初代の発売からすでに17年、そこはかとないレトロ感も漂うBlue Yetiですが、あえてここで自由研究のテーマとしたのは、先日購入したYeti nanoの好印象がきっかけなのは間違いありません
それは「USBマイク=おもちゃ」と思い込んでいた私には、「いっそ初代を含めてBlue Yetiシリーズのことをもっとよく知ってみたい」と思うに十分でした
とはいえ今では、AIやデジタル技術の著しい進化で、より高性能、高機能なUSBマイクも(きっと多く、しらんけどw)存在するわけで、Blue Yetiシリーズを題材とするのは時代遅れ感もあります
しかしそこは、きっかけとなったYeti nanoへの感謝と「おもちゃと思っててごめんなさい」の気持ちの表れとご理解ください(笑)
なお本稿はさほどの知識もない電気音痴の私が、取説等の公開情報やネット情報をもとに書いたもので、勘違い等多々あるかもしれないことを冒頭にお詫び申しあげておきます
Blue Yetiシリーズの歩み
そして2009年、Blue MicrophonesからBlue Yetiが発売され、USBマイクのエントリーモデルとしての位置づけながら高音質、高機能かつ丸みを帯びてどことなく愛らしいwデザインで爆発的な人気となりました
これを皮切りに2011年にはBlue yeti pro、2019年にBlue yeti nano、2021年にBlue yeti xが発売となり、ここではこの4機種を「Blue Yetiシリーズ」と呼んでいます
なお、2018年にBlue Microphones社がLogitech社に買収されたことで、2019年のBlue yeti nano以降はLogitech社の日本ブランドLogicoolからの発売となりましたが、「Blue yeti 」の名称は引き継がれました
しかしその後、2024年に発売されたYeti GXではBlueの名称が無くなり、マイク形式もコンデンサー型ではなくダイナミック型となったことなどから、ここでの「Blue Yetiシリーズ」からは除外することとしました
Blue Yetiシリーズをざっくり比較
取扱説明書や外見でわかる範囲の比較表を作成してみました
【デジタルマイクとしての音質比較】
デジタル音源の一般的な評価基準として、ビット深度(注1)とサンプリングレートを用いられることが多く、これらの値が高いほど音質が良いとされています
注1:取説には「ビットレート」とかかれているが単位がbitなのでビット深度のことと解釈した
・ビット深度:録音の最大ダイナミックレンジに関係する
人間が聞き取れる音の周波数の範囲は一般的に約 20Hz から 20,000Hz
これをもとにBlue Yetiシリーズの音質評価をするなら、
・Blue Yeti nano:24bit、48kHz
であることから、「Yeti pro>Yeti nano=Yeti x>yeti」となり、ネット上の評価でも「Yetiは音質的に劣る」とか「nano以降明らかに高音質になった」とか評されることが多いですが、果たしてそうでしょうか
私の感覚で言えば、4機種とも「やや低音が控えめだがすっきりして聴きやすい音」という評価は共通しています
nano以降ほんの少し「すっきり感が増した」気もしますが、基本的に似た系統です
そもそも人間に16bit、48kHzと24bit、48kHz聴き分けは困難とされていますし、音源の再生環境にも大きくかかわることですからビットレート(ビット深度×サンプリングレート×トラック数)の向上がそのまま音質を左右するとは思えません
ただし、ネット上での情報収集を踏まえると意味がないわけでもないようです
・録音後に複雑な音声エフェクトを用いる場合はサンプリングレートが高いほうが良い
で高周波の相互作用から聴こえ方に差が出る場合がある ・・・等々
16bitと24bitの音質差という観点で初代Yetiを語るよりは、16bitの特性を理解し「適正音量での録音を心がける」方が有益であり、少なくとも私はYetiとYeti xに明確な音質差があるようには感じていません
※やや特殊なYeti proのUSBマイク性能については後述します
【アナログマイクとしての音質比較】
シリーズ中、XLR出力があるのはBlue Yeti proだけなので、比較というわけにはいきませんが、中古で入手した2台のYeti proのXLR出力は、ともに残念ながらセルフノイズが多く私の評価はあまり高くありません
以下、いろいろと試行錯誤した結果を列記しておきます
■条件
・付属の5pinXLR-3pinXLR×2分岐ケーブルを使用
・分岐ケーブルの白側のみプリアンプに接続し、48vファンタム給電
・ステレオ時よりはノイズレベルがやや低い
・分岐ケーブルの白側、赤側ともにプリアンプに接続
・取説では48vファンタムを赤白どちらに給電してよいか明記されていないが、
赤白とも給電するとノイズが増えたり、赤と白個別に給電すると2台のYeti proで
ノイズの傾向が異なったりとつかみどころがない結果となった
【扱いやすさの比較】
◆サイズ感
なんといっても、Yeti nano以外の3機種は「重い、でかい」が最大のネックであり、省スペースが求められる環境ではYeti nano一択となります
見た目はかっこいいですが、マイクの移動時などにはこのボタンに触れてしまうことがあり、意図しない切り替えには注意する必要があります
また、通電しないとどの指向性となっているかが確認できないのも少し不便です
Yeti やYeti proでは指向性切り替えがダイヤル式で安心感はありますが、「固すぎる」という意見もあり女性では結構扱いづらいかもしれません
接続に関してはYeti、Yeti pro、Yeti nano、Yeti xのすべてで可能です
※当方ではAndroidのみ検証
※モバイル側の端子形状や使用するケーブルによってはOTG対応の変換コネクタが必要
このときの注意点として「適正な録音レベルが得られるか」ということがあります
私の知る限り、かつAndroidに限定した一般論ですが、マイク側のゲイン調整が可能なアプリはありません(知らないところであるかもしれませんが)
それゆえゲイン調整機能がないUSBマイクを接続すると音量不足となることが多いのですが、マイク側でゲイン調整ができるタイプであればある程度回避が可能です
YetiシリーズではYeti nanoを除く3機種でゲイン調整が可能なので、モバイルで使用するうえでは有利と言えます
Yeti nanoはYetiやYeti proに比べると、もともとの感度が10dB程度高いため決定的に不利とは言えませんが、それでもマイク側で音量調整できる方が使いやすいと言えそうです
使用する上での注意点
両面使用が可能なCタイプとは異なるため、マイク側とケーブル側の端子形状と向きがあってることを確認して接続する必要がありますが、特にYetiのmini-B端子は故障の原因となりやすいという情報もあり、「無理やり差し込む」のも「雑に抜く」のも厳禁です
基本的に「Blue YetiシリーズはUSB端子がウィークポイント」とお考え下さい
不意の転倒などでケーブルが引っ張られて端子の破損につながらないよう、USBケーブルにゆとりを持たせることも有効かもしれません
◆スタンドからのノイズ
程度の差はありますがBlue Yetiシリーズに共通した事象でかつ、案外無視できません
例えばマイクを机の上に置いたとして、その机にPCや外付けのハードディスクを置いてあれば見事に振動音を拾ってしまいます
そしてこれはマイクの下に何かを敷く程度では回避が難しいです
マイクと同じデスク上に振動物を置かない等の改善策が取れない場合はショックマウントの導入なども考慮する必要があります
◆ダイレクトモニタリング機能
Blue Yetiシリーズでは底面にヘッドホンジャックがあり、ダイレクトモニタリングが可能となっていますが、機種によってその働きが異なります
【Yeti、Yeti pro】
・モバイル電源等からの給電だけではダイレクトモニタリング不可、PC接続後に可能
・モバイル電源等からの給電だけでもダイレクトモニタリングが可能
前面のミュートボタンが「赤に点滅」→ダイレクトモニタリング機能オフ
前面のミュートボタンが「緑に点滅」→ダイレクトモニタリング機能オン
ただしオフの場合、モニタ音声だけではなくPCからの音声も聞こえなくなることに注意
※以上のことは取扱説明書の記載がない
・モバイル電源等からの給電だけでもダイレクトモニタリングが可能
・ダイレクトモニタリング機能のオフは不可
2009年発売 Blue Yeti
初代Yeti、 3つのカプセルによる4つの指向性(単一指向性、無指向性、双指向性、ステレオ)を切り替え可能。プラグアンドプレイでPC/Mac対応します
ゲインコントロール、ヘッドホン端子を備え、スタンド一体のデザインは少し武骨でもありましたが、丸みを帯びて角のないシルエットでどこかかわいさも感じさせました【音声サンプル】16bit、48kHz
基本的に低域から高域までバランスよく拾っている感じですが、もこもこした所もなくすっきり系の音に聴こえます
windows11(2026.7時点)への接続は専用ドライバーを使用しても使用しなくても可能ですが、多少の相違点があります
※あくまで私のPC環境での検証結果であることをご了解ください
【専用ドライバを使用した場合】
・ドライバのバージョンは「2.23.0」
・接続時のデバイス名は、「Blue yeti pro」
・PCのUSBポートはUSB2.0のみ接続可能でUSB3.0は不可
接続ポートによってはノイズが出る場合があるのでその場合は他のポートへ差し替え
・ビットレートは、24bit/44.1kHz~24bit/192kHzまで指定可能だがサウンドのプロパティ
・PCのUSBポートはUSB2.0でもUSB3.0でも接続可能
・すでに専用ドライバーをインストールしていた場合はアンインストールが必要
・ビットレートは、24bit/44.1kHz~24bit/192kHzまで指定可能
どちらの場合も極めて低ノイズで、ゲインつまみを3時まで上げてもほとんど気にならないレベルですが、安定度やUSB3.0端子でも動作するといったことを考えると専用ドライバーは使用しないほうが良いかなとも思えます
XLRアナログ出力に注目されがちなYeti proですが、Yetiシリーズ中唯一24bit192kHzまでのビットレートが使用可能なことも見逃せない性能と言えます
【音声サンプル】24bit、48kHz
どうしても高サンプリングレートが必要という場合以外は、Blue Yetiで十分だなというのが正直な感想です
2019年発売 Blue Yeti nano
2カプセルで2指向性(単一・無指向性)、マイク側のゲイン調整も省略と機能的にはややダウングレードとなりましたが、24bit/48kHzを引き継いだ高音質は健在です
windows11(2026.7時点)接続時のデバイス名は「Yeti nano」となります
カプセル数は3つから2つに減りましたが、カプセル径は14mmと同じなのに「なぜ?」と疑問もわきますが、制御回路の特性かもしれませんし、もしかしたら「小型化=低音弱い」といったイメージが聴こえ方にバイアスをかけてる?・・なわけないか(笑)
2021年発売 Blue Yeti x
Blue Yetiシリーズのフラグシップとされていますが、ビットレートは24bit/48kHzにとどまったのは、それ以上は不要でむしろ4カプセル化のほうが音質向上につながるという判断だったのかもしれません
その代わり前面のノブをマルチファンクション化し、その周囲に配置したLEDメーターで音量視認性を向上したり、パターンセレクターをプッシュ式に変更したりと、デジタル社会に適応するかのようなブラシュアップが施されました
windows11(2026.7時点)接続時のデバイス名は「Yeti x」となります
Yetiシリーズ4機種の音は、多少の味付けは異なっても基本的にかなり良く似た傾向と感じます
・省スペース重視&ステレオ指向性が不要→Yeti nano
・後処理の観点からとにかく高ビットレートが必要→Yeti pro
・中古価格も考慮してとにかくお安く手に入れたい→Yeti
・指向性を使い分ける必要から4カプセルは見逃せない→Yeti x
みたいな選択で大きな問題はなさそうに思います
ただし、YetiやYeti proは発売から15年以上経過するため、中古での入手にあたっては正常動作するかを十分確認する必要があります
G HUB BlueVOICEについて
最初は多少取り扱いが難しく感じるかもしれませんが、きめ細かな音質調整や多彩なエフェクトが使用可能で、フリーのソフトウェアとしては十分すぎる性能と言えます
ここではBlue VOICEの使い方などは割愛(ネット情報が豊富ですので)しますが、私にはどうしても不思議としか思えないことがあります
それは「G HUB BlueVOICEの設定はPCとマイクどちらに保存されるか」ということ
AI先生に尋ねると「Logicool G HUBで設定したBlue VOICE機能やイコライザーなどのマイク設定は、基本的にはPC側のソフトウェア上で動作しているため、マイク本体には保存されません」と回答され、私も基本的にはそれに同意です
しかしながら、中古Yetiを購入してPC接続すると「音は拾うもののなんだかおかしい」ということが実際に何度か起きています
「なんだかおかしい」というのは音の大小が不自然に変化したりするという現象で、言い換えると「ノイズゲートが結構高めの閾値で動作してる感じ」に近いです
最初はマイクの故障なのかと思いましたが、ある時
①G HUBをインストールしてYetiを接続
すべてのチェックボックスをオフに設定
③BlueVOICEを無効化してG HUBアプリを落とす
という手順を試すと正常に戻ることがわかりました
※ただし、マイクを別のPCにつないだ時は同じ手順を実行する必要あり
こうしてみるとすべての設定は本当にPC内に保存されるのだろうか?という疑問がわきます
これは私の邪推?ですが・・(笑)
Yeti自体に設定の保存機能は無いが、Yetiの内部にはもともと初期値のようなものがあって、G HUBを導入してないPCではその初期値に基づいて動作するのかなと・・いやいやあくまで邪推ですけどね
あとがき
そこそこちゃんとしたアナログマイクとマイクプリの音は肉厚で情報量も多く、価格に見合う価値があると思います
ただ、PCに音声を取り込むという目的においては、そこまでの高音質を必要とする場合よりも、手軽さやそこそこ音質のほうが大事ということもあるのだなぁと、Yetiとの出会いを通じて改めて考えさせられたわけです
ちなみに私とUSBマイクの出会いはBlue Yetiが最初というわけではありませんでした
すぐ音割れするし音に厚みもなく、すぐに倉庫行き
覚悟のジャンク品購入だったが、期待むなしく「ちゃんとジャンクだった」
いいマイクだったが一度のテストで満足して、それから7年倉庫暮らし
そんなこんなであまり良い出会いでもなかったわけですが、逆に言えばそのおかげで今回のBlue Yetiとの遭遇インパクトが大きかったともいえそうです
さて、「【夏休みの自由研究】Blue Yetiシリーズ」もこれで完結ですが、問題は手元に残った7台のBlue Yeti・・・これどうすんの?(笑)
オマケ(マイクカプセルの配置)
※Yeti proについてはYetiと同じと想定しています
Yeti、Yeti proのカプセル配置はAI先生に尋ねると「正面と後方に90度配置」と回答されますが、いくつかの分解動画を見る限り逆で「前方に90度交差で2個、後方に1個配置のようです
Yeti nanoは正面、後方に一つずつ配置されます
Yeti xはYetiの3カプセルに加えて真正面に一つ追加された形です
単一指向性の集音性能を高めるか、もしくはステレオ指向性での定位感の向上のためかと思われますが詳細については不明です
なおYeti xの前方XY(②、③カプセル)の交差角については資料がなく一応90度としていますが、ステレオ指向性の時にYetiよりは多少ワイド感が増すような気がするので、もしかするともう少し広角なのかもしれません
さてこのマイクカプセル、巷ではTrueコンデンサーだとかElectretコンデンサーだとか、諸説あるようですが、Blue社もLogicool社も情報公開していません
どちらか明らかになることでなにか得るものがあるわけではありませんが、あるとすれば「エレクトレットだったら保管環境をあまり気にしなくていいかな~」くらいでしょうか(笑)









