2022年12月28日水曜日

CLASSIC PRO CSB1

とてもコンパクトなマイクプリアンプですが、商品名的には「インライン・マイク・ブースター」と呼ばれるようです

CLASSIC PRO CSB1


ダイナミックマイクやリボンマイクのような低出力のパッシブ型マイクに接続して出力をブーストするために使用します
ただ、ファンタム電源を要するコンデンサーマイクには使用できないことに注意が必要です

もう一つの活用法としては、ファンタム電源をマイクまで通電しないという特長を活かして、パッシブリボンマイクの保護に用いるということもあります
 ※パッシブリボンマイクにファンタム電源を供給すると故障の原因となります

【使い方】
ゴールドの部分をマイクに直接接続し、マイクプリアンプ(またはオーディオインターフェイス)から48vファンタム電源を供給します
もちろんマイクに直接接続せず「マイク-マイクケーブル-CSB1-マイクケーブル-マイクプリアンプ」という形でも大丈夫です


CLASSIC PRO CSB1
CLASSIC PRO CSB1とよく似た商品に「SE ELECTRONICS DM1 DYNAMITE」があります
まあこちらは「インラインプリアンプ」と呼ばれていますが、呼称はさておき機能的にはほぼ同じな機材です 

CLASSIC PRO CSB1の諸元をDM1 DYNAMITEとの比較で示したものが下表です
ゲインが2dB小さいことを除けば、両者はほぼ同じなのですが、注目すべきはその価格差w
CLASSIC PRO CSB1はDM1 DYNAMITEの概ね1/3という圧倒的コスパを誇ります


しかし、「それじゃ、CLASSIC PRO CSB1の圧勝じゃね?」というのはちと早計です
問題は「2dBのゲイン差」です
下図は、全く同環境で両者を比較したときの波形を示したものです
 ・上(緑):CLASSIC PRO CSB1
 ・下(青):DM1 DYNAMITE
あからさまにCLASSIC PRO CSB1の録り音が小さいことがわかりますが、これが「2dBのゲイン差」であり、実際に緑を2dB増幅すると概ね同じ振れ幅の波形となります
あくまで「概ね」ではありますが・・


音も比べてみた

以下は全く同じ環境下で両者の音を比較したものです
上記した「2dBのゲイン差」の補正は行わないそのままの音なので、CLASSIC PRO CSB1の方がやや音量が小さくなっています
ちなみに、録音条件は以下のとおりです
 ・マイク:SE electronics V7(ダイナミックマイク、感度-54dB)
 ・プリアンプ:BEHRINGER XR16内蔵プリアンプ(ゲインレベル+40dB)

人の耳というのは大きな音量の音の方が良い音と感じるそうなので、その分DM1 DYNAMITEのほうが有利とは言えそうです
しかしそれだけなら+2dBの補正をかければ同じに聞こえそうなものですが、そう単純でもありません

私には、DM1 DYNAMITEの方が高域のロスが少なく、中低域の膨らみもあるようにきこえ、どちらが好み?と聞かれれば「DM1 DYNAMITE」と答えます
もちろんそれほどはっきりした差では無く、価格差を考えるとCLASSIC PRO CSB1も十分ありなのですが・・・

やはり、どちらを選ぶかは聞き比べて、好みな方を選ぶ
CLASSIC PRO CSB1が好みなら迷わず購入、DM1 DYNAMITEなら価格差に見合うかを検討、ということになりそうです
ただ、そこまで大きな音質差では無いのでCLASSIC PRO CSB1もそんなにガッカリすることは無いと思います

単に比較の意味なので・・・下手くそ御免!であります(笑)



+26dBの増幅は必要なのか
CLASSIC PRO CSB1もDM1 DYNAMITEもコンデンサーマイクには使えませんので、対象はダイナミックマイクとリボンマイクとなりますが、リボンマイクはやや特殊なのでダイナミックマイクのこととしてお話してみます

ダイナミックマイクはコンデンサーマイクに比べて低感度です
今回使用したSE electronics V7も、定番なSHURE SM58も感度は「-54dB」、まあざっくり「-50~-60dBの間くらい」と考えれば良いですが、中にはBEHRINGERやJTSのように「-70dB以下」というものも存在します
 ※BEHRINGERやJTSは低価格ですが、そこそこの音質で使えるマイクも多いです

このような低感度マイクを使って、余裕を持った録音をするには、個人的に「最低でも+60dB以上」、超低感度マイクも含めてすべてのマイクに対応するなら「+70dB」のゲインを持つプリアンプが必要となります
しかし、単体のプリアンプなら問題ないのですが、オーディオインターフェース内蔵のプリアンプでは不足する場合があります
【オーディオインターフェイスのゲイン値(例)】
 ・Steinberg UR44:+52dB
 ・Steinberg UR44c:+60dB
 ・FOCUSRITE Clarett+ 2 Pre USB:+57dB
 ・MOTU M4:+60dB
 ・ZOOM UAC-8:+60dB
「大差ないヤン?」と思う方もいらっしゃるかもですが、旧型のSteinberg UR44だと「ん?なんか変?」と思うくらい音が小さいですから、数dBの差はかなり大きいです
 ※+6dBで音圧レベルは2倍になりますが、聴感上の音の大きさとは異なります

さて、私は、特に根拠は無いのですが、ゲインつまみマックスで使うとノイズが急に増えるように感じるので、出来れば8,9割程度以下で使いたいと考えています
なので、やはり+50~+60dBの最大ゲインではちょっと不足すると感じることが多いです
その「ちょっとの不足感」を埋めるのに+26dBのブーストはちょうど良い感じなのです
実際、上記の録音では、
 ・CLASSIC PRO CSB1での増幅値:+26dB
 ・BEHRINGER XR16内蔵プリアンプでの増幅値:+40dB
ということで、「合計+66dB」の増幅となるのですが、それでも緑の波形(上の画像)程度の録音音量なのです

絶対必要というわけではありませんが、1つ持ってれば安心!っていう程度には役立つ場面がありそうに思います

蛇足ですが、パッシブリボンマイクをお持ちなら「ファンタム電源の遮断装置」として持っておく方が良いと言えます(ファンタムを通電するとマイクが壊れてしまうため)


2022年12月22日木曜日

コンデンサーマイク SE electronics X1A RB

ネットをフラフラと彷徨うのはやめた方が良い

いったいどこをどうたどったのかも定かでは無い、が・赤いマイクが視界の端っこに入った

ハイッテシマッタ

SE electronics X1A RB


いやいや、そんな高級マイクなどでは無いだよ
しかし、真っ赤とも朱色とも違う絶妙な赤がグリルの漆黒とマッチして、じいちゃんにして「かわいい」と思わせる
元々、赤と黒の取り合わせはものすごく好きだが、シックでもカッコイイでもなく、そう「かわいい」なのだ
赤がツルピカ塗装なのもまた良い
本来なら安っぽく見えるはずのツルピカだけど、黒マットなグリルとアンバランスギリギリの調和を見せている

カプセルタイプ :パーマネントバイアス方式コンデンサーマイク
(2/3インチダイアフラム)
指向性 : カーディオイド
周波数特性 : 20 Hz – 20 kHz
インピーダンス : 50 Ω 以下
感度 : 20 mV/Pa(-34 dB)
最大許容音圧レベル(SPL): 130 / 150 dB(0 / 20 dB パッド)(0.5% THD @ 1 kHz)
S/N比 : 78 dB (A)
等価ノイズレベル:16 dB (A)
ダイナミックレンジ:114 / 134 dB(0 / 20 dB パッド)
ローカットフィルター:100 Hz、6 dB/oct
パッド : -20 dB
コネクタ : XLR 3ピン
動作電源 : ファンタムパワー48V(IEC 61938 準拠)
推奨負荷インピーダンス : 1 kΩ 以上
消費電流 : 4.0 mA
外形寸法 : 58 mm(直径)x 169 mm(長さ)v
本体重量 : 390 g
付属品:マイククリップ(変換ネジ付き)

・・・ちょっとまじめな話に戻る(笑)
SE electronicsは、イギリスに本社を置き中国生産するマイクメーカーです
2000年代初頭に創業されて20年ほどになりますが、歴史は浅いながら高性能と低価格を両立させたメーカーで、私も好きなブランドです
これまで、コンデンサーマイク3本、リボンマイク1本、ダイナミックマイク1本の計5本を所有してましたが、今回6本目のメンバーとなったX1Aはその中でも最も廉価なマイクとなります
コンデンサーマイク入門機とも言えるSE X1シリーズは昔から知っていたし、初代のX1は持ってもいるが、こんなカラーバリエーションは全く知りませんでした
どうやら2022年2月に元々の黒に赤と白が追加発売されたようです

白もちょっとパールっぽくて良い感じなのですが、ワタシ喫煙者ですので基本的に白は避ける傾向にあります・・なので赤!とw

マイクの使い分け


音源や録音ソースの用途によって使い分ける・・・なーんてはずは無いのです
いやもちろんゼロというわけではありませんが、そこら辺はどちらかと言えば気分次第な部分が大きいかも

むしろ日常のマイク使用で大きな要素は「管理に気を遣うかどうか」、ぶっちゃけて言えば「出しっぱで壊れても惜しくないかどうか」ということであります
コンデンサーマイクは録り音が繊細でアコギ録音に、ボーカール録音にと重宝します
しかし反面、湿度管理においてはかなりデリケートです
とはいえ、使用後毎回デシケーターに戻したりは相当に面倒なので、常用するマイクは基本「出しっぱ」で使うことになりますが、そういう荒っぽい使い方に耐える、または耐えられなくて不調を来しても惜しくないかどうか、それがワタシにとっての1つの線引きとなっています

もちろん、配線や回路が腐食するほどの超高湿度でない限り、放置しても音が出なくなるようなことはまれですが、ノイズが乗ったり音にキレが無くなったりということは十分起こります
そんな環境に高額なマイクを放置したくない、でもマイクは手の届くところにいつもあって欲しい・・・そんなせめぎ合いの中でひいた「一線」なのであります

さて今回のX1Aはどっちに入るのか?
と~ぜん「出しっぱおっけ~」の領域なのでありますよ(笑)
ちなみにこれまでその領域に君臨していたのはBEHRINGER B-1でありましたが
しばらくは乾燥剤とともにおねんねしていただくこととなりました

音の感想


元々SEのコンデンサーマイクが気に入っていた理由は、全体的に音がタイト、かつ適度な密度感があるという部分でしたが、X1Aも基本的には似た系統といって良いです
ただ、少し厚みに欠けると言いますか、艶(つや)成分が薄いと言いますか、そこは値段なりの部分もあるので、EQやエフェクト等多少の味付けは必要かもしれません
しかし、1.3万円にNEUMANNを求めるのは酷というもの
少なくとも第一印象でワタシには「ダメ」とは思えませんでしたし、むしろコスパは良い方だなと感じています

一応購入記念と言うことで、録音を残しておきます
ただ、気合い入れて生音ってほどのことも無いので、ちょっぴりリバーブでお化粧してます
 ・Martin 000-15
 ・Goldenage Pre73jr



2022年12月16日金曜日

ついに再開!Elixirボーナスパック

おそらくコロナの影響と思われますが
2020,2021で見送られた年末恒例「Elixirの3セットパック」の販売がついに復活(みたい?)です

Elixirの3セットパック


まあ3セットをお得に買える、ということでは同じなので大きな問題では無いですが、例年とは少し違うこともあります

【パッケージの違い】
以前までの3セットパック販売は大きめの箱に3セット分の弦が収納されていました
ちなみにこの時の製品番号(フォスファーブロンズ12-53)は「#16545」でした
しかし、2022版はどうやら単品パッケージ×3のスタイルのようです
ただし、パックの種類や販売店によっては従来型パッケージという可能性もあります

【価格の上昇】
これについてはショップによって価格も異なるため、正確な話では無く感覚的な部分もあるのですが、例えばメジャーなchuya-online様のフォスファーブロンズ12-53の価格であれば・・・
 ○2018年:3980円(税込、送料込み)
 ○2022年:4724円(税込、送料込み)※2022.12.15現在
と700円以上高くなっています
それでも1セット1600円を切って、多少のお得感はあるのですが・・(笑)

また80/20ブロンズの価格だと
 ○2018年:3600円前後(税込、送料込み)※うっすらとした記憶
 ○2022年:4180円(税込、送料込み。ポイント573円)※さくら山楽器
ですが、Paypayポイント込みで考えれば、4年前とそれほど変わらない感じです

例年の3セットパック販売は4月頃に向けて徐々に値段が下がっていく傾向にあるので、今後の値動きはあると思いますが、今現在に限って言えば「80/20ブロンズの方がお得」と言えるかも知れません

3セットパックの種類


今後異なるパックも販売されるかも知れませんが、現在確認出来ているのは以下の4種類です
リンクは購入先の一例ですが、最安を保証するものではありませんので、実際にご購入の場合はご自身で価格調査をお願いします
ただ、Elixirは偽物が横行しているというのも事実・・あまり名前の通っていないショップでの購入は避けることをおすすめします

 ○#16052 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB PHOSPHOR BRONZE 12-53
   https://store.shopping.yahoo.co.jp/chuya-online/202163.html
 ○#16027 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB PHOSPHOR BRONZE 11-52
   https://store.shimamura.co.jp/ec/pro/disp/1/mt0138804
 ○#11052 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB 80/20 BRONZE 12-53
   https://store.shopping.yahoo.co.jp/shimamura/os0009131.html
   https://store.shopping.yahoo.co.jp/aion/elixir-11052bp.html
 ○#11027 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB 80/20 BRONZE 11-52
   https://store.shimamura.co.jp/ec/pro/disp/1/mt0138806

なお、従来の3セットパック製品番号「#16545」(フォスファーライトの場合)は、今年はどのネットショップでも見当たりません
「待望の3セットパック販売再開」といっても、完全に3年前のスタイルと同じと言うわけではないのかも知れませんね

さて、


例年であれば、4月頃には売り切れとなり、それに向けて徐々に価格が下がるのですが、今回はどんな感じになるでしょうか・・・
しかし、確実に入手したい場合は動向を見守るよりも早目の購入が良さそうです

ん?わたしでしょうかw
今年はお得感の高い80/20ブロンズライトを少々買っちゃいました~~



2022年12月10日土曜日

ハンディレコーダー ZOOM H2n

2011年の発売以来、10年以上たった今でも現行機であり続けるロングセラーレコーダーです
私自身も購入から5,6年大変重宝したのでしたが、2年ほど前から致命的な不具合が発生し、ずっと使用不能となっておりました

ZOOM H2n


ちょっとユニークなかわいらしい外観、しかしその実態は「カワイイをかぶった狼」w

 ■最高で24bit、96kHzステレオ非圧縮PCM録音が可能という高音質
 ■XYステレオ、MSステレオ、2チャンネルサラウンド、4チャンネルサラウンドの
  4タイプのレコーディングモード
 ■オートゲインコントロールやコンプレッサーやリミッター、ローカットフィルター、
  MSデコーダーも内蔵
 ■2イン/2アウトのUSBオーディオインターフェイスやUSBマイクとして使用可能
 ■最新ファームウェア(Ver.3.0)を適用することで、SPATIAL AUDIO(空間音声)
  対応のUSBマイクとして、YouTubeの360°動画作成にも活用
 ■LINE IN端子、LINE OUT(HEADPHONE)端子あり

加えて、2万円を切る低価格!なんとも素晴らしすぎる
ユニークな外観も高級すぎずチープすぎずと言うことで、「気軽に使える」というとても重要な要素を提供してくれます


Rチャンネル録音できない・・・

2年ほど前だったでしょうか、突然右チャンネルにノイズしか入らず録音できなくなってしまいました
分解して原因を探って修理など出来ようはずも無く、乾燥剤とともにデシケーターで保管し、奇跡の復活を祈ったのですが・・1年経ち2年経っても願いは叶いませんでした

実はH2n本体とともにアクセサリーパックも購入していたのですが、本体が不調のままではその活用の道も閉ざされたまま、というわけで思い切ってオークションでジャンク品として処分することにして、こんな出品ページまで作成したのでした・・・

商品
説明 

【ジャンク品】ZOOM H2n+【完品】アクセサリーパック  

■ZOOM H2nについて
  ・X-Y録音モード時にRの音が録音できません
  ・2ch録音モード、4ch録音モード、MS録音モード同様です
  ・LINE IN 端子からはLRともに正常に録音可能です
  ・ファームウェアは最新の3.0です
  ・特に目立った傷や汚れはありません
  ・元箱及びH2n本体と2GBのSDカードが付属します
   電池は付属しません

■アクセサリーパック(ZOOM APH-2n)について
  ・欠品はありません
   三脚(数回使用、足の1本に気にならない程度のくぼみ有り)
   マイククリップアダプタ(数回使用)
   ウィンドスクリーン(未使用)
   リモコン(未使用)
   リモコン用延長ケーブル(未使用)
   ケース(未使用)
   USBケーブル(未使用)
   電源アダプター(未使用)

■H2n本体、アクセサリーパックともに簡単な除菌清掃をしています


出品前チェック、そして奇跡の復活

オークションをスムーズに完了するためには商品チェックが欠かせません
今回気になったのは「LINE IN 端子からはLRともに正常に録音可能です」の一文です
気持ち的には100%大丈夫なはずなんですが確認しておくにこしたことはありません

さっそくLINE IN端子にMP3プレーヤを接続して録音確認してみたのですがOKです
「よしこれで出品しても大丈夫」と安堵しつつ、ふと液晶パネルをみると・・・

なんとRチャンネルのレベルメーターが
正常に振れているではありませんか

それまで、ノイズだけだったのでほぼ一定値を示していたレベルメーターが、外部の音に合わせて振れています
そしてそれは、電源を何度オンオフしても、1日後に試してもずっと正常な状態を保ち続け、もちろんRチャンネルのマイク録音もなんの問題もありません

LINE IN端子へのプラグの抜き差しだけで復活!

なんだかキツネにつままれたような気分ですが・・・想像するに
H2nはLINE IN端子にプラグ接続すると内蔵マイクが無効に切り替わる仕様ですが、その切り替わりが何らかの原因で中途半端な状態となっていたのではないかと推察できます
しかしまあ、原因はともあれめでたく「奇跡の復活」となったわけで、オークションの出品は取りやめ、もうしばらく活躍してもらうこととしました

歓喜のテスト録音(笑)
まあ、喜びのまま録音してみただけなので荒っぽい(かなり適当な)ものです

H2nの魅力は、お手軽に多彩なステレオ録音が出来ることです
最新のファームウェアでは360度録音も出来るようですが、そこまでしなくとも単体レコーダーとして、USBマイクとして、とことん遊べるレコーダーです

以下は、アコギ生音をいろいろなモードで録音してみたものです
 ・X-Yモード:H2n単体録音
 ・MSモード:H2n単体録音
 ・2chサラウンドモード:USB録音

【X-Y録音】

【MS録音】

【2chサラウンド録音】


2022年12月4日日曜日

ラックリバーブ7種(2/2)

ここからは「ちょっと良いものが欲しくなった時期」の収集品w

中古とは言え5000円しないようなリバーブでもそこそこ使えるんだから、もう少し高い機材なら、「それはもう、気を失うほど良いのでは無いか」と、とても素直に考えた
・・・のであったw

④YAMAHA REV-100


2001年頃の発売で、もう20年前の機材です
AD変換もDA変換も16ビット、44.1kHzと、年代としてはやや非力ですが、
 ・MIDI制御可能
 ・選択したプリデットを番号で表示
 ・プリセットのエディット結果を保存可能
と、機能的にはちょっとだけ進歩的な香りのするマシンです
プリセット数は99、ただしメモリにユーザーエリアは存在せず、プリセットの変更と保存は、元々のプリセットに上書きされます


これくらいの機能&プリセット数になるとやはりマニュアルは必須です
前面パネルの構成はかなり単純ですが、プリセットによってつまみの役割が異なる等はマニュアルが無いとわからないです

【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬

「37:String Ensemble」(弦楽器等に適した広がるプレートリバーブ)を使用しています


⑤TC Electronic M350


もう少し新しいと思ってましたが、2007年発売とのことで、すでに15年経過するんですね
それでも、A/D 変換、D/A 変換ともに24 ビット、44.1kHz128倍オーバーサンプリングであり、低ノイズで透明感のある処理を可能としています


「デュアル・エフェクト・プロセッサー」との呼び名は、リバーブエンジンとディレイ&モジュレーションエンジンによるエフェクトをそれぞれ独立してルーティング出来るところからきており、2 つのエンジンは、別途に、または組み合わせて使用できる・・・・
とのことですが(笑)、私の場合は単純なギターエフェクトとして使えれば良いので、基本的にはシリアルルーティングでしか使っていません


多機能ゆえ使いにくいのでは?との懸念ももっともですが、前面パネルをご覧いただきたい
IOセクション、ディレイ&エフェクトセクション、リバーブセクションの3セクションに綺麗に別れており、リバーブだけならほぼ説明書無しでも使える簡潔さです
ディレイ&エフェクトセクションでもわかりにくいのは、「DELAY/TIMING」「FEEDBACK/DEPTH」の小さなつまみ2つだけです(ここは説明書読みましょうw)


【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
本機のみコーラス+リバーブの複合エフェクトとしてみました
コーラスは「SMOOTH CHORUS」で間違い無いのですが、どうやらうちのM350のリバーブセレクターは「白い筋」の位置がずれているみたいで、自分でも何を選んだのかが判然としません(笑)
NEARFIELDとなっているがHALL系にしか聞こえないw
中古だったからなあ・・・しかたないか

この時代のコーラスになると、ZOOM STUDIO 1201のような「なにこれ~変~!」なんてこともなく、普通に綺麗に聞こえますね


⑥Lxicon MX300


2010年発売、外観もスマートで現代的なので、これもまだ新しい製品と勝手に思っていたのにもう10年以上前の製品です
しかし、付属ソフトの使用環境がWindows8まで等々、落ち着いて考えればそこそこ昔の製品なんだと納得ですw
処理能力は、A/D 変換、D/A 変換ともに24 ビット、44.1kHz128倍オーバーサンプリングと、前出のM350とほぼ同じです
オーバーサンプリングのおかげかノイズもほとんど聞き取れません


操作性は・・正直あまり良いとは言えない(難しい、というよりは本当にめんどくさいw)

まず、前面パネルにDRY/WETのミックスつまみが無いことにお気づきだろうか
これは私の想像ですが、このマシンはどうやらミキサーのセンドリターンを基本としているように思えます
その場合、エフェクター側はWET100%で良く、DRYとのミックスはミキサーで行うため、頻繁にエフェクター側でミックスを調整することはありません
しかし、MX300を単品で使用する場合は、DRY/WETバランスがとても大事で、そのためにはいちいちエフェクト調整画面に移動し、調整、保存しなければならない・・・これがとても面倒です
  ※出荷時はほとんどのプリセットがWET99%となっています
   センドリターンならOKですが、単品使用の場合だと「めちゃくちゃな音」
   しかでません・・・これは要注意!!
もう一つは各エフェクトのパラメータ調整です
これはわかりやすく説明するのが難しいのですが、例えばリバーブで調整可能なパラメーターは10近くあるのに、MX300本体で調整できるのは3つ、それ以外のパラメーター調整のためにはノブアサインの変更が必要になる・・って具合です
実質的には制御ソフトである「MX-EDIT」が必須になると思います

【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬



サンプル音源の設定値

⑦Lxicon MPX110


2002年発売・・・そうか、もう20年前なんだ~
それでも、24bit、44.1kHz、自然でなめらかなリバーブです

操作性・・・あはは、LEXICONに「わかりやすく、使いやすく」との意識は希薄なのでしょうか(笑)
マニュアル無しでの使用は、まず不可能です
最大の要素は「ADJUST」ノブ、PROGRAMとVARIATIONの組み合わせによって「役割と動作が異なる」という凶悪な仕様で、マニュアル片手か頑張って暗記するかしかないですw

【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬

残念ながら、これは別のラックに組んであるので他機種と同一条件のサンプル音源が作成できません
以前に作成した動画があるので参考までにご紹介しておきます




まとめ


超高額なリバーブ機材のことは知らないので、そこは割愛しますが(笑)

ラックリバーブは年代が新しくなるほどに多機能となったり調整幅がひろがったりと「音作りの自由度」が広がってきます
そこで大事になるのが「明確な音のイメージ」と「調整能力」だとおもうのです
先に言っておきますが、私自身はその両方とも十分「へなちょこ」であります(笑)

ただ、自分の中で一番大事なのは「原音が遠くならないこと」、もっと具体的に言えば「明瞭なアタック感があること」です
そこが十分確保できていれば、残響自体は「濃厚で絡みつくような」でも「すっきりさわやか」でも、その時々に移ろう好みの中でどちらでも良いかなと思います

もう一つ重視するのは、残響の消え際が自然であること
これはパラメータで調整って訳にもいかないのでメーカーの考え方次第なのかも知れませんが、ラックリバーブでは「これ、あかん!」って思ったことはあまりありません
低価格のペダルリバーブでは残響時間を長くしたときに「あれ??」と思うものもありました

さて、ラックリバーブも最近はペダル型の高音質化や出来の良いプラグインの登場などでどんどん活躍の場が減っています
プロ用の高級機はいざ知らず、M350やMX300のような低価格の一般向けラックリバーブが軒並み販売終了となっているのも時代の流れと言えそうです

しかし、宅録はもちろん、ホームユースで可搬性や省スペースにこだわらないのであれば、逆に良い時代の到来なのかもしれません
以前は少しお高くて躊躇していたリバーブも中古で手に入れやすくなるかもです

家にPAが無くても、
プリアンプ▶リバーブ▶オーディオセットで
とっても幸せな気分に浸れます


2022年11月28日月曜日

ラックリバーブ7種(1/2)

私の人生初リバーブはラックでありました

約9年ほど前、ソロギターをはじめて間もない頃
アコギやその関連機材についてほとんど知識が無かった私でしたが、いろんな方の演奏動画でリバーブの存在は知ってましたし、「なんて綺麗な音!」と感動したものでした
当然ながら「私も!!!」と思っのでしたが、悲しいかな何を使えば良いのかわからない

「良いリバーブって? なに使えばええの?」

そこで、良い感じ!って思えた動画の機材情報、その頃よく弾いた岸部さんの情報等々から、どうやらソロギター界隈では「Lexicon社」というのがメジャーな存在らしいこと、なかでも,岸部さんも使ってる「Lexicon LXP-1」はプロギタリスト御用達らしいとわかってきた

しか~し、簡単には手に入らないのじゃったぁ~w

Lexicon LXP-1はすでに30年前の機材で新品購入不可、中古市場のタマ数は今も昔も極めて少ない上に、「安くない&故障も怖い」
じゃあ別のLexiconはと言えば、「そこそこ」以上のお値段でおいそれと手が出ない・・となればそこは無知ゆえの単純思考w
「似たような平べったい形のリバーブならいけるんじゃ??」「うんうん、そうに違いない!!」と、その答えこそが「ラックリバーブ」であったと(笑)
  ※ペダル式リバーブの存在はうすうす知ってましたが、当時の私は「エレキ機材」
   のイメージが強くて興味が湧きませんでした(^0^;)

その後、LexiconのラックリバーブやハーフラックのLXP-1、LXP-5、Lexiconアルゴリズムのペダル等々、たくさんのLexicon製品を買うことになるのですが、私のリバーブ人生の第一歩は、今回記事の3機種、5千円にも満たない廃棄寸前のラックリバーブなのでありました

何に使ってたのか


それから5年ほどの間に買ったラックリバーブは全部で7台
次第に興味がペダルリバーブに移っていったことと、「ラック=移動しにくい」ということもあって、その後は購入してませんし、ほとんど使用しなくなってしまいましたが、現在も堂々たる存在感でラックを埋めてくれています

使用目的・・・まあ、今となっては自分でもちょっと??ですがw
良いリバーブを求めると言うよりも、とにかく「いろんなリバーブを知りたかった」ということが目的だったのだと思います
その中で、自分の好みは何なのか、お気に入り動画のリバーブに近いのはどれなのか、そんなことを知る、理解するための「耳経験値」を蓄積することが同時の私には必要でした


以下は各機の紹介で、それぞれにサンプル音源もつけてみましたが、これだけ素性の異なる機材ですから「同じエフェクトの比較音源」というわけにはいきません
基本的には
「ギター▶プリアンプ(BOSS AD-5)▶リバーブ▶レコーダー(ZOOM H6)」
という条件のみ共通で、各リバーブのエフェクト種類は機種によって異なります
また、わかりやすさ重視で「通常よりやや過剰に」かけています

①KORG DRV-1000


記憶は定かでは無いですが、これが最初に購入したラックリバーブでした
購入前に、アコギでは無く、サックスの音源に使用した動画があって、「力強くぶっとい!」と惚れ込んだのを思い出します
D/A変換16bitという超レトロ(推定30年以上前)なデジタル処理のため、32bit処理なども存在する最新のリバーブ機材と比べれば「なめらかさや自然さ」では一歩譲る感じは否めません
しかし、旧式な処理ゆえの力強さというのもあるんじゃ無いかなとも思えます


残念ながら説明書はありませんが、説明書を読むまでもない超単純仕様
前面パネルに印刷されたこれさえあれば、何も困ることはありません(笑)



【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
「2:LARGE HALL」を使っています
なんと言いますか、今聴いてもやっぱこのリバーブは好きですw
多少ノイズが乗りますが許容範囲、それよりHALLであっても「遠い音」にならず、素直で力強い残響がとても力強い・・好み!!
シンプル操作で調整できるパラメータはミックスと残響時間程度しかありませんが、「悩まなくてすむ」というのも1つの性能と言えるかも知れません


②BOSS RV-1000

これもリバーブ専用機ですが、KORG DRV-1000には無いPLATEとDELAYが搭載されています
とはいえ、やはり古い機材(これも推定30年以上前)だけあって
処理能力は16bit、31.25kHz・・・
やや荒い感じはあるものの、PLATEのおかげでスッキリ感も多少は感じられます


一応マニュアルも入手していますが、機能が単純なだけに無くても特には困りませんw
以下のモードさえわかればマニュアルが無くても十分使えます


【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
「PLATE2」を使っています
これはもう、ビヨンビヨンしたところがまさしくプレート
「ちょっとモジュレーションはいってる?」とも思えますが、このマシンは空間系だけなのでそれはないです(笑)
ただ、普段からHALLよりもPLATEを多用する私ですが、このPLATEはちょっと個性的で気分転換用かなと思ってしまいます


③ZOOM STUDIO 1201

リバーブだけではなく、モジュレーション系やボコーダーまで備えたマルチエフェクターです
発売時期は定かではありませんが、上記2機種よりもやや後のようで、処理能力は
 ・AD変換:18bit64倍オーバーサンプリング、44.1kHz
 ・DA変換:18bit8倍オーバーサンプリング、44.1kHz
と多少向上しています


多機能なのは良いのですが、プリセットの切替がちょっとややこしい
 ・3つのバンク(下図右、スライドスイッチで切替)
 ・11のエフェクト(下図中央、ロータリースイッチで切替)
 ・11のキャラクター(下図左、ロータリースイッチで切替)
という操作で、3×11×11=363のプリセットを選択します
さらにわかりにくいのが、キャラクターに関してはマニュアルになんの説明もないこと
これは耳を頼りに実際に試してみるしか無い訳です


しかもこの「キャラクター」かなりダイナミックに音が変わります
確かに面白いし、十分遊べるのですが、実際に使うとなると、最低でも
 ・MIDIによるプログラムチェンジとプログラム番号の表示
 ・エフェクトのメモリー機能
がないとかなり不便・・・というより「現場使用は難しいぜ!!!」って思ってたらw
このあと「ZOOM STUDIO 1204」が発売(多分2015年)されています
似たようなこと考える人、きっと多かったのでしょう(笑)


【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
「PLATE(キャラクター6)」を使っています
さて、本当に多様なエフェクトを備えたマルチですが、モジュレーション系はやや「とりあえず感」が強くて若干チープに聞こえます
でも、本職??のリバーブだけにすればそこそこいけるかな、というわけでバンクAが主役となりそうです
今回のPLATEは、私が普段馴染みのある音で使いやすいです


さて、次回は後半戦です


2022年11月22日火曜日

パッチベイBEHRINGER PX2000

購入からもう7,8年も経つだろうか
買って1年くらいは便利に使ってたんだけど、その後使わなくなってしまうと、配線の意味も使い方もすっかり忘れてしまった
今回は、ちょっとおさらいの意味も込めて機材紹介してみよう



パッチベイとは
パッチベイの姿、形を説明するだけなら簡単、1Uのラック機材で「全面にフォンジャックがずらりと並ぶ機材」です
一般的には24列、48個のフォンジャックが並ぶものが多いです

ただですね、「何に使うのか」と言われると、正直私もすべて把握してるわけではありません、というか「超単純な使い方」しかわかってない(笑)
パッチベイは下図に示すように前面2つ、背面2つの4つのフォンジャックと
モード切替スイッチ
(これは製品によっていろいろな形がある)が1セットとなっています


パッチベイとは、この前面ジャックと背面ジャック間の接続を様々に設定することで、音楽制作機材の使い勝手を格段に向上させるものです
パッチベイの動作はモード切替スイッチにより、以下のようになります

【Half-Nomalモード】
通常はリアの上下がつながっています。しかしノーマル接続と違ってフロント上段のパッチポイントに接続してもリアの上下は切断されず、リア上部からの信号はスプリットされて前面上部にも流れます。フロント下段にパッチ接続された場合のみ、ノーマル接続(リア上下)は切断されます。


【Nomalモード】
後部のパッチポイントが上下につながっており、オーディオ信号が正面からのパッチ
ワーク無しで上下に流れるパターンです。ノーマル接続ではフロントの上下いずれかのパッチポイントが使用されると、リア上下の接続が断たれます。


【Openモード】
上下のパッチポイントが全く接続されていないモードです。一般的にストレート接続の目的
はオーディオ機器の接続端子をパッチベイのフロントに持ってくることにあります。


【Parallelモード】
このモードでは、1 つのモジュールのすべての端子が相互接続されます。 この構成は一見意味がありませんが、1 つのオーディオ信号 (Aux センドなど) を分割して複数の送信先 (エフェクト デバイスなど) に送信するために使用されます。


【さてと・・・・】
上記のモードを一通り理解するのもなかなか大変なのですが、その上で「何に使うか」は使用者のパッチベイ経験値と発想力しだいなのです
「パッチベイは便利」と書きましたけど、実際に使いこなすのは難解なパズルのごとし!PX2000の取説にも「機器の配線はそれ自体が1つの技術(芸術)である」と書かれているように、私には具体的な接続の仕方を例に挙げて説明する「技術」はとうていございません(笑)

私の使い方
もう本当にお恥ずかしいのですが、基本的にはOPENモードのみしか使えていません
要は「プラグとプラグをつなぐ目的」なワケです
購入当時、よく使ってた時期の目的は「数台のラックリバーブを切替ながら音を比較する」と言うことでした
しかしラックリバーブは、写真のようにラックに組んだ状態なので、切替のたびに後ろに潜り込んで配線を換えるのは「もうめちゃくちゃに大変」なのであります


そこで、「各リバーブの背面出力をすべてパッチベイ前面にもってくる」ということを考えたわけです
パッチベイの2列を使用してステレオ信号を処理しているのですが、まあ図にするのもおこがましいほど単純なものです
 ※上のOPENモードとは信号の向きが異なりますが、OPENモードではどちら向きでも
  かまいません。ただ一般論を言えば「全面上段は出力、全面下段は入力」とするもの
  のようです

2列(Openモード)をワンセットとした私のパッチベイ使用法
1Aにギターの出力を差せば
1B、2Bにエフェクターのステレオ出力が帰ってくる

さて、ここまで来れば、忘れていたパッチベイの結線状況、ちょっとまとめておきましょう
要は、背面側のジャックと各エフェクター間はつなぎっぱなしにしておき
前面ジャックでプリアンプ出力とレコーダー入力のプラグをつなぎ替えることで、
簡単にエフェクターの切替を可能としたものです


【買って良かった??】
6台のラックリバーブの切り替えなんて、パッチベイが無ければ簡単にできなかったわけですから「パッチベイ買って良かったわ!」と喜んだものです
前面パネルでパッチ作業をしていると、なんだか二昔前の電話交換手のような気分にも浸ることが出来ました(笑)

今回の記事のおかげでTC_electronic M350
の音を久しぶりに聴くことができました
いや~~美しいリバーブだぁ!!


2022年11月16日水曜日

コンプレッサーBEHRINGER MDX2600

かなりレトロなコンプレッサーです
正確な発売時期は不明ですが、取説には「バージョン1.1 2002年6月」とあるので
少なくとも発売から20年は経過するのではないでしょうか

ちなみに、現在では「MDX2600 V2」という形でマイナーチェンジされています
いつ頃V2になったのかも定かではありませんが、
 ・V2のクイックスタートガイドのコピーライツ表記が2017
 ・V2のamazonでの取り扱い開始日が2018/12/12
との情報からして2018前後では無いかと推測されます

ただし、外観くりそつ!、機能も特に変更された様子が無く・・・
V2と初代でどこがどう違うのかさっぱりわかりません(笑)

MDX2600とは


基本的には2チャンネルのコンプレッサーですが、それにとどまらずチャンネルごとにエキスパンダー、ゲートノイズサプレッサー、エンハンサー、リミッター、チューブシミュレーターの機能を持つ超多機能マシンです
しかも、さすがBERINGER、お財布応援隊の名に恥じない低価格!!!
現在のV2でもSH価格で23800円、初代の中古なら1万円以下で入手可能です
 ※私のは中古品で、送料込み5800円・・ありがたいw


しかし、多機能と言うことは・・・使い方が難しそうですよね、ええ否定はしません(笑)
しかし、「超多機能」はひとまず忘れてまずはコンプレッサー達人になってみましょう
下図は、BEHRINGER名物「わかりにくい取説」を出来るだけわかりやすく!って感じで作り直したものです
ピンクで着色したところだけに集中~~~!w
それ以外はとりあえず、「押さない」「有効にしない」ということでほっときましょう
 ※特にSC(サイドチェイン)は、音源の周波数帯に応じてコンプレッションの
  かかり方を変えるというものですが、その関連の機能は「最後の最後」、
  場合によっては「ずっと使わないまま」・・でも良いと思います


まずは以下の設定を基本とします
 ・THRESHILD:概ね-20~-25dB
 ・RATIO:2~3くらい
 ・AUTOボタン:押す(点灯)
そうすると、元の音よりもやや小さい音が帰ってきますので
 ・OUTPUTノブを適量右へ回して、元の音量と同じになる位置を探す
これが超基本的なコンプレッサーの使い方となります

コンプレッサーは音色への影響が少なく、「効果がわかりにくいエフェクト」として有名ですが、上図で黄色着色した「GR(GAIN REDUCTION)メーター」が反応していれば、コンプレッサーが「仕事している」とわかります
大きな声を入力したときにGRメーターが9前後までふれていれば「良い感じ」って言えると思います
万一、大声でもGRメーターがふれないようでしたら過小入力です
コンプレッサーの意味が無くなってしまいますので以下を検討してみて下さい
 ・マイクプリのOUTPUTを上げてみる
 ・背面パネルの「OPERATING LEVELスイッチ」を+4dBuにしてみる
  ※-10dBVはホームレコーデイングレベル、+4dBuはスタジオレベル・だそうです
   細かいことは聞かないでwww

コンプレッションの操作に慣れ、結果に満足できるようになったら
自分の耳を頼りに、他の機能も試してみましょう
そして、ある程度全体に馴染んできたら・・・・
そのときは取説に戻ってみます(笑)
意味不明だった記述もその頃にはなんとなくわかるようになってるかも
しれません・・・(知らんけどw)

なぜ必要だった?


これまで私の弾き語りシステムではマイクとボーカルエフェクターを直結していたのでしたが、綺麗な音なんだけど、どこかメリハリが無いような気がして、倉庫で眠っていたマイクプリをつないでみたのがコトの始まりです(下図の赤枠)

ART TUBE MPは真空管交換済み

たしかに、気のせいかマイクの情報量が増して、すこし音が元気になったようで、しばらくは気に入ってたんですが・・・
しばらくすると「ん?私って歌下手???」と(笑)
そう、マイクの情報量が増えると言うことは、いろいろアラが目立って「下手が誇張される」という惨事もあり得るわけです(もちろん上手な人はより上手に聞こえるw)

しかし、せっかく導入したマイクプリアンプ、これも活かしながらなんとかならんものか
考えたあげく、声の強弱の幅を少し狭めることでなんとかなるかも、そうだコンプレッサーだ!!!(笑) ってわけで、以下となった次第であります


【笑える後日談】

後になって冷静に考えたら、ボーカルエフェクター(VOICELIVE2)にもコンプレッサーが内蔵されており、しかもそれが機能する設定にしてあったコトに気づいた
  ※冒頭に書いた「どこかメリハリが無いような気がして」というのも、
   あながち耳が変だったというわけでもないようだwww
すでにエフェクター内でコンプレッションされていたのだから、MDX2600買う必要は全くなかったのだが、まあそんな冷静さがあれば、そもそも山のような機材に埋もれるようなことにはなっていない・・のだよw
結局、MDX2600の購入で、しばらくは「コンプの二重掛け」となっていたのだが、別に多段のコンプレッションがいけないという訳では無い
ただ、二重にかかってるという意識が無いものだから、気づくまでの2日ほどは意図しない音に悩まされたのであったw

しかしあなたMDX1600持ってたよね


はい、そのとおりですが、すでにラックに組んであるから取り外すのがめんどくさい


ところで、うり二つのMDX1600とMDX2600、何が違うのでしょう??
ざっとした検証ですが、以下の2点以外には大きな差はなさそうです
【①TUBE回路の有無】
 MDX2600にはありますがMDX1600にはありません
 取説では「ヱレクトロニック・チューブから生まれる典型的な透明感かつ温もり
 をもっサウンド特性を出力信号に与えます。」とありますが・・・w
【②ENHANSERとDE-ESSERの扱いの違い】
 ENHANSERもDE-ESSERも1600、2600ともにありますが
  ・MDX1600:ENHANSERは調整可能、DE-ESSERはオン/オフのみ
  ・MDX2600:ENHANSERはオン/オフのみ、DE-ESSERは調整可能
 という違いがあり、これに伴い前面パネル構成もやや異なります
 ちなみにENHANSERもDE-ESSERは以下の通りです
  ・ENHANSER:高周波数のダイナミックなブーストを可能とし、
   中低域で作動したコンプレツシヨンにより低減した中音域および高音域
   に対しるレベル低減をブーストする
  ・DE-ESSER:オーディオ信号内に含まれる「シュ」音の消去を行う

さて結果は?

さすがに「ん?私って歌上手???」ってことにはなりません(笑)

しかし少々声を張っても、割れない、破綻しない、という安心感は得ることが出来ました
それと、声の強弱の差が小さくなったことでほんの少し下手さが薄れたって気もします
 ※上の「笑える後日談」で書いたとおり元々ボーカルエフェクター内で
  コンプがかかっており、それを解除してMDX2600にまかせただけ
  なのだから、そんな変わるか?って話なんです・・
  でもまあ、新機材導入による気分的なフラシーボ効果に加えて
  内蔵エフェクトと単品エフェクターの差もある程度あったと
  思います(いや、思いたい)

コンプレッサーは「下手隠しのエフェクター」と呼ばれることもあります
その反面、ソロギターにしろボーカルにしろ「表現したいニュアンスが薄れてしまう」
すなわち意図したとおりの表現にならないとして、嫌う演者さんもいます

たしかに「今が盛り上がるところ!!」って頑張っても思ったほど音量が上がらないのは
めっちゃストレスにもなるし、特にソロギターの場合はその傾向が顕著です
そこでキモになるのはRATIO・・・ソロギターなら最大でも2:1くらいでしょうか

ボーカルの場合は多少RATIOを大きくしても「気持ちの盛り上がり」ってニュアンスはある程度つたわると思うので、RATIOを3:1くらいまでは上げられそうです

いずれにしても、コンプレッサーは、効果は目に見えにくいけど大事なエフェクターです
相応の試行錯誤は覚悟しないといけませんが、一度はトライしてみたいですね

2022年11月10日木曜日

AKG H85 のコピー品

SSDで痛い目に遭ったのに、懲りないわたし
というより、どこかでこのスリルを楽しんでいるワタシ・・
Aliexpress、It's wonder world!!!(笑)

AKG H85とは


AKGマイク用のショックマウント(サスペンションホルダー)です
C414シリーズ、C314、C214、はもちろん、C2000,C3000,C4000等、AKGの多くのマイクで使えます
また以前にも紹介したように、多少工夫すればAKG以外のマイクでも使えたりします

便利なのですが、1万円前後というその価格が高いハードルとなっています

AKG H85のコピー品
今回はAliexpressで買いましたが、2022.10現在amazonでも購入可能です
 ・Aliexpress:価格3000円前後、到着まで2週間
 ・amazon:価格2500円、翌日配送
いや~~~、アマゾン調べずに買ったワタシ、バカでした(笑)
立ち直るまで時間が必要でしたが、もう大丈夫!早速比較していきましょう

以下の写真はすべて「左:コピー品、右:本物」となります
ロゴの有無や変換ねじの色が違うなどの違いは確認出来ますが、基本的に同じ形状です
ただ、プラスチックの質感が、コピー品は「ツルツル」、本物は「つや消し」です
本物H85を初めて見たときは「なんて安っぽい」と思ったものでしたが
コピーと並べてみると、安っぽさではコピー品が上回ります!w

少し気になるのは、角度調整用の締め付けねじ部
本物に比べてコピー品はみるからにひ弱そう(特にボルト側の付け根)です

次は少々細かいところです

【ゴムサスペンションの違い】
コピー品は「ツルツルゴム」、本物は「編み込みゴム」です
どちらが良いとは今のところ言い切れませんが、ツルツルの方はやや劣化が心配です
このゴムは、純正品だと1本1000円程度、交換には2本必要になりますから、計2000円と考えると「どの程度保つか」はかなり気になるところです
  ※万一伸びたら自作しちゃいますけどwww

【ホールド部分の形状の違い】
写真のように本物の方はホールド用ゴムの端部が「ななめにカット」されています
これ、AKGのマイクの場合はななめでも平坦でも問題ないのですが、他社製のマイクを取り付ける場合は「ななめ」の方がほんのちょっと使いやすいのですよ
まあ、大きな問題ではありませんけど・・・


【重量の違い】
これは・・・なんと37gも違う、コピー品「軽っ!!」
ショックマウントとしては軽いというのも悪くは無いのですが、強度やフロアノイズの遮音性に軽量というのがどう影響するのか不明なので、ちょっと気になります


使い勝手など
【ホールド感】
十分しっかりホールドしてくれます、特に不満はありません
また、ホールドに要するグリップ回転量もほとんど同じで、違和感ありません
ちなみに、ホールドグリップを回転して出てくる3つの爪は、ホールドの解除とともに「ひっこむ」ということはありません
引っ込めるためには手で押し込む必要がありますが、これはコピー品も本物も同じ仕様です

【角度の保持性】
使用には問題ない程度ですが、コピー品の方がやや強く締め付けないといけない感じです
ただこの締め付けネジが「いかにも安っぽい」ので、強く締めると壊れそうで怖いw
頻繁に締める&緩めるを繰り返す方は少し注意が必要かもです


あり!か、なし!か
ワタシとしては「使えそう」と感じています
一番の問題は「耐久性」ですが、まだ手にしたばかりですので、全体的な強度やゴムの伸び方などはこれからの検証となります
とりあえずは本物を温存しておけるということが最大の「価値」であります
あ、それとH85目当てに古いC3000Bとかを買うという愚行も防げそうです(笑)