なるほど!とは思っても、実際に体感できる機会というのは意外と少ないものです
それに、体感するために各種ケーブルを色々買ってみるというのも
なかなかできそうでできない(笑)
よほどひどい音じゃ無い限りは「他の使ってみよう」ってことにはならないものですしね
「よほどひどい音」には、私は一度だけ遭遇しています
なにかの機材のおまけで付いてきた細いシールド・・・
ノイズは無かったもののガリガリに痩せた音で
それをクラッシックプロの安いシールドに交換しただけで「すごい!!」って思ったものです(笑)
でも、それ以降は「よほどひどい音」には出会っていないし
逆に「すごい良い音」と言うシールドにも出会った覚えがない
要するに「ひどい」と「普通」の差は誰にでもわかるけど
「普通」と「最上」の差というのはなかなか聞き取れないし
加えて、そこにはきっと楽器との相性みたいな要素もかかわってくるだろうから、
余計にわかりにくい世界なのだと思います
ところで、シールドで音が変わるということについては
電気的に考えるといくつか裏付けがあるようです
シールドの線材、シールド網線、被覆材の材質によっても音の減衰傾向が変わるらしいです
例えば、・・・・
■線材の交流抵抗値が少ないと高域ロスが少ない
■シールド全体がコンデンサーと似た性質を持ち、静電容量が小さいほど高域ロスが小さい
■線材の断面の外側を高音域が伝播しやすい性質から
太めの芯線を撚ったものより、細めの芯線を多数撚ったもののほうが高音劣化が少ない
なので、シールドによる音質変化は、電気的な理論に基づけば「確実にある」といって良さそう
でも、そこを聴き取れるかが問題といえそうです
じゃあ、手持ちのシールドから「普通ランク」から「特上ランク」まで、聴いてみましょう!
っていいたいとこですが、まあ見事に安物しか持ってない(爆)
というわけで「普通ランクでも変化が聴き取れるか?」
というお手軽企画になってしまいますが、お時間が許せばおつきあいくださいませ(笑)
★サンプル音源
以下の音源は、全てのエフェクターをバイパスし、ALBITのプリアンプだけを通った音です
宇坂ギターにSkysonic PRO1を付けて弾いています
【①PLANET WAVES The Circuit Breaker】 5000円前後
【②OYAIDE G - SPOT CABLE】 4000円前後
【③CLASSIC PRO GIC050】 800円前後
【④VOX VGS - 50】 1300円前後
【⑤HOSA HGTR - 015R】 1600円前後
【⑥SPEAKER CABLE】 HOSA SKJ-410 1800円前後
★音の感想
一つ一つにコメントを付けるほど明確に聴き分けられておりません(笑)
でも、5000円以下のいわゆる普通ランクシールドであっても、結構変わるものです
値段から言って順当なのかもしれませんが
「①PLANET WAVES The Circuit Breaker」「②OYAIDE G - SPOT CABLE」
の2本は「可も無く不可も無く」的にバランスが良いと感じました
ネットでは評価の分かれる「②OYAIDE G - SPOT CABLE」もそんなに悪くない
むしろ①よりもやや良いかなって思えるくらいですが
①はなんと言っても私の常用シールド・・・
②よりはすこし薄味な感じですが、すっきり感もあって良い音です
逆に「あれれ?」って思ったのが「③クラッシックプロ」
悪い音には思えないのですが、音が痩せると言うよりも妙にダイナミックレンジが狭い感じで、
音量も他のシールドに比べて控えめです
でも、このようなシールド比較をしてみなければ気付かなかった、その程度の差なのですが
その他特徴的なところをかいつまんで書いてみると
ふくよかだけど高域が少し物足りないと感じたのが「⑤HOSA HGTR - 015R」
それと対照的に多少中高域寄りの音でメリハリが感じられたのが「④VOX VGS - 50」
意外に健闘したのは「⑥スピーカーケーブル」でした
このケーブルは上の写真のようにシールド網線のない2芯ケーブルです
しかし、特にノイズも感じないし、そこそこ解像感も音の艶も感じられたのが好印象でした
ただ、異常なほど太く、よって取り回しも極めて悪い(笑)
また、なぜだかわかりませんが機材側のプラグを差しただけだと、強烈なノイズを発する
ギターにはちょっと・・・(^_^;)
★まとめ
ここまで来ると、シールドの音質差というのは確実にある、としか言えません
ただ、その差を善し悪しとして一概に評価できない(ノイズが出るとかは論外として)
音の好みや機材との相性によっても評価は変わってきます
そう考えると、シールドの特性を良く分かって使い分けるなら・・・
それはもうエフェクターと同じようなものですね(笑)
しかしそうはいっても星の数ほどあるシールドの特性を把握して使い分けるなんて無理です
私の少々乱暴な結論としては・・・
ネットの評価を多少参考にしながら3000円~5000円くらいのシールドを選んどけば
少なくとも「がっかり」だけは無いかと
音にそれほどこだわらないなら1000円台のシールドでも、そこそこいける
予算に余裕がなければクラッシックプロでも気絶するほど悪い音ではない・・・(笑)
|実際自分も長い間クラプロを使ってましたし、悪い音と感じたこともなかったです
|結構タフなシールドだし、今も機材用に使ってます
という感じで、音質差は存在するけどそれほど目くじら立てなくても、と思う次第です
エビデンスやモンスターのような1万円超えのシールドも珍しくないですし
特注すれば10万円のシールドもきっと製作可能でしょうけど
そこまで行ってしまうと、電源ケーブルも機材間の接続ケーブルもみんな気になる(^_^;)
オーディオの世界ではこういう状態を
電線病に感染した~!
といいます
皆様もご健康にはくれぐれもお気をつけください