2021年5月31日月曜日

SOUND WARRIOR モニターヘッドホン SW-HP10s

このところAKG K271mk2を使っていましたが
音量的にクリップしていないにもかかわらず、大きな音が歪むという現象に
「なぜ??」と思ってたところに、たまたま入室したSYNCROOMの方から

「AKGではわりとよくあることですよ、そのための改造情報もネットにはあります」
との情報をいただきました

たしかにそういったネット記事もいくつか見られましたが、
悲しいかな・・根っからの不器用人間なので、
壊れたわけではないヘッドホンをつついてとどめを刺してしまう訳にもいきません

しかし、そのネット情報捜索中に見つけたのがこのヘッドホンです
amazonでもサウンドハウスでも評価はすこぶる高い・・・一体何者????

SOUND WARRIOR SW-HP10s 


「SOUND WARRIOR」耳慣れない名前ですが、
れっきとした長野県の日本企業(城下工業(株)、しろしたこうぎょう)の
オリジナルブランド名です
元々は1923年創業の製糸企業でしたが、電線事業、音響機器のOEM生産等を経て
最初のオリジナル製品「ROAD WARRIOR」が誕生します
その後、ROAD WARRIOR製のヘッドホンがTSUTAYAの視聴用等で好評を得たこと
などを踏まえ2003年「SOUND WARRIOR」としての最初のオーディオ製品が発売され、
現在では、デスクトップオーディオ製品やヘッドホン、通信機器等を生産しています
このように、知名度としてはまだそれほどではありませんが長い歴史と豊かな経験を持った
優れた日本企業のブランドというわけです

タイプ     クローズド・エアー・ダイナミック型
ドライバーユニット     外径φ40mm
インピーダンス     40Ω/1kHz
周波数特性     20~20kHz
最大入力     300mW
出力音圧レベル     103dB/1kHz.1mW
コード     丸型コード(2.5m)
プラグ     φ3.5mmステレオミニプラグ
重量     280g(コード含む)
ヘッドバンド     ビニールレザー
シェル素材     ナイロン樹脂
付属品     φ6.3mm標準ジャック用アダプタ、延長コード(2m)
保証期間     ご購入後1年間
JANコード     4522425050478
価格(税込)     15,180円(メーカー標準価格)
生産国     日本

使用感など

【外観&重量】
超プラスチッキー!w
高級感を演出するような細工はほとんどされていません
しかし、そのためかとても軽いというのは大きなメリットです
以下は手持ちのヘッドホン重量(コードを除く)ですが
SONY CD900STとほぼ同じくらい、K271mk2よりは30g近く軽いことがわかります
 ・SOUND WARRIOR SW-HP10s :220g
 ・SONY CD900ST:210g
 ・AKG K271mk2:250g

【コード】
コードはストレートの2.5mですが、付属の延長コードで2mの延長が可能です
延長コード方式というのはこれまであまり出会いがありませんでしたが
カールコードでの伸縮と言うよりはよほど使い勝手が良い方法です
また、コードの太さも3.8mmと細すぎず太すぎず、柔軟で取り回しも悪くありません
ただ、着脱式ではないので簡単にリケーブルというわけにはいきません
でも、後述の通り音に不満はないので、その必要も無いかなと感じています


【イヤーパッド】
特殊な形状ゆえか、フィット感がものすごい!
音への影響もかなり大きいと思いますが、
フィット感が良いというのは装着感の向上と聞き疲れの軽減といった効果も大きく
さすがに、一つ一つ手縫いだというのも頷けます
・・・が、それだけに交換品が非常にお高い(笑)
サウンドハウスでは2個セットで4400円です
材質の正確なところはわかりませんが、SONY CD900STとよく似た感じで
経年劣化でひび割れたり、表面がボロボロになりそうな予感十分w
いつの日か4400円を支払う日も訪れそうです


【出力(感度)】

103dBは概ね一般的と言って良い数値で、CD900STとほぼ同じです
AKGよりは12dBも大きく、ヘッドフォンアンプ必須だなあと感じていたAKGに比べると
明らかに使いやすいです
 ・SOUND WARRIOR SW-HP10s :103dB/1kHz.1mW
 ・SONY CD900ST:106dB
 ・AKG K271mk2:91dB/mW


音の感想など

AKG K271mk2から付け替えたとたん感じたこと、それは

「なんて生き生きとした音なのだろう!」

すっきりとして分離良く透明感のあることに加えて超豊かな低音!!
まあ、多少はドンシャリなのかも知れませんが、それが嫌み無くまとまっています
すっきりはしていても固いとは感じず
K271mk2ではオマケみたいだった低音は、迫力を持って迫ってきます
いろんな音の粒立ちが良いせいか、音場の広がり感もなかなかのもの
ほとんどエイジングもしていないのに、こんな音出しちゃって良いのだろうかw

ってことで、モニター系しか使ってこなかった私にはとても新鮮なインパクトがあり
これならリスニング用途には満点あげても良いかなと思えてしまいます
少なくとも、しばらくAKGにもSONYにも・・もどれん(笑)

じゃあモニター用としては??


そこなんですよね
正直なところ良い音過ぎてモニターに使うのはちょっと怖いかも・・という部分はあります
それと、リスニングではぞくぞくした低域が、やや強調されてるのかなと言う不安も

モニターといっても、自分の用途は、多パートのミックスダウンってわけではなく
ソロギターか弾き語りなので、定位がどうとかパートごとのきこえ方がどうとかは
あまり重要ではなく、
とにかくフラットであること、リバーブのステレオ感が正確に捉えられることが重要です
なので、例えばですが低域が持ち上がってるヘッドホンで音を仕上げると
実際のできあがりは低域の弱いスカスカの音になる可能性が十分にある・・・
それが怖い、というワケなのですが、さてどうしたものか(笑)

ヘッドホンの特性を上手く数値化、または可視化することが出来れば良いのですが
しばらくは、耳を頼りにこのヘッドホンの癖をつかみつつ、見極めていくしかないかな

2021年5月25日火曜日

ピック滑り止めシール

ピックには全くご縁がないので、これまで興味無かったのですが
ちょっと事情があって、ピックを使う必要に迫られたので「ものは試し」と買ってみたw

普段ピックを使うことは100%ない自分にとって、
とにかく心配なのでは、「弾いてるうちにどこかに飛んでいかないか」ということです
色々調べた限りで一番効果的なのは「滑り止めシール」のようなのですが
「何が良いか」は今ひとつ分からない、というわけでとりあえず2種類買ってみた

ただ、まずはじめにおことわりしておきますが、私は

ピックを語れるほどのノウハウは全く持ち合わせません

なので、音がどうとか弾きやすさがどうとかについてはわからないので、
ただただ、シールの感触についてのみのレポートとなります

GRECO G-GLIP
まずはGRECOの「G-GRIP」です
amazonでは16枚入りで365円(22.8円/枚)で販売されています
素材は改質ABS系弾性樹脂となっていますが、手触り的には薄いゴム剤という感触です
それに加え、表面にはざらつき加工がしてあり、実際本当に滑りにくい!
私は耐久性を云々するほどピック自体を使わないので、どのくらい保つかはわかりませんが
ヘビーユースの人でもそこそこ大丈夫そうな気がします
ちなみに、国内製造品、直径は20mmです

真っ黒で透明性はありませんから、よく見かけるカラフルで綺麗な模様のピックだと
それが隠れてしまう、というデメリットはあるかも知れませんが
逆に透明や半透明素材のピックの場合だと、これを貼ることで見失うことが無くなるという
メリットもあります

左:シールを貼った面  右:シールを貼っていない面

それにしても、写真のピック・・買った覚えがないのだが・・・
もしかして誰かの忘れ物??、もしかしてがめラさん??
もしもそうなら、がめラさん、ごっつぁんです(笑)

PICK STICK
amazonでは50枚入りで660円(13.2円/枚)で、単価的にはG-GRIPよりお安いです
大きさは直径19mm、透明のためか一見G-GRIPよりかなり小さく見えますが
実際は直径で1mm小さいだけです
素材はシリコンラバーで、確かにゴム的な感触がありますが、
同時にわずかな粘着性を感じるのがG-GRIPとは違う点です
ただ、粘着性といっても「糊」の感じは全くない自然なもので、
指に何か糊状のものが残るということもありません
使ってるうちに多少粘着性は落ちる傾向にありますが、水洗いである程度回復します
ちなみに中国製です


透明シールなので、ピックの柄を隠してしまうことがありません

左:シールを貼った面  右:シールを貼っていない面

まとめ
G-GRIP、PICK STICKの「滑りにくさの元」は、
前者では「柔らかさとざらつき」、後者では「自然な粘着性」とやや異なるため
使用者の好みや指先の状態で評価が分かれそうな気がします
私としては、どちらも十分な効果と感じていますが
あえてということなら、ごく単純に
手触りではG-GRIP、滑りにくさではPICK STICK・・と言っておきましょう(笑)

しかしそのことよりも、私にとっては
透明なピックにはG-GRIP、綺麗な柄のピックにはPICK STICKという使い分けが
基本になりそうです

とはいえ、当面のピックの必要はもう終わったので、今後の使用予定はないのですが(笑)


さて・・・
ここまで書いてきてなんなのですが、そういえば・・・と思い探してみますと、
ブログのお友達、もりそうさんのブログにも全く同じ比較記事が!!!!

ピック滑り止めシールの効果を検証(PICKSTICKとG-GRIP)


あちゃ~~~、もろにかぶっちゃったよ!
まあでも、もう書いちゃったし(爆)
ネタもそうそう無いので、僕も記事にさせていただきます!!



2021年5月22日土曜日

サウンドハウス ギター弦&乾電池が送料無料に!!

 サウンドハウスから嬉しいお知らせ!!

以下の発表では弦のみが送料無料といったニュアンスですが
実際には乾電池も全て金額にかかわらず送料無料のようです

本当にありがたい限りです

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021/05/13

いつもサウンドハウスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日5月13日より、ギター弦のご注文代金が税込2,000円未満でも
送料無料になりました!もちろんギター弦1セットのみのご注文でも送料無料。
送料を気にすることなく、お得にご購入いただけます。
皆様のご利用を心よりお待ちしております。
※バラ弦など一部対象外の商品があります。 


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2021年5月19日水曜日

Shinさんマイク「ProbeⅡ」用ケースの製作

マイクは自作できなくてもケースくらいは(笑)

材料と道具


【材料】
 ①スポンジゴム 10mm×200mm×200mm
 ②スポンジゴム 5mm×200mm×200mm
 ③ペンケース Apple Pencil ケース ホルダー
 ④型紙用の厚紙:少々


【道具】
 ①デザインカッター
 ②普通のカッター
 ③カッティングマット
 ④定規とボールペン
 ⑤両面テープまたは接着剤

型紙製作


ケースの内寸とマイクの寸法を測って、型紙を作ります


スポンジゴムのカット


まず型紙の外寸に沿って10mm、5mm両方のスポンジゴムを長方形にカットします


その後10mmのスポンジマットのみ、型紙の内寸に沿って切り抜きます
このときは、デザインカッターがあると便利です
また、角の部分の切り抜きには平刃があるとやりやすいです


スポンジゴムの貼り合わせ


内部をくりぬいた10mmとくり抜いていない長方形の5mmのスポンジゴムを
両面テープか接着剤で貼り合わせます
貼り合わせには薄い両面テープでも十分ですが、
接着剤を使う場合は、溶剤の入っていないタイプを使うのが無難です


ペンケースにセットして完成


スポンジゴムをケース内にセットすれば完成です
このとき、スポンジゴムの四隅を適量カットすると収まりが良いです
ペンケースはセミハードケースなので外圧で簡単にぺしゃんこに、なんてこともありません
ProbeⅡ用に是非いかがでしょうか(笑)



2021年5月13日木曜日

NEUMANN TLM103

 古い自動車のCMで「いつかはCROWN」っていうのがありましたけど

マイク好きならやっぱりNEUMANNは一つのあこがれであります
マイクのことを知り尽くしたSOUND ENGINIERさんであれば
「いやいや、NEUMANNより●●の方がいいよ」なんてこともあるのでしょうが
高級マイク=NEUMANNという短絡思考しか無い私などには
十分に「いつかはNEUMANN」と思うに足るマイクなのであります

NEUMANN製品が5/13に価格改定


今回の購入の背景がこの事件であります・・って、今日じゃないの~~!

マイクのみに絞っていえば、改定=値上げというばかりでも無いのですが
「概ね全品値上げ」と考えても良さそうな内容です
 ・値下げ:TLM 107 Studio Set
 ・値上げ:マイク各シリーズ全体/一部値上げ
時期に関しては「21年5月13日(木) ゼンハイザージャパン株式会社受注分より」
とされていますので、流通在庫分の値上がりは13日以降という可能性もありますが
13日以降ほどなく値上げされると考えた方が良さそうです

さて、一体いくらくらい値上がりするのかが問題ですが、
イケベ楽器さんのサイトでいくつか例を挙げてみると以下のとおりです
 ・Neumann U87Ai Studio Set
   現在の販売価格(税込):352,440円
   値上げ後の販売価格(税込):451,440円 →99,000円の値上げ
    ※Neumann U87Ai単体の値上がり幅は約10万円
 ・Neumann TLM103
   現在の販売価格(税込):118,800円
   値上げ後の販売価格(税込):141,570円 →22,770円の値上げ

駆け込み需要をあおってる可能性も無くはないので
イケベ楽器の情報を鵜呑みって訳にもいきませんが(^0^;)
「どうやら小規模な値上げではなさそう」という雰囲気はひしひしと感じます

まあ、値上がりしなくてもド定番のNeumann U87Aiなどは買えるはずも無いのですが
かろうじて手が届きそうだったTLM103もかなり厳しい状況となってしまい
「いつかはNEUMANN」計画に黄色信号が灯ってしまいそう・・・

タイミングを見て中古を買うことも考えましたが、
安価なマイクなら中古で事故ってもあきらめつきますけど
10万超えとなると・・・頑張って新品購入の方が安全と判断しました

NEUMANN TLM103


さて、高価なNEUMANNのなかで、かろうじて手の届きそうなマイクとしては
TLM102とTLM103の2機種があります
形状もよく似ているのですが、録り音はかなり異なるようです

いろんなネット情報を見た限りでいえば、
NEUMANNの音を体験したいならばやはりTLM103の方がいいみたいです
主に参考にしたサイトは、以下の2つです
 ・NEUMANN創立90周年特別企画
 ・Neumannマイクの特徴と10機種の使用感レビューまとめ

■コンデンサーマイク
■指向性:単一指向性
■周波数特性:20Hz~20kHz
■最大入力音圧レベル:138dB
■SN比:87dB
■出力インピーダンス:50Ω
■電源:ファンタム48V±4V
■本体寸法・重量:外形60mm×全長132mm、500g
■オプション:サスペンション

使用感
【ショックマウント】
TLM103単品には、ショックマウント(サスペンションホルダー)が付属せず、マイクホルダのみ付属します
NEUMANNのショックマウントは4万円前後と高価なので、
コストダウンという意味もあるのかも知れませんが、
TLM103は構造的にマイクカプセルが弾力素材で取り付けられているため、
ショックマウントを使用しなくても、もともと振動ノイズを拾いにくいというのが
そもそもの理由のようです

しかし、「ショックマウントがないとテンション上がらない」ってひとも、きっと多いかもですねw
そんなときにネックになりそうなのが「60mm」という外径です
しかし、これは写真の一番太い帯状の部分のことで、下部の細い部分は概ね52mm程度ですから、それがマウント可能なショックマウントであれば使用可能と思われます

私はRycoteのUSM VB-L(対応径:55-68mm)を使用しています
太い帯の部分にはぴったりですが、写真のように帯の下から支えるようにもできます
ただ、下から支える場合は、ネジを完全に閉めても
マイク径に対してやや大きすぎて遊びがあるので、
ショックマウントの意味も??なわけですが、まあ見た目重視です(笑)
それに、USM VB-Lの耐荷重量が500gとTLM103に対してギリギリなことを考えると
下から支えれば落下の心配が消えるということで良しとしています(笑)

【ポップガード】
TLM103の金属メッシュは十分なふかれ防止効果があるらしく、基本的にはポップガードは不要ということらしいです
しかし、喫煙者にとってマイクのヤニ対策は必須なので、上の写真のように薄いフェルト製の自作マイクカバーを使用しています

【重量級??】
500gというと重い部類に入るマイクではありますが
本体が小ぶりなこともあり、取り回しに苦労するということは無いです

音の感想
ファーストインプレッションは、良い意味では無く「なんだこれ(T_T)」
GOLDENAGEのPre73jrにつないで出てきた音は、簡単に言えば「モコモコ」
上が出てないわけでは無いのだけど、中低域の解像感が乏しくて正直ガッカリでした

しかし、1時間くらい使ってるうちに視界が晴れてきますw
そして・・・・NEUMANN愛してる~(笑)

さて、まずはあらためて私の録音目的を書いておきたいのですが
私はソロギター録音と時々弾き語り録音が主な用途となりますので
舞台等オフマイクでの広範囲録音もしませんし、オケとのミックスもありません
マイクの評価は、その用途によって大きく異なるものとなりますので
そこを踏まえた上で以下をお読みいただければと思います
そして冒頭の「モコモコガッカリ」はとりあえずお忘れ下さい(笑)

しっかりした音の密度が心地よさの根底にあります
それに加えて艶っぽい解像感が、弦の音に生き生きとした表情を与えてくれます
しかし、そこに加工感や作り物感といったものは無く、いつも聴いている生音に近い、
そんな感じを強く受けます
「やや明瞭感を増した生音」そう表現しても良いかもしれませんね
そして、音に「乾いた感じがない」こと、適度な湿潤性があることも、私にとっての魅力となっています

ただ、いまどきのコンデンサーマイクは、
数千円から百万オーバーまで超幅広の価格帯のものが存在しますが
そのどれも、個人ユースに限れば全く使えないレベルってものはありません
価格と性能はある程度比例しますけど、みなそれなりに使えるマイクです
もちろん1万円と10万円のマイクにははっきりとした差があります
しかし、その差を大きいと感じるか小さいと感じるかは、
用途と感性が大きく関わるので人によって異なるでしょうし、
価格に見合う差なのかどうかも人によって違うでしょう

なので、上に書いたTLM103の音の評価も
「これでもう他のマイクは使えないね~」なんてことでもありませんし
安価なマイクで「なんとか良い音を!」と工夫を重ねるのも貴重な経験ですから
「安物に手を出さずにお金貯めてでも買うべきだよ」などという気もありません(笑)

そして私には買えませんが、もちろんもっともっと上の世界もあることでしょう

しかしながら・・・
これまで、AKGもsEもRODEもLEWITTもオーテクも使ってきて
アコギ録音ではそれなりに良い音で録れるのですが
程度の差はあれ、どこか言葉にならない違和感があったこともまた事実です
その違和感をTLM103では今のところ感じない・・・
それが私にとってのこのマイクの価値といえるのかもしれません

 ・マイク:Neumann TLM103
 ・プリアンプ:GoldenAge PRE73jr
 ・ギター:NISHIHARA
 ・レコーダー:Behringer XR16(USB録音)
 ・エフェクト&加工:無し



さて、ネットでもあまり情報が無いTLM103の特性図が製品に添付されていたので
ご紹介しておきたいと思います
高域は10kHz前後で+4dBの持ち上がりがあり、これは聴感上も感じる感覚です
中域は完全なフラット、低域は70Hzから自然なロールオフとなっており、
こうした特性が、上記した「やや明量感を増した生音」の一因と思われます
ただし、マイクをデータだけで語るのはあまり意味が無い・・・かもですけどw

TLM103 周波数曲線

TLM103 ポーラパターン


2021年5月7日金曜日

ボーカルエフェクター VoiceLive touch 2

現在メインで使用しているボーカルエフェクタは「TC-Helicon VoiceLive2」
2010年の発売以来11年経過しますが、いまだ私の中では最高のVEであります
 ※もちろんLooper等一部機能は最新の機種に譲りますが
  あくまで「私の用途では」という意味で音質、エフェクトの質ともに最高!w
VoiceLive touch 2はその2年半後、
TC-Heliconから2013.2に発売されたボーカルエフェクターです

TC-Helicon VoiceLive touch 2


さて、VoiceLive2が最高なら、なぜVoiceLive touch 2が必要か???
いえ、必要というわけではないのですが、興味津々であったことは間違いない(^0^;)
しかし、これ新品だと5万円以上と意外に安くないのです
そんなとき、ヤフオクで・・・というおきまりのパターン
興味本位でとりあえず1万円で入札したのでしたが、予想に反して対抗馬が少なく
もうこれで最後!って気合いで入れた1万4千円で落札してしまった、という事情です

興味津々だったのは、
一つには、もうやりもしないライブですが「やったつもりの脳内ライブ」で
使えそうかなっておもったこと
もう一つは、VoiceLive2では使えなかったフットスイッチやMP75などの
外部コントロールが使えるようになったことで、かなり使い勝手が向上しているので
もしも、VoiceLive2と同等の音質が得られるなら、VoiceLive2と入れ替えても良いかな
とおもったためでした




VoiceSupport 2
中古であれ、新品であれ、まずはこれをダウロードすることをおすすめします
 ①TC Heliconのダウンロードページにアクセス
 ②Product Groupsで「Voice Processors」を選択
 ③Productで「VoiceLive Touch2」を選択
これでダウンロード可能となります

VoiceSupport2では、エフェクトのエディットなどは出来ませんが
 ・最新ファームウェアへの更新
 ・プリセットの入れ替えや追加
 ・全設定のバックアップ
が可能となりますので、ある意味「必需品」と考えて良いと思います
今回の購入品でもファームウェアのバージョンが古かったので最新版への更新を行いました

使用方法については過去記事にも記載していますので、ご参考に!


使い勝手
【導入のハードル】
TC Helicon全般に言えることですが
はじめて手にしたときのハードルはかなり高いです(^0^;)
私自身、VoiceLive2やPlayAcousticを使用しているので「楽勝さ~~」と思ってましたが
そこそこ苦戦しましたw、しかし・・・・
「理解するまで大変だけど、わかって使い始めると実に良く出来た操作系だと気づく」
というのもまたTC Helicon製品の特徴でもあります
是非頑張って最初のハードルを乗り越えてもらいたいと思います

【ボーカリストのツール】
TC Helicon製品をいくつも使っていながらVoiceLive touch 2にはちょっと苦戦w
そのワケは、このVoiceLive touch 2が
「ボーカリストが現場で使用することに特化した製品」である
という、コンセプトによるところが大きいと考えられます
そして、そのコンセプトは、私もはじめて見る、画面の下にある9個のマトリクスキーと
「Effect」「Voices」の2つのボタンに良く現れています
例えば、「Effect」ボタンにタッチすると以下の画面になりますが
それに対応するマトリクスキーをタッチすることで瞬時に特定のエフェクトのオンオフを
切り替えられます


もちろん、VoiceLive2でも本体フットスイッチで似たようなことは出来ますが
さらに直感的操作が可能となっています
ただ、このエフェクターは、あくまで
手が使えるボーカリストのための機材
であり、手で操作することが基本となっていることを考えると
弾き語りのように演奏中には手が使えない場合には、
フットスイッチやMIDIコントローラーがないと少し不便ということでもあります
基本的には優れた操作系であると思いますが、
演奏スタイルによっては多少評価が分かれる部分かもしれません

【タッチパネルの功罪】
反応も良く見た目も格好いい「タッチパネル」ですが
 ・触れただけで反応するのは良い面もあるが誤タッチが起きやすい
 ・マトリクスキーでは境界付近をタッチすると2つのキーが反応してしまう
 ・機械的に「押し込む」という動作があった方が安心して使える
 ・自照式の照明が無いので暗いステージだと使いづらい
という課題もあります
操作パネルには十分な大きさがあるので、慣れでなんとかなる部分もありますが
機械的なボタンの方が良かったなあとは・・正直思いますw

エフェクト
9つのエフェクトのうち「私が」よく使うエフェクトについてご紹介してみます
【リバーブ】
VoiceLive touch 2、VoiceLive2、PlayAcousticの3機種とも
ともほぼ同種のリバーブが用意されています
私自身はPLATE系のリバーブをよく使いますが、これらのリバーブは
ステレオ出力を前提としてチューンされてるような印象を受けます
モノラルだと残響の消え方に今ひとつ自然さが欠けるというような部分です
このためには出力設定を「STEREO」とすることが必要なのですが
VoiceLive touch 2の場合、本体をスタンドに設置してしまうと
ステレオ出力のためのアンバランス端子が使いにくくなってしまうことには要注意です
ステレオ出力のリバーブは大変美しく、私もお気に入りです

設定可能なパラメーターはLEBEL(MIX)やDECAYといった一般的なものに加えて
プリディレイやワイズ(ステレオ感)と言ったものもアドバンス設定で調整可能です
ただし、VoiceLive2では可能だった
「リードボーカルとハーモーニーのリバーブ量の個別設定」は省略されているので
VoiceLive touch 2ではどちらにも同量のリバーブがかかってしまいます

【ハーモニー】
VoiceLive touch 2、VoiceLive2では4声、PlayAcousticでは2声の
ハーモニーを使用可能ですが
VoiceLive2はDOUBLINGとしてさらに4声をコントロール可能なので実質8声に比べると
VoiceLive touch 2はやや少ないかも知れません
 ※VoiceLive touch 2でも4声DOUBLINGが可能ですが個別の調整は出来ません
ただし、ハーモニーというのは実際に使っていると2声あれば十分です
なので、4声や8声というのは基本的に不要と考えれば、
上記3機種であまり差はないとも言えます

ハーモニーごとのジェンダー(性別)やパンの設定は
VoiceLive touch 2、VoiceLive2の2機種で可能ですが、
声ごとの音量その他の細かな設定はVoiceLive touch 2では出来ません
ハーモニー音声の質や精度はどの機種もにた印象を受けます
私はキー設定をギター入力で行いますが
とても美しく、かつ精度良く、不自然さを感じたことはありません

【HARDTUNE(ケロケロ)】
これは上手く言い表せませんが、使い出すとクセになります(笑)
機種による相違と言うよりは歌い方による部分が大きいのですが
VoiceLive touch 2でも、もちろん使用可能です
ただし、SETUPでピッチ補正を使用しているとケロケロしにくい気もするので
ピッチ補正=無し、にしておく方が良いかもしれません

音質
VoiceLive touch 2の音は、VoiceLive2、PlayAcousticと本当によく似ています
さすが同じメーカーというところですが
音質に関してだけ言うならどれを選んでも問題ないと思います

上記の3つのエフェクトを使い1曲弾き語ってみました






2021年5月1日土曜日

Shinさんマイク「ProbeⅡ」

 マイクとマイクの改造にご興味のある方なら、おそらく高確率でご存じだと思います

ShinさんのPA工作室

私も時々拝見させていただき、工作心をくすぐられて喜んでおります
ただ、このブログで何度も書いてるように不器用、ハンダ下手、でありますから
いくらくすぐられても、なかなか実行には移せないのですけど(笑)

購入動機


Shinさんが製作されたマイクです、詳細な仕様や動作原理などは以下をご覧下さい

高品位MEMSマイク ICS-40730使用
マイクロホン「ProbeⅡ」のすべて

電気音痴の私にはさっぱりな部分がほとんどなのですが、
興味をひかれた原因は以下の2点になります
【MEMSマイクを使用】
MEMSとは「Micro Elerctronics Mechanical System」といもので、
以前、私が自作した「WM-61A」のようなECMマイクとは異なる構造のマイクです
それだけならなんと言うこともありませんが・・・
MEMSマイクはiPhoneに搭載されて以来、スマホマイクを席巻している状況だとか
そして、ライブ配信などで私が「良い音だ!」と感じるのがいつもiPhoneだったこと

「なんでiPhoneだけこんなに音が良いのだろう??」

というのは、いつも感じていた疑問でした

しかし、いくら興味があったとは言え、上記のShinさんの記事でも書かれていますが
このマイクは「じゃあちょっと作ってみよう」と言うにはあまりにハードルが高そうです
そう、少々腕に覚えがあっても・・ですw
しかし、記事をよく読んでいると販売もされているとのこと
まあ当然の流れで「じゃあ買ってみよう!!」なワケです

ProbeⅡ


先端部分以外は、CLASSICPROのAXP-221というXLR-フォンの変換コネクターを
流用したものです
しかし、その中にはもちろんMEMSマイクへの電源供給回路が仕込まれていますし
なんと言っても圧巻なのは直径6mmの先端部分に仕込まれたMEMSマイク本体です
「自作をあきらめる」には、十分すぎます(笑)


すでにお気づきかと思いますが、
各社から発売されている計測用マイクとよく似た形状となっています
しかし、それらと比べても圧倒的に小型軽量!特に約135mmという全長は、
どんな状況でもセッティングしやすというメリットとなっています

指向性は無指向性です
考えみれは自分にとって初めての無指向性マイクで、最初は多少の違和感がありましたが
少々ラフなセッティングでも良いのだ、と考えればそれはそれで使いやすいマイクです
また2本使用することで十分ステレオ感も得られます

感度については一般的なコンデンサーマイクと同程度かまたはやや高いと思います
また、動作には48vのファンタム電源を必要とします

サンプル


【鶯の鳴き声】
ZOOM H6に直差しで録音
まだ修行中のウグイスの鳴き声・・・もうちょっと練習しようね(笑)

【雨音】
雨天時に事務所の前で録音、これもZOOM H6に直差し録音です
通り過ぎる車の音がちょっとしたステレオ感を醸します

【波打ち際の音】
車で5分の海辺で録音、またまたこれもZOOM H6に直差し録音です
砂浜に打ち寄せる波音が左から右へ流れます、意外に臨場感があります

【ギター生音】
これはFocusrite Isa Twoをプリアンプとして録音
ささやかだけど自然なステレオ感がえられます