2022年3月26日土曜日

オーディオインターフェイス Steinberg UR44

まあね、コレクターと言われても・・言い訳できないw

Steinberg UR44


ずっと興味があったが、新品価格がそこそこするので、安い中古品がでるのを待って入手
別にSteinbergフリークというわけではないが、
同じSteinbergのur22mk2が、なんというか、まあ私自身の無知も原因だったけど、思ったような動作をしなかったことで「も少し上位機種ならどうなんだろう?」という素朴な疑問が、入手の理由であります


【主な特徴】

■バンドレコーディングやライブで活躍する充実の入出力
『UR44』は、192kHz対応6イン/4アウトの入出力を備えています。6インのうち4つの入力端子は、TRS/XLRコンボジャックとしており、コンデンサーマイク用 48V ファンタム電源に対応しています。さらにInput 1と2はHi-Z対応のため、エレキギターやベースをダイレクトに接続することができます。

■24-bit / 192 kHz
オーディオプロダクションにおいて最初の重要なステップであるアナログ / デジタル変換。UR シリーズでは、最大サンプリングレート 192 kHz、24ビット解像度の AD / DA コンバーターと、最適なハードウェアコンポーネントを搭載。

■音楽制作時に役立つDSPミキサーとエフェクトを搭載
3つのDSPエフェクトを搭載しています。リバーブ「REV-X」、チャンネルストリップ「Sweet Spot Morphing Channel Strip」、ギターアンプ「Guitar Amp Classics」を用意しており、レコーディング時に遅れを感じないモニタリング環境で使用できるだけでなく、同種のVSTプラグインも付属しているため、レコーディング後のミキシングの際に、レコーディング時と同様の設定でエフェクト処理を行うことも可能です。

■ストリーミング配信に便利なループバック機能
「ループバック機能」は、インターネットの動画配信などに便利な機能です。本体の入力端子に入力されているオーディオ信号(ライン、ギター、マイクなど)と、コンピューター内で使用中のソフトウェアから再生されているBGMなどのオーディオ信号を本体内で2チャンネルにミックスし、コンピューターを通じてインターネットに配信することができます。

■iPadにも対応し、スマートな音楽制作環境を実現
WindowsやMacだけでなく、iPadとの接続にも対応しています。※iPadとの接続には、「Apple iPad Camera Connection Kit」または「Lightning - USBカメラアダプタ」が必要となります。

■Cubase AI ダウンロード版バンドル
Cubase をベースに、作曲 / 録音 / 編集 / ミックス機能を凝縮した Cubase AI のダウンロード版ライセンスを付属。すぐに音楽制作をはじめられます。

接続端子:MIC/HI-Z(コンボジャック)×2、MIC/LINE(コンボジャック)×2、LINE INPUT ×2、LINE OUTPUT×4、MAIN OUTPUT×2、MIDI IN/OUT、PHONES OUT×2、USB端子×1
サイズ・質量:252W × 47H × 158D mm・1.6 kg
同梱品:電源アダプター、TOOLS for UR44 CD-ROM、はじめにお読みください、セットアップガイド、Cubase AIダウンロードインストラクション、Basic FX Suiteライセンス、USBケーブル

■動作環境
 最新のファームウェエア&ドライバーで以下に対応
  ・Windows 10 / 11
  ・macOS 10.13* / 10.14* / 10.15*
  ・macOS 11.x** - Intel / Apple silicon (Rosetta 2)

ツールのダウンロードとインストール


ツールはSteinbergのダウンロードページ「TOOLS for UR44」からダウンロードします
ツールには以下が含まれます
    ・Yamaha Steinberg USB Driver V2.0.4
    ・Basic FX Suite V1.1.4
    ・Steinberg UR44 Applications V2.2.2:
        Steinberg UR44 Extension V2.1.1
        Steinberg dspMixFx UR44 V2.2.0
    ・インストールガイド、オペレーションマニュアル
解凍後にsetup.exeを実行してインストールします
なお、dspMixFx UR44はUR44専用ですが、ドライバ自体はURシリーズ、UR-Cシリーズとも共通のようです


基本的な使い方


前回紹介したUR816Cと基本的には同じ使い方です
UR44使用上の様々な設定は「dspMixFx UR44」で行います

一度設定すると、dspMixFx UR44を落としても、UR44の電源を落としても設定内容はUR44内に保持されています


UR44の「ループバック」
これも機能的には前回ご紹介のUR816Cとほとんど、いえ全く一緒です
世間一般が考える「ループバック」が「PCの音声を配信にのせるための機能」なのに対して
Steinberg UR44では、以下を「ループバック」と呼んでいます
PCからのループバック音声とdspMixFxの全機能をステレオミックスする」

ですから、ループバックが無効の状態では、OBSのように基本的に1,2チャンネルしか扱えないソフトウェアでは、1chにマイクをつないだだけなら左側からだけの音声配信となってしまいます

実は、SteinbergのUR22mk2が、思ったような動作をしなかったというのはこのことで、
私は、マイクを1chに差そうが2chに差そうが自然にLRセンターからの音になると思い込んでいたのでした
UR22mk2にはミキサやエフェクトが内蔵されていませんのでdspMixFxも無く、対応策としてはドライバで「モノラル」とするくらいでしたが、「え~モノラルかよ」とちょっとガッカリしたものでした
  ※しかしこれ、よく考えればガッカリ等することはないわけです
   マイク1本なら自ずとモノラル音声だから、ドライバをモノラルにして
   LRセンターから音が出ればそれで良いし
   マイク2本ならモノラルでもステレオでも好きな方にすれば良い
   ミキサーなどのステレオ機器を前段につなぐならステレオに設定すれば良いだけ
   まあ、この意味も無い「ガッカリ」が無知のなせる技か・・・と(^0^;)

音切れ対策

当初、デスクトップ機(intel core i7-6700)ではなんの問題も無く録音が可能でしたが
UR44をノートブック(intel core i5-M560)に付け替えたとたん、数秒おきに音切れが発生し使い物になりません
 ※UR44のヘッドホンアウトの音は音切れしません、音切れは録音ソフトの
  録音音声を再生するとすぐにわかります
SteinbergのHPでは「ノイズ、音切れ対策」として以下のように書かれていますので、実際にやってみました

★ 対策1:最新版のYamaha Steinberg USB Driverのインストール
 →最新版に更新済
★対策2:Windows Updateの実施(Windowsの場合)
 →実施済 
★対策3:コンピューターとCI / UR / UR-RT /UR-C シリーズの物理的な接続の確認
  ※「USB3.0」ポートを使用しているためにノイズが発生しているケースがある。
 →これは重要、音切れが解消した
★対策4:コンピューターの省電力設定の確認(Windowsの場合)
 →特にやっていない 
★対策5:Windows 10 のUSBセレクティブサスペンドを無効にする
 (Windows 10 1903以降)
 →特にやっていない 
★対策6: コンピューターの動作設定の変更(Windows OSのみ)
  「プロセッサスケジュール」の「バックグラウンドサービス」を優先にする設定方法
 →特にやっていない 
★対策7:グラフィックボードの設定変更やグラフィックドライバーの更新
 グラフィックボードのドライバーを最新版にすることや、設定変更で改善する場合がある
 →特にやっていない 
★対策8:「バッファーサイズ(Buffer Size)」の変更
 →対策3の実施前はBuffer Size=1024にしても音切れしたが、
  実施後は128でも音切れしない
★対策9: サンプリングレートを確認する
 →対策3の実施前は44.1kHzても音切れしたが、実施後は48kHzでも音切れしない
★対策10:USBハブなどを経由して接続している場合は、直接パソコンと接続
 →対策3の実施前は直刺しでも音切れしたが、実施後は音切れしない
★対策11:バックグラウンド動作するソフトウェアを可能な限り終了
 →特にやっていない (現実的対応ではない)
★対策12:WiFiルーターや携帯電話などを離してみる
 →特にやっていない 
★対策13:インターネット接続を一時的に停止する(ネット回線からのノイズ)
 →特にやっていない 
★対策14:不要なアプリケーションの終了
 →特にやっていない 
★対策15:プロセッサのバックグランドサービスの優先設定
 →特にやっていない 

これだけたくさんの対策をSteinbergが用意したということからも、どれだけ問い合わせやクレームが多かったかと想像できるのですが、今回の切り札は「対策3:USB2.0ポートに接続」でした
USB3.0は2.0の上位互換だから別にかまわないじゃない?、いやむしろUSB3.0の方が良いのでは??なんて当然思うのですが、素人の知らぬ事情も色々あるものです(笑)

ただ、今回はUSB3.0をUSB2.0に差し換えただけでた解決しましたが、USB2.0ポートのないノートパソコンが有るとすれば・・・その場合は「よくわかりません!」

iosでの使用
本体背面の「CCモードスイッチ」をオンにすることでipadやiPhoneでも使用可能です


しかしこの場合、UR44本体に保存された「dspMixFx UR44」の設定はすべて無効になります
iOS機器でUR44の全チャンネルを使用するには、cubase LE等のアプリが必要となります
cubase LEは、UR44を接続しないと機能制限モードとなりますが、UR44の接続によって解除されます
しかし、エフェクト等の使用に関してはアプリ内課金があるようナノでご注意ください

使い勝手
PCでの使用は「dspMixFx」の存在もあって快適です

シンクルーム等の環境ではループバックを無効にする必要がありそうで、
このため、全チャンネルミキシングやエフェクトの使用は出来なくなりますが
 ・シンクルームの設定でモノラル音声化する
 ・1,2chに2本のマイクを使用してステレオ音声として扱う
 ・1,2chに別途ミキサーを接続する
等で対処するしかなさそうです

また、UR44という名称通りの4in4outではなく実質的な6in4outなのも便利です
別の機材(ミキサーやオーディオプレイヤー等)を背面にライン接続しても
マイク4本(前面端子)の使用が可能です

音の感想
基本的にはUR816Cで書いたとおりですが

悪い印象はないのですが、あえて書けば「上品」w
ややすっきりと線の細い印象はあるものの帯域的な欠落感も盛り過ぎ感もなく、
しかしその分、聞きやすい音と言えば良いのでしょうか、まあそんな感じです

ただし、これはアコギとかも含めたYAMAHA全体に対するイメージみたいな話
私には、オーディオインターフェイスの音をあーだこーだ言えるような耳はないので
他社製品との違いについても正直言ってよくわかっていません
そんなわけで「YAMAHAの音のイメージが優先」してしまうというのも致し方なし・・・
ともいえそうです(^0^;)

まとめ
マイクを5本以上使用する必要がないのであれば「これで十分」と感じます
個人の宅録であれば十分なのではないでしょうか


2022年3月20日日曜日

オーディオインターフェイス Steinberg UR816C

あはは、すでにオーディオI/Fコレクターと化したとしか思えぬ
とはいえ、高級品を買う財力はナシ

Steinberg UR816C


Steinberg製品のうち、UR-Cシリーズの中ではフラグシップとなる機種
もちろん、製品群の中にはAXR4Uなんて高級機もあるので、Steinbergの中で一番!って訳ではありません
発売からすでに3年ほど経過するので、最新機種とも言えませんし、サウンドハウスでは販売終了となっていますが、まだ現行機種です
もう、オーディオI/Fも「取り付けるPCがない」って事態となってますので、
「興味」以外の購入動機はないのですが、とりあえず買ってみましたw


■最大32bit録音再生可能
 32bit整数の圧倒的な情報量により演奏を正確に捉え音のディテールを再現します。
 また、32bit/192kHz録音再生に対応したCubase AIが付属(ダウンロード)
 していますので、購入してすぐにハイレゾの音源制作を始められます。

■USB 3.0(USB Type-C)対応
 USB Type-C端子を装備するだけでなく、USB 3.0 (USB 3.1 Gen 1)
 SuperSpeedモードに対応。転送速度や電源供給量が増すUSB 3.0(Type-C)は
 高音質や高機能を実現するUR-Cの原動力となっています。

■dspMixFxテクノロジー対応
 レイテンシーフリーのモニタリング環境やDSPエフェクト処理を実現する
 dspMixFxテクノロジーが利用できます。
 CubaseでのDSPの操作は、最も頻繁にアクセスするプロジェクトウィンドウの
 インスペクターから行え、Cubase起動時にdspMixFxミキサーアプリケーション
 での操作も可能です。

■その他特長
 ・新開発のカスタムチップ「SSP3」によりDSP処理能力アップ
 ・「SSP3」と最新ドライバーの組み合わせによりレイテンシーを低減、また安定性も向上
 ・ヘッドホンアンプの出力向上
 ・ダークグレーと黒のツートンで落ち着いた雰囲気に仕上げた外観
 ・大型化、周りにLEDを採用で、暗い空間でも音量調整がしやすいボリュームノブ

◇『UR816C』
 ・奥行きがコンパクトになり、モバイル性が向上
  (「UR824」:275mm →『UR816C』:225.8mm)
 ・デジタル入力段に、独自のジッターリダクション機能「SSPLL」搭載
 ・デジタル出力の8chマイクプリとして使用できる「HAモード」搭載

ドライバ&ツールのインストール
Steinbergのサイトからダウンロード、インストールします
ダウンロード | Steinberg

このサイトにはいろいろダウンロードできるものがありますがWindows10,11なら
とりあえず「TOOLS for UR-C」のみでいいでしょう
ドライバもツールもオールインワンとなっています


基本的な使い方は・・・

外国製品じゃないし、日本語マニュアル有るし・・・・(笑)
そこら辺は自力でなんとかしてみましょう
ただ、基本とはいいつつ、本体だけではできない操作もあるので、上記でインストールした「Steinberg dspMixFx UR-C V1.5.0」は必須であると、とりあえず言っておきます

本体ではできない操作・・それは
 ・各種エフェクトの使用
 ・全チャンネルのミキシング操作(パンやミュート、ソロを含む)
 ・背面のラインアウトへのルーティング
 ・隣り合うチャンネルのステレオリンク
 ・ループバックの有効/無効切替  等々

ついでに、逆に本体でしかできないことをあげれば、以下のとおりです
 ・ファンタム電源のオンオフ
 ・各チャンネルのゲイン操作
 ・ヘッドホン出力の調整
 ・背面のメインアウトのミュート 等々


ミキシング画面

ルーティング画面

Steinbergの「ループバック」の怪
いえ、けっして悪口ではないのですが、ライブ配信をする人には特に知っておいてもらいたいお話で、このことを知らないと、
 「マイクの音が片耳からしか聞こえない」とか・・・
 「マイクの音が出ない」やら・・・
という事態に遭遇して下手すると「これじゃ使えないよ」ってことになってしまいます
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さて、どこからお話しすれば良いか、これがなかなか難しいのだけれど・・・
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ライブ配信サイトは、ツイキャス、spoon、17LIVE等々、最近では本当に多いのですが
話をパソコン配信に絞るとするなら、方法は以下の2つに大別されます
 ①サイトが用意した配信ページから配信を行う
 ②OBS等の外部配信ツールを使う

ただ、どちらにしても音声デバイスを設定する必要があります
このときMOTUのようにドライバ選択で「MIXアウト」を選択できれば問題ないのですが、SteingbergのURシリーズやUR-Cシリーズのように「ライン(Steinberg UR816C)」といった選択肢しか選べない場合、基本的に①であれ②であれ、

多チャンネルのオーディオインターフェイスを使っても1,2chしか利用できません

例えば、1chにだけマイクをつないだ場合は左側からしか音の聞こえない配信になるし、3chにマイクをつないでいれば音そのものが配信に乗らないことになります
ライブ配信では実によく見かけるシーンです
 ※)多チャンネルのオーディオインターフェイスの音を各チャンネル個別に扱えるのは
   cubase等のDAWソフトウェアだけ、と考えておいた方が無難です

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で、ここからは私の購入動機にもつながる話ですが、
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SteinbergのURシリーズではUR242とUR44、UR-Cシリーズでは全機種で
上記の「dspMixFx」が使用可能です

「ソフトウェアミキサー使えるなら何も問題ないよね!!」
 
とは思えど、なにぶんこの手の機材は実機を使ってみないとわからないことが多い
ってことで、購入してみたわけですが・・・・え゛~~~~?

dspMixFx使っても1,2chしかOBSで音声が使えないじゃ、あ~りませんか

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さてここで、よい子はマニュアルをちゃんと読んでみるわけであります
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でもね、まあ当たり前ですが「OBSで全チャンネル使う方法」なんて有るわけがない(笑)
しか~し、こんな説明書の中でこんな簡易版ブロックダイヤフラムもどきが目に入った
 ※赤、青、緑の着色は私がしたものです

マイク等からの入力信号の流れは基本的に赤着色です
当然ながらOBSのように基本的に1,2チャンネルしか扱えないソフトウェアでは、1chにマイクをつないだだけなら左側からだけの音声配信となります

しかし、USB経由でPCに音声を渡す前に、青着色ブロックからの線が来てます
そしてその交点には「LOOP BACK」の文字・・もしかしてループバックを有効にすれば全チャンネルのミックスアウトがOBSでも使えるのかもです

案の定・・・でありました
ループバックモードを「Live Cast」に変更するだけでOBSでもミックスアウトが使用可能、かつエフェクトも有効となりました


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さてしかし、どうも釈然としないのが「ループバックの怪」なのです
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世間のおおかたが理解する「ループバック」とは
上記、簡易版ブロックダイヤフラムの緑着色部分なのでありまして、「PCの音声を配信にのせるための機能」です
それが、Steinbergでは、以下を「ループバック」と呼んでるみたい
PCからのループバック音声とdspMixFxの全機能をステレオミックスする」
そんなことは取扱説明書のどこにも書いてないし!💢

まあこの辺はメーケーの考え方次第でしょうけど・・・ちなみに取説の記載は以下のとおり、これではわかるわけないよねえ
  ■ループバックとは(取説P.11)
   |インターネットの映像配信などに便利な機能です。本体の
   |入力端子に入力されているオーディオ信号(ギター、マイ
   |クなど)と、コンピューター内で使用中のソフトウェアか
   |ら再生されているオーディオ信号を本体内で2チャンネル
   |にミックスし、コンピューターに戻します。

ループバックの注意点
これはUR816Cに限った話ではないのですが
例えばOBSでオーディオインターフェイスの信号を「モニターする」としていた場合は、ループバックの有効化で無限ループが発生することがあります

またシンクルームのような参加者間の双方向通信環境では、ループバックが有効な状態で入室すると他の参加者に盛大な「山びこ」をプレゼントすることになります
このことには十分な注意が必要です

使い勝手
欲を言えば、ゲイン調整等本体パネルでしか操作できないことも含めて、すべての操作をdspMixFxから設定できれば良かったかな
でも、背面メインアウトのミュートスイッチが前面パネルにあるのはすごく嬉しかった
総合的には、使いやすいといって良いと思います

少し不満なのはファンタム電源の供給が、1~4ch、5~8chの2系統でオンオフされることです
1chにコンデンサーマイクを使ってしまうと、2~4chにダイナミックは接続しない方が良いのでちょっと不便!できれば各チャンネルごとのオンオフが良かった

それともう一つ、付属のUSB3.0ケーブル・・・1mは短すぎ!!w

音の感想
ループバックのことで力を使い果たしてしまったw

簡単に言えば、入門用のAGシリーズ、ミキサーのMGシリーズ、音楽製作&配信用のUR-Cシリーズを通して似た系統の音と感じます
悪い印象はないのですが、あえて書けば「上品」w
ややすっきりと線の細い印象はあるものの帯域的な欠落感も盛り過ぎ感もなく、聞きやすい音と言えば良いのでしょうか、まあそんな感じです

でも、以下の2つは「かなり良い!」と感じたので一応書いておきます
 ■PC音声の再生音
 ■ヘッドホン出力の音

まとめ
意外に用途を選ばずオールマイティに使える!という印象です
ただ、「ループバック」の機能を正しく理解しないと、
一気に「DAWによる音楽制作用」って用途に限られてしまいそうなので要注意です
ライブ配信にも十分使えます!w

ミキサーやエフェクトが使用可能なこともあわせて
「音質や機能が上手くマッチして総合的に使いやすいオーディオインターフェイス」
と思っています

ちなみに「dspMixFx」で行った設定は、
ソフトウェアを落とした後も、UR816C内に保存されていて有効ですので
ずっと起動しておく必要はありません

2022年3月14日月曜日

内部探訪 Breedlove American Series D25/SRe

内部探訪シリーズも超久しぶり!
360度カメラ、リコーシータもあまりに使わなさすぎて、
マニュアルで使い方をおさらいするという(笑)



Breedlove American Series D25/SReは購入後一度も弦交換してなかったので、
弦交換のついでに撮影してみました(青い物体は撮影のためのライトです)

まず目につくのはブリードラブ独特の「Bridge Truss」です
Aポジションの方が見やすいですが、普通のギターにはないブリッジ下の物体
それが「Bridge Truss」

次に目立つのはアンセムとその配線(笑)
ごちゃごちゃしてて、ギターの内部を見るには邪魔ですが
ブリッジの下にマイクがありついているのは、実ははじめて目にしましたw

少し驚いたのは、配線を底面固定していることです
ピックアップの配線はエンドピンジャックまでサイド配線かと思ってました
このアンセムは型番に「e」の文字があるのでエレアコ仕様ですが、
当初はアンセムではないはずなので換装のはずです
中古購入なので換装がプロの仕事かどうかはちょっとわかりませんが
これが正しい配線なのでしょうか・・・とはいえやり替えるのも面倒ですけど(笑)

ブレーシングはいろんなものが邪魔でよく見えませんが
スキャロップドXブレーシングだろうと思われます
またXの交点がサウンドホールに割と近いので、近年のマーチンのような
フォワードシフトという形なのかも知れません

【Aポジション】


Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA


【Bポジション】


Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA


+ボタン:画面拡大  -ボタン:画面縮小
※ボタン:画面初期化  外面ドラッグ:画面回転

Aポジション              Bポジション

2022年3月8日火曜日

MOTU制御ソフトCueMix DSPの超々基本

 ええ、人様に解説なんてものではなく、ただ自分用のメモであります
超々基本=それくらいしか知らない・・・ということでもありますw

CueMix DSP


MOTUの制御ソフトは製品に応じて何種類か存在するようですが、「各種エフェクトの操作が無い」という意味では、最も単純なものといって良さそうです
基本的には8入力のミキシングソフトと考えればいいかな


画面の拡大縮小

CueMix DSPのインストール時には8chのうち6chしか表示されません
8ch全部を表示するには画面右下をドラッグして拡げます
しかし、該当部分にカーソルオンにしてもマウスカーソルが「拡縮表示」に変わったりはしないので、「できないのか~~?」なんて焦らないように(笑)


入力コントロール

【TRIM】いわゆるゲイン(GAIN)
  XLR入力に対しては+48dB、フォン入力に対しては+39dBのゲインを与えます
  ただし、専用のマイクプリのように+60dBとか+70dBほどのゲインは無いことに少し
  注意が必要です
  「SHURE SM58をXLR接続」の場合、トリムmaxでオンマイクならまあなんとか
  大丈夫って感じですが、出力(感度)の小さなダイナミックマイクの中には厳しい
  ものがあるかも知れません
【PAD】-20dBのパッドスイッチ、ライン入力を行う場合に使用することがあります
ø】位相切替スイッチ
【48v】ファンタム電源のオンオフスイッチ
【MONO/STEREO】:STEREOの場合1-2、3-4、5-6、7-8がステレオリンクします
  画面右側がステレオリンク状態を示します、GAINはLR別々に機能します


出力コントロール

【PAN】モノチャンネルの定位を左右に変化させます
【BAL/WIDTH】ステレオリンクチャンネルの場合にのみ機能します
  BAL:左に回せば右チャンネルの音量が低下し、右に回せばその逆となります
     ただし、左右チャンネルの定位は変化しません
  WIDTH:ステレオイメージの広がりを設定します
     右一杯(値128)で元のステレオイメージ通り、左一杯(値0)でモノラル
     イメージとなります
【フェーダー】各チャンネルの出力を決めます
【SOLO】ボタンを押したチャンネルのみが有効となります
【MUTE】ボタンを押したチャンネルを無効にします(SOLOよりも優先します)


その他のコントロール

【対象選択】上記の「出力コントロール」が以下のどちらに対するものかを設定します
  ・Main 1-2:背面のメイン出力
  ・Phone 1-2:ヘッドホン出力
【マスターフェーダー】ミックス全体の出力を設定します
【マスターミュート】ミックス全体のミュートを設定します
【ミックス選択】
  「出力コントロール」全体の状態(8ch分)をまとめて「ミックス」と呼び、
  CueMix DSPではこのミックスを4つまで設定(記憶)することができます
  ライブ配信用設定とか録音用設定とかを個別に状態記憶可能と考えれば良いです
   ※ゲイン等の入力コントロールの状態はミックスには含まれません
【その他】青枠で囲んだ部分は通常の場合不要なのでここでは説明を省略します 


ループバックの有効/無効切替

Windowsソフトウェアでドライバ選択を「MIX 1 Return 1-2」としているとき
デフォルトではループバックが有効になっています
これを無効にするにはFileメニューのプルダウンにある下図の赤矢印のチェックを外します
再度チェックをONにするとループバックが有効となります


CueMix DSPで可能なその他のこと

CueMix DSPでは以下のような分析も可能ですが・・・全部説明してると大変なので(笑)
ヒマでヒマで仕方が無いときにでも英文マニュアルと格闘してみましょう
実は「その他のコントロール」で説明を省略した「スコープチャンネル設定」は、以下の分析にどのチャンネルの音を送るかを設定するものです

【FFT分析/スペクトログラム】
リアルタイムの高速フーリエ変換(FFT)周波数測定曲線を表示します


【オシロスコープ】
時間の経過に伴うオーディオ信号の振幅をグラフ化します。振幅はy軸に表示され、時間はx軸に表示されます。
太い白い縦線は、時間がゼロに等しい場所を示し、太い白い水平線は、振幅がゼロに等しい場所を示します


【X-Yプロット】
ステレオオーディオ信号の振幅を2次元グリッドにグラフ化します。
時間の単位ごと(つまり、各サンプル)、左チャネルの振幅がx軸に表示され、右チャネルの振幅がy軸に表示されます。


【位相解析】
直交座標または極座標のいずれかで、ステレオ信号の周波数対位相差対振幅をグラフ化します。
直交座標では、縦軸は周波数を表し、横軸は左チャネルの位相から右チャネルの位相を引いたものを表します(ラジアンで測定)。
極座標では、半径は周波数を表し、+ y垂直軸からの角度(シータ)は、左チャネルから右チャネルを引いた位相差を表します。


【チューナー】
ギター等、楽器のチューニングも可能です


2022年3月2日水曜日

オーディオインターフェイス MOTU 8pre USB

正直言えば、好奇心で買ってしまったのだけど・・
まあ使い道はこれからゆっくり考えればいいかと(笑)

MOTU 8pre USB


2013年の発売からすでに9年近く経過しますが、
未だ新品販売があるという超ロングラン製品です
その前身となった8pre(FireWire接続)がUSB接続となってリニューアルしたもので、
基本的には接続規格が変わっただけと(私は)認識しております


    ■高性能マイクプリアンプを8基装備したオーディオインターフェイス /ADコンバータ
    ■USB接続対応
    ■Mac & PC 対応
    ■16イン / 12アウトの仕様
    ■TRS フォーン端子のアナログ入力、または Low-Z XLR マイク入力
    ■各入力チャンネルにファンタム電源切り替え、PADスイッチ、トリムコントローラ搭載
    ■バランス/アンバランス、24bit 192kHz
    ■8チャンネルADATオプティカル入出力(最大24bit /96kHz)
    ■MIDI入出力(スルー機能搭載)
    ■AudioDesk(フリーダウンロード)
    ■Mac OS X専用の24bitレコーディング&編集が可能なDAWを同梱。
    ■内部32bit演算処理による高音質ミックス、編集、マスタリングを可能
    ■国内100v 50/60電源自動切換え

使い勝手
8pre USBを使用するには、まずドライバ&ツールのインストールです
この点、発売から9年近いというのに最新のドライバの提供が継続しているのは、さすがMOTUというか、大変ありがたい
もちろんWindows11でも使用可能です

【ドライバ&ツールのダウンロード】

まずはDownload | MOTU.comにアクセスし「Find downloads for your product」で
 ・Product categoryを「Audio Interface」
 ・Select your productを「8pre USB」
とすればMac、Windows用の最新ドライバ、マニュアルがダウンロード可能となります
なお、8pre USBの制御ソフト「CueMix DSP」は、ドライバインストーラーの中に含まれるので、別途ダウンロードは不要です
ユーザーガイドは英文しかないのですが・・・無いよりマシです(笑)

ダウンロードページには「CueMix FX TouchOSC Layouts」というのもあるのですが
どうもこれはiOS用みたいなのでWindowsのかたは不要と思われます

【ドライバ&ツールのインストール】
もし可能であればインストール前に古いオーディオインターフェイスのドライバが残存しているようであればアンインストール後に再起動してからインストールした方が、トラブル回避になにかと良いかも知れません

インストールはダウンロードした「MOTU Audio Installer (89606).exe」(89606は変更あるかも)を実行するだけです
途中特別な分岐点やシリアルの入力などは一切ありません
完了後、しなくても大丈夫かも知れませんが一応のおきまりとして再起動後、8pre USBをUSB接続すれば使用可能となります

【PCとの接続
基本的にUSB2.0機器ですが、USB3.0ポートかつハブ経由の接続でも可能です
しかし、場合によっては不安定になることもあるので、安定を求めるのであればUSB2.0ポートに直刺しが好ましいです
また、接続後の起動順ですが「PC起動後に8pre USBを電源オン」というのが良さそうです
これといった理由はないのですが、そうしないと動作がやや不安定なときがありました

制御ソフト「CueMix DSP」】
本体だけでも十分使えるのですが、「CueMix DSP」がとても便利です
ドライバのインストールと同時にインストールされます
また便利なだけでなく以下の操作は本体ではできないので実質的には必須です
 ・異なる4つのミックス(各チャンネルの状態)を記憶
 ・出力フェーダー(ゲインは本体でも設定可能)
 ・ステレオリンクの設定
 ・パンの設定
 ・ミュートやソロの設定


ただ、このソフト(もちろん本体でも)ではどうしようもないことが1点あります
それは「PC音声の調節及びミュートができないこと」で使い勝手としてはかなり減点です
たとえばPCの音声を「スピーカーからはオフ、ヘッドホンではオン」てことができない
やりたければスピーカーの電源を切るしかない・・・え~~~w

しかたがないから、スピーカーの電源コードにオンオフスイッチを取り付けましたが
こればっかりは納得できん!💢

ちょっと嬉しい使い方】
以前ZOOM UAC-8を買ったとき一番ガッカリしたのは
OBSやAUDACITYのように1,2チャンネルしか使えないソフトには
8チャンネル分のミックスを送れないこと(要は1,2チャンネルの音しか送れない)

その点8pre USBのドライバは以下の選択が可能となってることが素晴らしい
 ・MIX 1 Return 1-2
 ・MOTU Analog 1-2
 ・MOTU Analog 3-4
 ・MOTU Analog 5-6
 ・MOTU Analog 7-8
そう、MIXを選べば8chのミックスアウトをOBSでも扱えるということです

だがしかし、良いことばかりではない・・・・・(笑)
MIXを選ぶともれなく「PC音声のループバックもついてくる」のであります
一般的な配信では別にまずくはないのですが
SYNCROOMなどでは盛大に山びこがかえってくる可能性大です
その場合は「MOTU Analog 1-2」を選べば良いのでしょうが・・・めんどくさいし
 ※これについては回避策があります(次回の記事で詳述します)

【注意点など
制御ソフトの名称が「CueMix DSP」なのでなんとなくDSPエフェクトも入ってるのかと、淡い期待もあったのですが、エフェクトはおろかEQやコンプなどチャンネルストリップ的なものも入っていません
音質調整やエフェクトが必要な場合は別途機材を用意するか、DAW側で処理する必要があるのでそこは注意が必要です

【OBSやAUDACITY等のソフトで音が拾えないとき
ドライバで「MIX 1 Return 1-2」を選択しているとき
サンプリング周波数やビット深度がwindowsの設定と整合しているのを確認しても
OBSやAUDACITY等のソフトで音が拾えないことがあります
この場合は、下図の赤矢印のチェックをオンにしてみます
 ※ドライバ&ツールのインストールで自動的にインストールされる
  「MOTU Audio」を起動した画面です
VISTA以降のWindowsでは「waveRT」が実装されているようなので、基本的には2つのチェックボックスは2つどもオンの状態で使いますが
DAWの使用時に不具合が起きるようなら赤矢印のチェックをオフにします


音質など
MOTUはこれまで使用経験はありませんが、音のイメージとしては引き締まったスッキリ系と想像していました
しかし、実際はマイク音、PC音ともにどちらかと言えば豊かさを感じ、端的に言えば「相当良い音」にきこえます
これまで低価格のオーディオインターフェイスを使っていたPCでの比較だから、という部分は否めませんが、安物のパワードスピーカーが生まれ変わったように良い音で鳴っています

この8pre USBはMOTUの製品群の中ではけっして高級品ではありませんが、これを地力というのでしょうか、私の粗末な耳は十分喜んでいます

まとめ
新品価格だと8万前後、中古価格でも4万円前後している8pre USBが、メルカリで1.8万円という衝撃価格で出ていたのを思わずポチしたブツでしたが、結果的には大満足です

ただ、マイクプリとしてはともかく、USBでのPCとのやりとりについては上記したようにいろいろ解せぬところもあります
コントロールルーム(卓側)とライブルーム(演者側)の会話を可能にする機能などを見ると、基本的にエンドユーザー用ではなくプロユースを前提としてると思える節もあるので、個人の宅録やライブ配信とはスタンスが異なるのかもしれません

それにしても、この手の製品は、実際に手に取らないとわからないことが本当に多いです
賭けの要素も大きいのですが、その分楽しめる・・・ともいえそうです

【DAWで使いたい方】

録音作業がある場合、スピーカー(メインアウト)が邪魔になるとき、スピーカーを切る(電源オフorボリュームゼロ)か、物理的に8pre USBとの接続を切るかしなければなりませんが、DAWでの作業自体は問題無くできると思います

【ライブ配信で使いたい方】
マイクがスピーカーアウトを拾うとハウリングするので、上記同様スピーカーを切る作業が必要になります
また、SYNCROOMのような双方向配信ではループバックが他の参加者の迷惑になる可能性が高いので、MIXアウトをAnalog1-2等の出力に変更する必要があります

【宅録で使いたい方】
LINE録音のみの場合は何も問題ありませんが、MIC録音の場合はやはりスピーカーを切る作業が必要です
ドライバーの設定を「MIX 1 Return 1-2」にしておけば、8chのステレオミックスをOBSやAUDACITYのような2chしか扱えないアプリでも録音可能です
ただし、うちの環境ではOBSでの録画時にプツプツというノイズが入りました、原因は不明ですがAUDACITYでは問題ありませんでした

【マイク使用時の共通した注意点】

マイクプリのゲインは、XLR接続時で+48dB、フォン端子接続時で+39dBと、かなり非力ですので、低感度のダイナミックマイクを使用する場合は別途マイクプリが必要になる場合があります


次回は制御ソフト「CueMix DSP」の
超簡単(手抜き?)説明をしようと思います