2022年12月28日水曜日

CLASSIC PRO CSB1

とてもコンパクトなマイクプリアンプですが、商品名的には「インライン・マイク・ブースター」と呼ばれるようです

CLASSIC PRO CSB1


ダイナミックマイクやリボンマイクのような低出力のパッシブ型マイクに接続して出力をブーストするために使用します
ただ、ファンタム電源を要するコンデンサーマイクには使用できないことに注意が必要です

もう一つの活用法としては、ファンタム電源をマイクまで通電しないという特長を活かして、パッシブリボンマイクの保護に用いるということもあります
 ※パッシブリボンマイクにファンタム電源を供給すると故障の原因となります

【使い方】
ゴールドの部分をマイクに直接接続し、マイクプリアンプ(またはオーディオインターフェイス)から48vファンタム電源を供給します
もちろんマイクに直接接続せず「マイク-マイクケーブル-CSB1-マイクケーブル-マイクプリアンプ」という形でも大丈夫です


CLASSIC PRO CSB1
CLASSIC PRO CSB1とよく似た商品に「SE ELECTRONICS DM1 DYNAMITE」があります
まあこちらは「インラインプリアンプ」と呼ばれていますが、呼称はさておき機能的にはほぼ同じな機材です 

CLASSIC PRO CSB1の諸元をDM1 DYNAMITEとの比較で示したものが下表です
ゲインが2dB小さいことを除けば、両者はほぼ同じなのですが、注目すべきはその価格差w
CLASSIC PRO CSB1はDM1 DYNAMITEの概ね1/3という圧倒的コスパを誇ります


しかし、「それじゃ、CLASSIC PRO CSB1の圧勝じゃね?」というのはちと早計です
問題は「2dBのゲイン差」です
下図は、全く同環境で両者を比較したときの波形を示したものです
 ・上(緑):CLASSIC PRO CSB1
 ・下(青):DM1 DYNAMITE
あからさまにCLASSIC PRO CSB1の録り音が小さいことがわかりますが、これが「2dBのゲイン差」であり、実際に緑を2dB増幅すると概ね同じ振れ幅の波形となります
あくまで「概ね」ではありますが・・


音も比べてみた

以下は全く同じ環境下で両者の音を比較したものです
上記した「2dBのゲイン差」の補正は行わないそのままの音なので、CLASSIC PRO CSB1の方がやや音量が小さくなっています
ちなみに、録音条件は以下のとおりです
 ・マイク:SE electronics V7(ダイナミックマイク、感度-54dB)
 ・プリアンプ:BEHRINGER XR16内蔵プリアンプ(ゲインレベル+40dB)

人の耳というのは大きな音量の音の方が良い音と感じるそうなので、その分DM1 DYNAMITEのほうが有利とは言えそうです
しかしそれだけなら+2dBの補正をかければ同じに聞こえそうなものですが、そう単純でもありません

私には、DM1 DYNAMITEの方が高域のロスが少なく、中低域の膨らみもあるようにきこえ、どちらが好み?と聞かれれば「DM1 DYNAMITE」と答えます
もちろんそれほどはっきりした差では無く、価格差を考えるとCLASSIC PRO CSB1も十分ありなのですが・・・

やはり、どちらを選ぶかは聞き比べて、好みな方を選ぶ
CLASSIC PRO CSB1が好みなら迷わず購入、DM1 DYNAMITEなら価格差に見合うかを検討、ということになりそうです
ただ、そこまで大きな音質差では無いのでCLASSIC PRO CSB1もそんなにガッカリすることは無いと思います

単に比較の意味なので・・・下手くそ御免!であります(笑)



+26dBの増幅は必要なのか
CLASSIC PRO CSB1もDM1 DYNAMITEもコンデンサーマイクには使えませんので、対象はダイナミックマイクとリボンマイクとなりますが、リボンマイクはやや特殊なのでダイナミックマイクのこととしてお話してみます

ダイナミックマイクはコンデンサーマイクに比べて低感度です
今回使用したSE electronics V7も、定番なSHURE SM58も感度は「-54dB」、まあざっくり「-50~-60dBの間くらい」と考えれば良いですが、中にはBEHRINGERやJTSのように「-70dB以下」というものも存在します
 ※BEHRINGERやJTSは低価格ですが、そこそこの音質で使えるマイクも多いです

このような低感度マイクを使って、余裕を持った録音をするには、個人的に「最低でも+60dB以上」、超低感度マイクも含めてすべてのマイクに対応するなら「+70dB」のゲインを持つプリアンプが必要となります
しかし、単体のプリアンプなら問題ないのですが、オーディオインターフェース内蔵のプリアンプでは不足する場合があります
【オーディオインターフェイスのゲイン値(例)】
 ・Steinberg UR44:+52dB
 ・Steinberg UR44c:+60dB
 ・FOCUSRITE Clarett+ 2 Pre USB:+57dB
 ・MOTU M4:+60dB
 ・ZOOM UAC-8:+60dB
「大差ないヤン?」と思う方もいらっしゃるかもですが、旧型のSteinberg UR44だと「ん?なんか変?」と思うくらい音が小さいですから、数dBの差はかなり大きいです
 ※+6dBで音圧レベルは2倍になりますが、聴感上の音の大きさとは異なります

さて、私は、特に根拠は無いのですが、ゲインつまみマックスで使うとノイズが急に増えるように感じるので、出来れば8,9割程度以下で使いたいと考えています
なので、やはり+50~+60dBの最大ゲインではちょっと不足すると感じることが多いです
その「ちょっとの不足感」を埋めるのに+26dBのブーストはちょうど良い感じなのです
実際、上記の録音では、
 ・CLASSIC PRO CSB1での増幅値:+26dB
 ・BEHRINGER XR16内蔵プリアンプでの増幅値:+40dB
ということで、「合計+66dB」の増幅となるのですが、それでも緑の波形(上の画像)程度の録音音量なのです

絶対必要というわけではありませんが、1つ持ってれば安心!っていう程度には役立つ場面がありそうに思います

蛇足ですが、パッシブリボンマイクをお持ちなら「ファンタム電源の遮断装置」として持っておく方が良いと言えます(ファンタムを通電するとマイクが壊れてしまうため)


2022年12月22日木曜日

コンデンサーマイク SE electronics X1A RB

ネットをフラフラと彷徨うのはやめた方が良い

いったいどこをどうたどったのかも定かでは無い、が・赤いマイクが視界の端っこに入った

ハイッテシマッタ

SE electronics X1A RB


いやいや、そんな高級マイクなどでは無いだよ
しかし、真っ赤とも朱色とも違う絶妙な赤がグリルの漆黒とマッチして、じいちゃんにして「かわいい」と思わせる
元々、赤と黒の取り合わせはものすごく好きだが、シックでもカッコイイでもなく、そう「かわいい」なのだ
赤がツルピカ塗装なのもまた良い
本来なら安っぽく見えるはずのツルピカだけど、黒マットなグリルとアンバランスギリギリの調和を見せている

カプセルタイプ :パーマネントバイアス方式コンデンサーマイク
(2/3インチダイアフラム)
指向性 : カーディオイド
周波数特性 : 20 Hz – 20 kHz
インピーダンス : 50 Ω 以下
感度 : 20 mV/Pa(-34 dB)
最大許容音圧レベル(SPL): 130 / 150 dB(0 / 20 dB パッド)(0.5% THD @ 1 kHz)
S/N比 : 78 dB (A)
等価ノイズレベル:16 dB (A)
ダイナミックレンジ:114 / 134 dB(0 / 20 dB パッド)
ローカットフィルター:100 Hz、6 dB/oct
パッド : -20 dB
コネクタ : XLR 3ピン
動作電源 : ファンタムパワー48V(IEC 61938 準拠)
推奨負荷インピーダンス : 1 kΩ 以上
消費電流 : 4.0 mA
外形寸法 : 58 mm(直径)x 169 mm(長さ)v
本体重量 : 390 g
付属品:マイククリップ(変換ネジ付き)

・・・ちょっとまじめな話に戻る(笑)
SE electronicsは、イギリスに本社を置き中国生産するマイクメーカーです
2000年代初頭に創業されて20年ほどになりますが、歴史は浅いながら高性能と低価格を両立させたメーカーで、私も好きなブランドです
これまで、コンデンサーマイク3本、リボンマイク1本、ダイナミックマイク1本の計5本を所有してましたが、今回6本目のメンバーとなったX1Aはその中でも最も廉価なマイクとなります
コンデンサーマイク入門機とも言えるSE X1シリーズは昔から知っていたし、初代のX1は持ってもいるが、こんなカラーバリエーションは全く知りませんでした
どうやら2022年2月に元々の黒に赤と白が追加発売されたようです

白もちょっとパールっぽくて良い感じなのですが、ワタシ喫煙者ですので基本的に白は避ける傾向にあります・・なので赤!とw

マイクの使い分け


音源や録音ソースの用途によって使い分ける・・・なーんてはずは無いのです
いやもちろんゼロというわけではありませんが、そこら辺はどちらかと言えば気分次第な部分が大きいかも

むしろ日常のマイク使用で大きな要素は「管理に気を遣うかどうか」、ぶっちゃけて言えば「出しっぱで壊れても惜しくないかどうか」ということであります
コンデンサーマイクは録り音が繊細でアコギ録音に、ボーカール録音にと重宝します
しかし反面、湿度管理においてはかなりデリケートです
とはいえ、使用後毎回デシケーターに戻したりは相当に面倒なので、常用するマイクは基本「出しっぱ」で使うことになりますが、そういう荒っぽい使い方に耐える、または耐えられなくて不調を来しても惜しくないかどうか、それがワタシにとっての1つの線引きとなっています

もちろん、配線や回路が腐食するほどの超高湿度でない限り、放置しても音が出なくなるようなことはまれですが、ノイズが乗ったり音にキレが無くなったりということは十分起こります
そんな環境に高額なマイクを放置したくない、でもマイクは手の届くところにいつもあって欲しい・・・そんなせめぎ合いの中でひいた「一線」なのであります

さて今回のX1Aはどっちに入るのか?
と~ぜん「出しっぱおっけ~」の領域なのでありますよ(笑)
ちなみにこれまでその領域に君臨していたのはBEHRINGER B-1でありましたが
しばらくは乾燥剤とともにおねんねしていただくこととなりました

音の感想


元々SEのコンデンサーマイクが気に入っていた理由は、全体的に音がタイト、かつ適度な密度感があるという部分でしたが、X1Aも基本的には似た系統といって良いです
ただ、少し厚みに欠けると言いますか、艶(つや)成分が薄いと言いますか、そこは値段なりの部分もあるので、EQやエフェクト等多少の味付けは必要かもしれません
しかし、1.3万円にNEUMANNを求めるのは酷というもの
少なくとも第一印象でワタシには「ダメ」とは思えませんでしたし、むしろコスパは良い方だなと感じています

一応購入記念と言うことで、録音を残しておきます
ただ、気合い入れて生音ってほどのことも無いので、ちょっぴりリバーブでお化粧してます
 ・Martin 000-15
 ・Goldenage Pre73jr



2022年12月16日金曜日

ついに再開!Elixirボーナスパック

おそらくコロナの影響と思われますが
2020,2021で見送られた年末恒例「Elixirの3セットパック」の販売がついに復活(みたい?)です

Elixirの3セットパック


まあ3セットをお得に買える、ということでは同じなので大きな問題では無いですが、例年とは少し違うこともあります

【パッケージの違い】
以前までの3セットパック販売は大きめの箱に3セット分の弦が収納されていました
ちなみにこの時の製品番号(フォスファーブロンズ12-53)は「#16545」でした
しかし、2022版はどうやら単品パッケージ×3のスタイルのようです
ただし、パックの種類や販売店によっては従来型パッケージという可能性もあります

【価格の上昇】
これについてはショップによって価格も異なるため、正確な話では無く感覚的な部分もあるのですが、例えばメジャーなchuya-online様のフォスファーブロンズ12-53の価格であれば・・・
 ○2018年:3980円(税込、送料込み)
 ○2022年:4724円(税込、送料込み)※2022.12.15現在
と700円以上高くなっています
それでも1セット1600円を切って、多少のお得感はあるのですが・・(笑)

また80/20ブロンズの価格だと
 ○2018年:3600円前後(税込、送料込み)※うっすらとした記憶
 ○2022年:4180円(税込、送料込み。ポイント573円)※さくら山楽器
ですが、Paypayポイント込みで考えれば、4年前とそれほど変わらない感じです

例年の3セットパック販売は4月頃に向けて徐々に値段が下がっていく傾向にあるので、今後の値動きはあると思いますが、今現在に限って言えば「80/20ブロンズの方がお得」と言えるかも知れません

3セットパックの種類


今後異なるパックも販売されるかも知れませんが、現在確認出来ているのは以下の4種類です
リンクは購入先の一例ですが、最安を保証するものではありませんので、実際にご購入の場合はご自身で価格調査をお願いします
ただ、Elixirは偽物が横行しているというのも事実・・あまり名前の通っていないショップでの購入は避けることをおすすめします

 ○#16052 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB PHOSPHOR BRONZE 12-53
   https://store.shopping.yahoo.co.jp/chuya-online/202163.html
 ○#16027 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB PHOSPHOR BRONZE 11-52
   https://store.shimamura.co.jp/ec/pro/disp/1/mt0138804
 ○#11052 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB 80/20 BRONZE 12-53
   https://store.shopping.yahoo.co.jp/shimamura/os0009131.html
   https://store.shopping.yahoo.co.jp/aion/elixir-11052bp.html
 ○#11027 BonusPack (2+1FREE) NANOWEB 80/20 BRONZE 11-52
   https://store.shimamura.co.jp/ec/pro/disp/1/mt0138806

なお、従来の3セットパック製品番号「#16545」(フォスファーライトの場合)は、今年はどのネットショップでも見当たりません
「待望の3セットパック販売再開」といっても、完全に3年前のスタイルと同じと言うわけではないのかも知れませんね

さて、


例年であれば、4月頃には売り切れとなり、それに向けて徐々に価格が下がるのですが、今回はどんな感じになるでしょうか・・・
しかし、確実に入手したい場合は動向を見守るよりも早目の購入が良さそうです

ん?わたしでしょうかw
今年はお得感の高い80/20ブロンズライトを少々買っちゃいました~~



2022年12月10日土曜日

ハンディレコーダー ZOOM H2n

2011年の発売以来、10年以上たった今でも現行機であり続けるロングセラーレコーダーです
私自身も購入から5,6年大変重宝したのでしたが、2年ほど前から致命的な不具合が発生し、ずっと使用不能となっておりました

ZOOM H2n


ちょっとユニークなかわいらしい外観、しかしその実態は「カワイイをかぶった狼」w

 ■最高で24bit、96kHzステレオ非圧縮PCM録音が可能という高音質
 ■XYステレオ、MSステレオ、2チャンネルサラウンド、4チャンネルサラウンドの
  4タイプのレコーディングモード
 ■オートゲインコントロールやコンプレッサーやリミッター、ローカットフィルター、
  MSデコーダーも内蔵
 ■2イン/2アウトのUSBオーディオインターフェイスやUSBマイクとして使用可能
 ■最新ファームウェア(Ver.3.0)を適用することで、SPATIAL AUDIO(空間音声)
  対応のUSBマイクとして、YouTubeの360°動画作成にも活用
 ■LINE IN端子、LINE OUT(HEADPHONE)端子あり

加えて、2万円を切る低価格!なんとも素晴らしすぎる
ユニークな外観も高級すぎずチープすぎずと言うことで、「気軽に使える」というとても重要な要素を提供してくれます


Rチャンネル録音できない・・・

2年ほど前だったでしょうか、突然右チャンネルにノイズしか入らず録音できなくなってしまいました
分解して原因を探って修理など出来ようはずも無く、乾燥剤とともにデシケーターで保管し、奇跡の復活を祈ったのですが・・1年経ち2年経っても願いは叶いませんでした

実はH2n本体とともにアクセサリーパックも購入していたのですが、本体が不調のままではその活用の道も閉ざされたまま、というわけで思い切ってオークションでジャンク品として処分することにして、こんな出品ページまで作成したのでした・・・

商品
説明 

【ジャンク品】ZOOM H2n+【完品】アクセサリーパック  

■ZOOM H2nについて
  ・X-Y録音モード時にRの音が録音できません
  ・2ch録音モード、4ch録音モード、MS録音モード同様です
  ・LINE IN 端子からはLRともに正常に録音可能です
  ・ファームウェアは最新の3.0です
  ・特に目立った傷や汚れはありません
  ・元箱及びH2n本体と2GBのSDカードが付属します
   電池は付属しません

■アクセサリーパック(ZOOM APH-2n)について
  ・欠品はありません
   三脚(数回使用、足の1本に気にならない程度のくぼみ有り)
   マイククリップアダプタ(数回使用)
   ウィンドスクリーン(未使用)
   リモコン(未使用)
   リモコン用延長ケーブル(未使用)
   ケース(未使用)
   USBケーブル(未使用)
   電源アダプター(未使用)

■H2n本体、アクセサリーパックともに簡単な除菌清掃をしています


出品前チェック、そして奇跡の復活

オークションをスムーズに完了するためには商品チェックが欠かせません
今回気になったのは「LINE IN 端子からはLRともに正常に録音可能です」の一文です
気持ち的には100%大丈夫なはずなんですが確認しておくにこしたことはありません

さっそくLINE IN端子にMP3プレーヤを接続して録音確認してみたのですがOKです
「よしこれで出品しても大丈夫」と安堵しつつ、ふと液晶パネルをみると・・・

なんとRチャンネルのレベルメーターが
正常に振れているではありませんか

それまで、ノイズだけだったのでほぼ一定値を示していたレベルメーターが、外部の音に合わせて振れています
そしてそれは、電源を何度オンオフしても、1日後に試してもずっと正常な状態を保ち続け、もちろんRチャンネルのマイク録音もなんの問題もありません

LINE IN端子へのプラグの抜き差しだけで復活!

なんだかキツネにつままれたような気分ですが・・・想像するに
H2nはLINE IN端子にプラグ接続すると内蔵マイクが無効に切り替わる仕様ですが、その切り替わりが何らかの原因で中途半端な状態となっていたのではないかと推察できます
しかしまあ、原因はともあれめでたく「奇跡の復活」となったわけで、オークションの出品は取りやめ、もうしばらく活躍してもらうこととしました

歓喜のテスト録音(笑)
まあ、喜びのまま録音してみただけなので荒っぽい(かなり適当な)ものです

H2nの魅力は、お手軽に多彩なステレオ録音が出来ることです
最新のファームウェアでは360度録音も出来るようですが、そこまでしなくとも単体レコーダーとして、USBマイクとして、とことん遊べるレコーダーです

以下は、アコギ生音をいろいろなモードで録音してみたものです
 ・X-Yモード:H2n単体録音
 ・MSモード:H2n単体録音
 ・2chサラウンドモード:USB録音

【X-Y録音】

【MS録音】

【2chサラウンド録音】


2022年12月4日日曜日

ラックリバーブ7種(2/2)

ここからは「ちょっと良いものが欲しくなった時期」の収集品w

中古とは言え5000円しないようなリバーブでもそこそこ使えるんだから、もう少し高い機材なら、「それはもう、気を失うほど良いのでは無いか」と、とても素直に考えた
・・・のであったw

④YAMAHA REV-100


2001年頃の発売で、もう20年前の機材です
AD変換もDA変換も16ビット、44.1kHzと、年代としてはやや非力ですが、
 ・MIDI制御可能
 ・選択したプリデットを番号で表示
 ・プリセットのエディット結果を保存可能
と、機能的にはちょっとだけ進歩的な香りのするマシンです
プリセット数は99、ただしメモリにユーザーエリアは存在せず、プリセットの変更と保存は、元々のプリセットに上書きされます


これくらいの機能&プリセット数になるとやはりマニュアルは必須です
前面パネルの構成はかなり単純ですが、プリセットによってつまみの役割が異なる等はマニュアルが無いとわからないです

【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬

「37:String Ensemble」(弦楽器等に適した広がるプレートリバーブ)を使用しています


⑤TC Electronic M350


もう少し新しいと思ってましたが、2007年発売とのことで、すでに15年経過するんですね
それでも、A/D 変換、D/A 変換ともに24 ビット、44.1kHz128倍オーバーサンプリングであり、低ノイズで透明感のある処理を可能としています


「デュアル・エフェクト・プロセッサー」との呼び名は、リバーブエンジンとディレイ&モジュレーションエンジンによるエフェクトをそれぞれ独立してルーティング出来るところからきており、2 つのエンジンは、別途に、または組み合わせて使用できる・・・・
とのことですが(笑)、私の場合は単純なギターエフェクトとして使えれば良いので、基本的にはシリアルルーティングでしか使っていません


多機能ゆえ使いにくいのでは?との懸念ももっともですが、前面パネルをご覧いただきたい
IOセクション、ディレイ&エフェクトセクション、リバーブセクションの3セクションに綺麗に別れており、リバーブだけならほぼ説明書無しでも使える簡潔さです
ディレイ&エフェクトセクションでもわかりにくいのは、「DELAY/TIMING」「FEEDBACK/DEPTH」の小さなつまみ2つだけです(ここは説明書読みましょうw)


【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
本機のみコーラス+リバーブの複合エフェクトとしてみました
コーラスは「SMOOTH CHORUS」で間違い無いのですが、どうやらうちのM350のリバーブセレクターは「白い筋」の位置がずれているみたいで、自分でも何を選んだのかが判然としません(笑)
NEARFIELDとなっているがHALL系にしか聞こえないw
中古だったからなあ・・・しかたないか

この時代のコーラスになると、ZOOM STUDIO 1201のような「なにこれ~変~!」なんてこともなく、普通に綺麗に聞こえますね


⑥Lxicon MX300


2010年発売、外観もスマートで現代的なので、これもまだ新しい製品と勝手に思っていたのにもう10年以上前の製品です
しかし、付属ソフトの使用環境がWindows8まで等々、落ち着いて考えればそこそこ昔の製品なんだと納得ですw
処理能力は、A/D 変換、D/A 変換ともに24 ビット、44.1kHz128倍オーバーサンプリングと、前出のM350とほぼ同じです
オーバーサンプリングのおかげかノイズもほとんど聞き取れません


操作性は・・正直あまり良いとは言えない(難しい、というよりは本当にめんどくさいw)

まず、前面パネルにDRY/WETのミックスつまみが無いことにお気づきだろうか
これは私の想像ですが、このマシンはどうやらミキサーのセンドリターンを基本としているように思えます
その場合、エフェクター側はWET100%で良く、DRYとのミックスはミキサーで行うため、頻繁にエフェクター側でミックスを調整することはありません
しかし、MX300を単品で使用する場合は、DRY/WETバランスがとても大事で、そのためにはいちいちエフェクト調整画面に移動し、調整、保存しなければならない・・・これがとても面倒です
  ※出荷時はほとんどのプリセットがWET99%となっています
   センドリターンならOKですが、単品使用の場合だと「めちゃくちゃな音」
   しかでません・・・これは要注意!!
もう一つは各エフェクトのパラメータ調整です
これはわかりやすく説明するのが難しいのですが、例えばリバーブで調整可能なパラメーターは10近くあるのに、MX300本体で調整できるのは3つ、それ以外のパラメーター調整のためにはノブアサインの変更が必要になる・・って具合です
実質的には制御ソフトである「MX-EDIT」が必須になると思います

【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬



サンプル音源の設定値

⑦Lxicon MPX110


2002年発売・・・そうか、もう20年前なんだ~
それでも、24bit、44.1kHz、自然でなめらかなリバーブです

操作性・・・あはは、LEXICONに「わかりやすく、使いやすく」との意識は希薄なのでしょうか(笑)
マニュアル無しでの使用は、まず不可能です
最大の要素は「ADJUST」ノブ、PROGRAMとVARIATIONの組み合わせによって「役割と動作が異なる」という凶悪な仕様で、マニュアル片手か頑張って暗記するかしかないですw

【サンプル音源】♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬

残念ながら、これは別のラックに組んであるので他機種と同一条件のサンプル音源が作成できません
以前に作成した動画があるので参考までにご紹介しておきます




まとめ


超高額なリバーブ機材のことは知らないので、そこは割愛しますが(笑)

ラックリバーブは年代が新しくなるほどに多機能となったり調整幅がひろがったりと「音作りの自由度」が広がってきます
そこで大事になるのが「明確な音のイメージ」と「調整能力」だとおもうのです
先に言っておきますが、私自身はその両方とも十分「へなちょこ」であります(笑)

ただ、自分の中で一番大事なのは「原音が遠くならないこと」、もっと具体的に言えば「明瞭なアタック感があること」です
そこが十分確保できていれば、残響自体は「濃厚で絡みつくような」でも「すっきりさわやか」でも、その時々に移ろう好みの中でどちらでも良いかなと思います

もう一つ重視するのは、残響の消え際が自然であること
これはパラメータで調整って訳にもいかないのでメーカーの考え方次第なのかも知れませんが、ラックリバーブでは「これ、あかん!」って思ったことはあまりありません
低価格のペダルリバーブでは残響時間を長くしたときに「あれ??」と思うものもありました

さて、ラックリバーブも最近はペダル型の高音質化や出来の良いプラグインの登場などでどんどん活躍の場が減っています
プロ用の高級機はいざ知らず、M350やMX300のような低価格の一般向けラックリバーブが軒並み販売終了となっているのも時代の流れと言えそうです

しかし、宅録はもちろん、ホームユースで可搬性や省スペースにこだわらないのであれば、逆に良い時代の到来なのかもしれません
以前は少しお高くて躊躇していたリバーブも中古で手に入れやすくなるかもです

家にPAが無くても、
プリアンプ▶リバーブ▶オーディオセットで
とっても幸せな気分に浸れます