ボーカールエフェクタは私も大好物!リバーブはもとよりハーモニーとかも良く使っている
現在、最も使用頻度の高い機種は、TC HELICON Voicelive 2だが、ほかにも
・TC HELICON Voicelive 3
・TC HELICON Voicelive Touch2
・TC HELICON PlayAcoustic
・TASCAM TA-1VP(マイクプリアンプだがハードチューンが可能)
などを使うこともある
TC HELICON に偏っているのは、リバーブエフェクトの綺麗さ、ハーモニーエフェクトの設定の多彩さが主な理由だが、10年以上にわたって何台ものボーカルエフェクタを試しながらようやくたどり着いた結果でもある
もちろんこれらの機種に大きな不満は無いのだが・・・
ボーカルエフェクトの一種に、「ケロケロボイス」と言われるハードチューン(極端なピッチ補正)というものがある
詳しい説明は後程するが、上記の機種のすべてにハードチューンが搭載されているのだが、これが今一つ「派手に決まらない」・・そして私はこのハードチューンがとっても好きww
手持ちの機材であえて不満があるとするならそのことで、TASCAM TA-1VPに手を出したのもなんとか光明を見出そうとした結果であったが、そんな流れでネット上で評価の高いTCHELICON VoiceTone C1にも以前から興味シンシンであった
ところが、評価が高かったせいか、円安のせいか、中古価格がなかなか下がらず、2万円半ばとかの高値が続いた時期もあって、興味を持って数年は手が出せずにいた
それでも、最近やや下がり気味で「この波に乗り遅れまい!」とばかりに中古を入手してみた
TCHELICON VoiceTone C1
2012年の発売なのでそれほど新しい機材ではないが、まだ新品販売もしているので相当なロングセラーといえる
TC HELICONの製品群では、Voicelive Touch2やPlayAcousticよりも前に出た機種となる
できることは「ピッチ補正」「ジェンダー(男声、女声の声質変更)補正」の2つであるが、これを買う人の目的からすればピッチ補正しかもハードチューンに特化した製品と考えても良い
音質はTC HELICONらしいすっきり系で抜けが良い反面やや厚み不足と感じることもあるが、これにはマイクの音質もかかわるので、その場合はマイクを変えてみるのも良いかもしれない
※ ジェンダー補正について
ほんとにオマケ程度の機能なので本記事で詳細な説明はしない
男声にしても女声にしても「顔にモザイクのかかった人のインタビュー音声」程度
ハードチューン(ケロケロボイス)
まずは「言い訳」をしておきたいのだが、ここでの記載は私のごく限られた知見と非力な理解力の産物であり、必ずしも正しくはない、あるいはいくつかの間違いもありうるとご承知いただきたい
1997年、AntaresからAuto-Tuneプラグインが発表された
Auto-Tuneとはボーカル(や楽器)の音程を、正しい(または狙った)音程に補正するものである
補正に要する時間をやや長くすると「ピッチ補正」、瞬時に補正するよう設定すると「ハードチューン」という効果をもたらし、ハードチューンによる補正後音声は「ケロケロボイス」と呼ばれる
プラグインの発表当初は、録音後音声の加工に用いられたが、その後Auto-Tuneアルゴリズムがハードウェアに組み込まれてリアルタイム補正が可能な機材が多く発売されるようになった
TC HELICONのボーカルエフェクターでも2009年発売のTC HELICON Voicelive 2にも搭載されており、意外にも歴史のあるエフェクトである
もう少し具体的にVoiceTone C1でのハードチューンを考えてみる
◆ 赤(実際の音声)とピンク(補正後の音声)のライン
キーセレクターを「CH(クロマチック)」とし、特にスケール(音階)を指定せず、12音全てをターゲットとして実音声を補正するケース
ピンクのラインが階段状になるのはVoiceTone C1のアタックコントロールをmaxとし、瞬時に補正した場合でこの状態を「ハードチューン」という
アタックコントロールをOFF側に回すほど、階段状の立ち上がりが垂直ではなく斜めとなり、ケロケロ感は薄れていく
◆ 緑(実際の音声)と黄緑(補正後の音声)のライン
一例としてキーセレクターを「Dメジャー」にして、Dメジャースケールの構成音だけをターゲットとして実音声を補正するケース
※ アタックコントロールの機能はクロマチックの場合と同様
クロマチックよりもいっそう音楽的で効果的な補正結果が得られ、ケロケロの効果もわかりやすくなる
もちろんこの時キーセレクターの設定は楽曲のスケールと一致している必要がある
このように、効果的なハードチューンを行うには楽曲のスケールとキーセレクターの設定が一致していることが重要になるが、VoiceTone C1には「ギターを接続した場合のみキーセレクターがCH(クロマチック)場合でもギターのコードからスケールを自動判定し、そのスケールで補正してくれる」という機能がある
それはそれでとても便利なのだが・・・・・・
スケール??
VoiceTone C1にギター接続していれば考えなくても良い話だが、
・ギターのライン配線が一度VoiceTone C1を経由しないといけない=面倒
・ピックアップのないアコギやウクレレで弾き語りする場合もある
・VoiceTone C1の使用者が楽器を弾かないボーカリストだったりする
などなど、使用者の事情も様々だから、いつでもだれでもギター接続してVoiceTone C1を使えるわけじゃない
じゃあ、キーセレクターの設定は??、スケールって何???
はっきり言って私、音楽理論などまったくわからないので、スケールを語るなどおこがましすぎる(^_^;)
なので、正しい知識はネット検索などで各自調べてもらいたいが、そうはいってもVoiceTone C1のキー設定には楽曲のスケールを知る必要がある
◆ 楽曲の最初のコードがそのまま曲のスケールである場合が多い
ごくごく一般的な楽曲は、Aメロ、Bメロ、サビのような構成になってることが多いが、Aメロの最初のコードが曲のスケールである場合が多い
絶対とは言えないが、とりあえずこの方法でVoiceTone C1を設定して特に不自然が無ければ大丈夫だと思う
◆ 楽曲のスケールを判定するアプリがある
「AUTO-KEY」というアプリがある
楽曲を再生、または演奏しながら丸い部分をタップすると数秒でスケールが表示される
何回か使用するとユーザー登録を求められようだが、基本的に無料(だと思う)
説明するまでもない気がするが・・下図のとおり
マイナーキーの場合、例えばBmキーであればキーセレクターはDに合わせればよい
ドリアン???ドリアンは、アオイ科ドリアン属に属する樹木で実は臭いが美味である・・・は冗談だが、私にはよくわからん
S&Gのスカボロフェアなどはドリアンスケールらしいが、残念ながら上記のAUTO-KEYアプリを使ってもEマイナーとしか表示されないから、VoiceTone C1のキーセレクターは「G」でいいんじゃないかなぁ(どこか遠い目・・)
※実際に「G」設定でスカボロフェアを歌ってみたが破綻は無かった
スケールも設定できたけどケロケロしない
ハードチューンというのは機材も大事だけど、それと同じくらい「歌い方」が重要
スケールの構成音を正しい音程で発声し、言葉を区切るように滑舌よろしく唄えば、ケロケロ効果はほぼ発生しない
最初に示した階段状の図を見てほしいが、実際の音声が低→高へ傾斜状に変化するから補正後の音声が階段状になってケロケロボイスになる
しかし、言うほど簡単でもない部分もある
わざと音を外せばいいかというとそれも違う、あえて言えば「音と音を区切らず連続的に音程変化させる」となるのだろうか
結局のところは実際に歌いながら、どうすれば効果的にケロケロするか確かめながら習得するしかないのかもしれないが、「正しく歌おうとする程にケロケロしなくなる」のはちょっと釈然としない部分ではある(笑)
VOICETONE C1の注意点
◆ ファンタム電源は常時通電、しかも48vではなく21v
常時通電はまだいいとしても一般的なコンデンサーマイクのファンタム電源は48vである
低電圧でも動作するコンデンサーマイクは結構多いのだが、正規の電圧を供給できないことの弊害も考えられるので注意が必要である
◆ VOICETONE C1単体でのゲインは非力、別途増幅用のマイクプリは必須
低出力なダイナミックマイクでは特にだが、ミキサーでもオーディオインターフェイスでもよいので+40dB前後の増幅が必要
まあ、ミキサーやオーディオインターフェイスにはどのみち接続するだろうから大きな問題ではないけど・・
【オマケ】HC HELICONの悲しい現状
何台もボーカルエフェクターを試してきたが、音質の良さ、エフェクトの美しさ、設定の多彩さ、どれをとってもTC HELICONに勝るものはない・・と思えるほど私の評価は高いのだが、そのTC HELICONがちょっと迷走というか悲しい状況となっている
その現状とは以下のとおりである
①TC HELICONで販売中の機材を除き、それ以前の製品に関して、マニュアル、
ソフトウェアのダウンロードが一切できない
②ファームウェアの更新はVOICE SUPPORT2というソフトで行ってきたが
このソフトが起動できなくなっている(VOICE SUPPORT2のダウンロードも不可)
おそらくTC HELICONのダウンロードサーバーに接続できないことが原因と考えられる
③以上の状況がもう数年継続していて、改善の予定が示されていない
TC HELICON、TC ElectronicのTCグループは、2015年にBehringer(Music Tribe)に買収されており、この買収が原因なのかは不明だが実質的にサポート体制は壊滅的となっている
もちろん、マニュアル、ソフトウェアのダウンロードやファームウェアの更新が必要ないなら、ハードとしては問題なく稼働する
私は手持ちのTC HELICONについて概ねファームウェアの更新が完了しているので大きな問題ではないが、VOICE SUPPORT2によるデータの完全バックアップができないのは結構つらい








