煮詰めずに録っちゃってます
まずはスポーツカーの乗り方を覚えないとですね、反省、反省w
あまり良いサンプルとは言えませんがご容赦下さい~~!
録音条件
・マイク:BEHRINGER C-2
・マイクプリアンプ:FOCUSRITE ISA TOW
・ギター:LOWDEN O-32
・録音距離:概ね30cmくらい
・音声処理:音量調整以外はなにもしていません
①A-B方式
マイク間の距離は15cmほどです
それでも、そこそこのステレオ感が有り、かつアコギの音も芯のある音にきこえます
私的には好みの録音です
②XY方式
ステレオ感はA-B方式より少し劣るかも知れませんが
遜色ない感じです
③モノラル(参考)
一応比較用にモノラルでも録音してみました
さすがに「安定の中央定位」という部分では大きなメリットを感じます
④MS方式(次回の記事でw)
上では「めんどくさいのでやらない」って書いてしまいましたけど
好奇心には勝てず・・・結局やってみました(笑)
ただ、使用するマイクも異なりますし、録音後の処理方法のことも書いておきたいし
と言うことで「MS方式」に関しては次回の記事でご紹介することにします
感想など
ステレオ録音について
正直言って・・・マイクが1本増えるだけで準備もセッティングも面倒っちゃ面倒です
でも、もし生音のみでリバーブなどのエフェクトを用いないならば
ステレオ録音も一考の余地はあると思います
逆に後処理でリバーブを使うならリバーブ残響のステレオ化で十分ステレオっぽくなるので
その場合はモノラルでも良いかなと(^0^;)
FOCUSRITE ISA TOWについて
マイクプリアンプって、私のような宅録初心者レベルには、
はっきりいって「無くてもなんとかなる機材」です
ミキサーにだって、オーディオインターフェイスにだってマイクプリはついてるし・・
それに、少し良いものをと思うとやたらお高い!
「無くても録音は出来る」「良いものはお高い」「使ったこと無いから効果がわからん」
導入を躊躇させるには十分すぎるハードルでした(笑)
しかし、こうして単品のマイクプリを導入してみると
ネットでさんざん見かけた「全然違う!」とか「別物!」とかの評価が
少しは理解できるようになってきました
今回使用したマイク、BEHRINGER C-2は2本で6千円強という
超入門用ステレオペアマイクです
ただし、値段を考えればよく出来たマイクで、私も何かというとよく使ってきましたが
オーディオインターフェイス直では音にわずかなざらつきが有り
また、やや平面的な音しか録れませんでした
オーディオインターフェイス直とFOCUSRITE ISA TOW経由の音・・
FOCUSRITE ISA TOWを通すことで、低音が引き締まるとともに
なめらかで立体感のある音になったように感じでいます
フラシーボ効果?と言うのも否定しませんが(笑)
上手く説明できずとも「私自身はかなり満足している」というのは事実です
「無くてもなんとかなる機材、マイクプリアンプ」
導入効果は人によってはごくわずか、人によっては天地ほどの差
私には、ほのかな幸福感・・・十分な投資効果でありました
ISA TOWと、そのお迎え準備として行ったケーブル取り回しの見直しと常設化
ステレオ録音をする場合でも、かなりやりやすい環境にはなったのですが
モノラル録音でもリバーブ処理で簡単にステレオ化でき、
かつセンターに力強く定位することを考えると、
あえて2本のマイクでステレオ録音する意味は、少なくとも私には小さいと言えます
リバーブ使わず「生音のみで勝負!」って時の必殺技って感じですが(^0^;)
エフェクト無しの演奏を聴いてもらえる日が私に訪れることなどあるのかなと・・・(笑)
おまけ
ステレオ録音の「必需品」とまでは言えませんが、あれば相当重宝するもの
それが「ステレオマイクバー」(またはステレオバー)です
2本のマイクの位置関係をステレオ録音に適した間隔、角度に保持してくれるだけでなく
スタンドを2本たてなくても良いという究極の省スペースを実現してくれます(笑)
BEHRINGER C-2のようにマイクを買えば付属してくると言うものも多いですが
C-2に付属するステレオバーはマイク間隔が12.2cmとかなり短いので
23550はマイク間隔が17cmと一回り大きい分、セッティングの自由度が段違いです
それに、千円程度とお安いのも魅力です