「マイク2本使わなくてもモノラル音声をステレオ化することが出来ますよ」
とお答えした、そのお話です
音声トラックについて
ステレオ化の前に少し音声トラックについておさらいしとこうと思います
【モノラルトラック】
下図(Audacity)のようにLRの区別のないと音声トラックのことです
ヘッドホン聞くと中央に音が定位します
マイク1本でAudacity等の録音設定でモノラルを指定しているとこの形式になります
【デュアルモノトラック】
LRの区別はありますが、LRとも同じ音が記録されたステレオ音声トラックのことです
この場合もヘッドホン聞くと中央に音が定位します
マイク1本でAudacity等の録音設定をステレオに指定しているとこの形式になりますが
オーディオインターフェイスの設定によっては
以下の「ステレオ(片チャンネル)」になる場合もあります
【ステレオトラック(片チャンネル)】
LRの区別はありますが、LRどちらかにしか音が記録されていないステレオ音声トラックのことです
この場合はヘッドホンで聞くと右か左どちらかに音が定位します
オーディオインターフェイスの設定によってはこの形になる場合があります
【ステレオトラック】
LRの区別があり、LRともよく似た波形だけど
微妙に異なる音が記録されたステレオ音声トラックのことで、一般的な音楽CDのトラックです
この場合はヘッドホン聞くと広がり感のある音を聞くことが出来ます
デュアルモノトラックを作る
ステレオ化の前にまずデュアルモノトラックを作る必要があります
これは音声編集ソフトによってやり方が異なりますが、Audacityを例にとると以下のようになります
【モノトラックから作成】
・モノトラック全体を選択⇒編集・コピー
・選択状態を解除してから⇒編集・ペースト
・最初のモノトラックの「▼」をクリックして「ステレオトラックの作成」をクリック
【ステレオトラック(片チャンネル)から作成】
・トラックの「▼」をクリックして「ステレオからモノラルに分離」をクリック
・二つのモノトラックが出来るので音声が記録されてない方のトラックを「×」で削除
・ここからは上記「モノトラックから作成」と同じ手順です
ステレオ化①:ステレオリバーブを使う
ステレオリバーブプラグインを使うと、
ギターの音は中央定位ですが「残響音だけステレオ化する」ことが可能です
フリーのプラグインも多く、最も簡単にステレオ感が得られる方法です
フリーのステレオリバーブ「oril river」
以下はサンプル音源ですが、是非ヘッドホン、イヤホンでお聴き下さい
違いが分かりやすいと思います
【元のモノラル音声】
【ステレオリバーブでステレオ化】
ステレオ化②:専用ソフトを使う
ステレオ化用のソフトプラグインというのも存在します
なかなかフリーというのはないので、多少の費用がかかるというのが難点ですが・・・
うちで使ってるのは「izotope ozone4」という、もう5世代くらい昔のプラグイン
最新版だとizotope ozone9 standardになるようですが、2万円後半と少々値が張るのが痛いです
でもちゃんと「ステレオもどき」に(笑)
ステレオ感の程度も調整可能です(MULTIBAND STEREO IMAGING機能を使用します)
リバーブはかけたくないけど広がり感は欲しい、そんなときには便利です
【元のモノラル音声】
【専用プラグインでステレオ化】
ステレオ化③:無料の変換サービスを使う
なんと無料でモノラル音声をステレオ音声に変換してくれるサイトがあります
そして・・・変換元になる音源は
・モノトラック音声
・デュアルモノトラック音声
・そしてなんと片チャンネルしか入っていないステレオ音声
のどれでもどんとこい!という優れものです
細かな設定は出来ませんが、必要十分じゃないでしょうか
変換時にステレオ化の強さを設定しますが、デフォルトでは「8」になっています
以下のサンプル音源は強度10で作成していますが
デフォルトの8のままか、もう少し小さい値の方が自然に聞こえるかも知れません
【元のモノラル音声】
【変換サービスでステレオ化】
まあ、あくまで擬似的なステレオ感ではありますが、ご参考になりましたでしょうか
8 件のコメント:
ziziさん
こんばんは!
以前の質問からの早い解説記事ありがとうございます。
まず、デュアルモノトラックの存在を理解していませんでした。(苦笑)
スレテオ化3つの音源聴かせてもらいましたが個人的には②が好み。
やはり有料だけあってキレイに仕上がってるなぁと感じました。
①は個人的にリバーブは薄くかけたい派なのであそこまでかけないとステレオ化がでないのであればないかな?
③は②を聴いてからだと物足りない感じ…ただ無料なのが魅力ですね。
今回、解説してもらってモノトラックとステレオトラックの音の厚みの違いを知れました。
そしてモノトラックからステレオ化できることを知り、機材やマイクのセッティングの手間を考えると素人の趣味で2本でのステレオ録音は本当に必要か考えさせられる記事でした。
マイク1本セッティングするのにも時間かかるのに…
個人的にはモノトラックからのスレテオ化した方が事前準備を考えると良いように思えました。
今後、たぶんマイク2本立てて録音することはないかもしれません…
結局、自分がどこまで追求するかだとは思いますが!
今回、分かりやすい解説書いて頂きありがとうございました(^_^)
勉強になりました!
>もりそうさん
いや~このネタ不足の折、良い話題を提供いただいたと感謝してます!
【デュアルモノラル】
僕はかなり適当に書きましたがw
2chトラック内に同じモノトラックを有する音源だけじゃなくて
DAWなどで多ch内に同じモノトラックを配置する音源もデュアルモノと呼ばれるらしいです
どんな目的でそんなことをするのかは僕も全く分かりませんけど(^0^;)
【リバーブでのステレオ化】
今回はわかりやすさ重視でサンプルを作ったのですが
もっと軽いリバーブでも意外にステレオっぽくなります
またOrilRiverの場合は「WIDTH」というパラメーターでステレオの程度も
調整可能です
OrilRiverはAudacityでも使えますので試してみるのも面白いですよ!(タダだしw)
【マイクによるステレオ録音】
昔は僕もよくやりましたが、なかなか結構な手間でして(笑)
それに、ケーブルやスタンドで空間占拠されるので出しっぱも出来ないしで
今はほとんどやりません、ってワケでマイク1本でもという話になりましたが
もりそうさんの興味の芽を摘んじゃったのではと、今では少々後悔しています(^0^;)
先日のダイナミックとコンデンサーのステレオ録りも面白いと思います
やったことがないので僕自身も興味があります
ともあれ一度やってみるというのも十分な価値がありますので
いつか是非ともトライしていただきたいと思います
マイク録音って結局は経験値がものを言う世界だと思うので
良い結果も悪い結果もきっと役に立つと思いますよ!
芽を摘んだとはとんでもない!
正直、ギターの録音する時間もマイクの置く場所もかなり限られてれいる状況です。
マイクを増やすとなると準備に時間がかかってしまうので、言ってもらえて逆に助かりました(笑)
マイクのスレテオ録りはとりあえず保留して、1本でどこまで追求できるかやってみようと思います(^_^)
そしていつかステレオ録りに挑戦したいと思います。
>もりそうさん
そう言っていただけると嬉しいです
マイク1本でもセッティングで随分音が異なりますから
いろんな位置いろんな角度で録って楽しんでみて下さい
実は1本録りの次のステップとして
SM57&2035の2本を使って「モノラル録音」をするというのもあります
例えば
・SM57を14~16フレットの真ん前20cm▶ギターの主音を録る
・2035を1m程度離れた位置にセット▶エア感を録る
これをモノラルミックスするって感じです(マイクの入れ替えもアリです)
まあ、2本使いの煩わしさはぬぐえませんが(^0^;)
いつかやってみたくなったら、コメント下さいね!!!!
こんにちは
いわゆるオンマイク・オフマイクでしょうか
以前、トライしたことがありますが、
位置決めにも時間がかかり、
ミックスにも時間がかかり、
誰か助けて って記憶があります
マイクは定年退職後でなければ(笑)
>bs-guitar-funnypage さん
そうそう、オフマイクでエア感をミックスって感じでしょうか
おっしゃるとおり、かなりの経験と録音環境を要するのが問題で
正直僕自身もまだやったことはない(爆)
きっとミックスも大変なんでしょうね~~
その分やりがいもある・・・ともいえそうですが
僕にはその元気がもうw
良い感じの録音が出来たら聴かせてくださいね!!!
こんにちは!これからいろいろ記事を読んで勉強させて戴きます!!今日はありがとうございました♪
>長野のアコギさま
過疎ブログにようこそです
機材バカですが、どうかよろしくお願いします
気に入った記事があればまたコメントお待ちしてます
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