2021年9月30日木曜日

コンデンサーマイク AKG C5

 最近ちょっとハンドヘルドのコンデンサーマイクに凝ってますw

AKG C5


AKGのハンドヘルドコンデンサーマイクには、C5、C7、C636とありますが
C5はその中で最も安価な、入門クラスといった位置付けとなっています


  ■コンデンサーマイク、ボーカル用
  ■単一指向性
  ■周波数特性:65Hz-20kHz
  ■感度:4mV/Pa(-48 dBV)
  ■最大SPL:140/145 dB  for 1%/3% THD
  ■インピーダンス:200Ω
  ■ファンタム電源:9~52V(48V推奨)
  ■付属品:ポーチ、マイクホルダ(3/8インチネジ)
  ■サイズ・重量:φ51×185.2mm、345g


音の感想


正直言うと、サイドアドレスのAKGの音は少し面白みに欠けると思っていました
別に悪いという意味では無いのです
しかし、フラットで味付け少なめで使いやすいけど、どこかもさっとして元気がないような気がしていたのも事実です
その分、「ハンドヘルドはどうなんだろう?」という興味は強かったのでしたが・・

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基本的にやや固めでカッチリした音です
下の周波数特性でもよくわかりますが、
200Hzから下のロールオフが、まるでローカットフィルターを効かせた様に強めの設定です
AKGとしてはかなり積極的な音作りとも思えますが
コンデンサーマイクとしてのキレの良さもあって、私にはとても好印象でした

固いと言ってもSENNHEISER e945(ダイナミック)のような刺さる様な印象も無く
ほどよくカッチリ収まっているのは、ある意味AKGらしさなのかもしれません


感度はコンデンサーマイクとしてはそれほど高いわけでは無く、
ダイナミックから差し替えても、驚く様な大音量!ってこともなさそうに思います
マイクプリアンプのゲインを5dB程度下げる感じでしょうか

質感や使用感


まだ、使用感を語れるほど使いこんでないのですが
 ・フカレに強い
 ・とても頑丈
 ・ハンドリングノイズも少ない
と、ネットでは概ね好評価です
私自身、発声と同時にわりと息が多く出るので、フカレ耐性はありがたいです
しかし、これまでに実際にフカレで苦労したのは、
安いUSBマイク「SONY PCV80U」だけだったので
気にするほどの息の量ではないのかも知れませんが(笑)

デザイン的には高級感もあって「とても良い感じ」です
AKGマークもグリルのシルバーリングもなかなか格好いい!
あえて注文を出すなら・・・ダイナミックのAKG D5とうり二つなことでしょうか
シルバーリングに「CONDENSER」の文字が印字されているほかはほぼ同じ
ワンポイントでも色目を変えるとか、なにか差別化を!と思わなくもない(笑)

サンプル音源


「オーシャンゼリゼ、聞き飽きた~~~」との声も聞こえそうですが
出来るだけ条件をそろえてということですので、ご勘弁をw
EQ含め全く加工していない音です

【AKG C5】

【比較用:SHURE SM58】


2021年9月24日金曜日

アコギ用ピックアップ Double X0

 随分前に入手したものでしたが、ようやくご紹介です

Double X0


【ブレンド型PU】
どこまでがメーカー名で、どこからが商品名なのかナゾなのですが・・・
まあ、こんな名前のアコギピックアップです
購入当時3000円前後と激安ながら、一応マグネットとマイクのブレンド型となっています
 ※現在は3000円代後半といったところでしょうか


【作りは多少雑】

機能もさることながら、豊富なカラーバリエーションを楽しめるおしゃれな面もありますが
私の個体では製造時の傷がついたままという、多少作りが雑なところもあります(泣)
(下の写真で白いひげのような傷・・・見る方向によっては全くわからないですけど)


【電池いらずの充電式】

ピックアップの電池交換はなかなか面倒なものです(特に後付けタイプのPU)
それがUSB充電で対応可能なのはとても便利!!
充電池はリチウムポリマー500mA、100時間以上の使用が可能と説明書にはありますが
実際のところは・・・・わからんw
写真は、充電完了の緑となってますが、充電中はオレンジの点灯となります


【ブレンド調整、トーン調整が可能】

とても多様な音質調整が可能となっています
マイクボリュームに関しては、最大にしてもそれほど大きくなりませんが、ハウリング対策という意味もあるのかも知れません
 ・左ダイヤル:全体ボリューム
 ・右ダイヤル:マイクボリューム
 ・USB左側の調整ネジ二つ:マグネットのBass,Treble調整
 ・USB右側の調整ネジ:マイクのトーンコントロール(取説には「お好みで」とあるw)
 ・USB左側のボタン:フェイズ切替


【電源オンオフ】

専用のスイッチやボタンはありません、エンドピンジャックにシールドを刺せば電源オン
抜けば電源オフとなります

ギターへのセットアップ


一般的なマグネットピックアップのセットアップと変わるところはありません
電池ボックスが無いだけ簡単です
 ①綺麗に収まりよくセットアップするには、エンドピンジャック用の12mm孔を開ける
 ②サウンドホールにピックアップ本体を挟む
 ③エンドピンジャックを取り付けて完了!
ただいくつか注意があります
【注意点その1】
下の写真のように、セットアップ後にギターのトップから上にでる部分の厚みが
約6.2mmとわりと高めなので、ピックアップ取り付け位置で、
ギターのトップから弦下までの距離が6.2mm未満だと取り付けできません
弦の振動幅もあるので可能なら7mm以上は欲しいところです(1~6弦全て)



【注意点その2】
弦を叩く奏法(親指チャッ!みたいな)を行う場合、
サウンドホール寄りの最終フレット金具より、ピックアップの高さが高いと
「チャッ!」のときに弦が先にピックアップに当たってしまいます
それなりに音は出ますが、キレの無いボサッとした音になるのでそこも注意です
ただし、これは事前になかなか把握しにくいかも知れないですが・・・

サンプル音源


マグネットとマイクの「ネジによる音質調整は無し」「マイクボリュームは最大」
の条件でサンプルを録ってみました
ちょっとマイクVOL最大でも弱いかなと思いますが、それほど悪い音ではありません
無音部でややノイジーな雰囲気があるのは、
真正面から吹き付けてた扇風機のせいもあるかもしれませんが、百歩譲って許容範囲内w

かなり低音が強いので、EQで200Hz以下は思い切り削ってますが
それでも十分な低音感が味わえます
 ※低音は豊かだけど、なんだか少し薄味って感じもしますが・・・


まとめ


現在はamazonで3千円後半とやや値上がりしてますが、それでも激安なPUながら
 ・マグネットとマイクのブレンド型
 ・細かな音質調整も可能
 ・USB充電式なので電池交換の手間が不要
 ・セットアップも簡単
 ・音もそこそこ良い
 ・好きな色を選べる
と、値段を考えるとなかなか使えるヤツだと思います
弦と同じで時々「つまみ食い」したくなるピックアップですが、
エリクサー2セット分のお値段・・・・いかがでしょうか(笑)


2021年9月18日土曜日

コンデンサーマイク Aspen Pittman Designs DT1

グリルの脱着によって、ボーカルにも楽器にも対応という
とてもユニークなコンデンサーマイクです

Aspen Pittman Designs DT1 ※サウンドハウスHP


Aspen Pittman Designsは、GrooveTubes社を創設した真空管のスペシャリストAspen Pittman氏が立ちあげたブランド。
彼のデザインした商品は、長年にわたり著名ミュージシャンやレコードプロデューサーに求められ続けています。
CPS技術を搭載したパワードスピーカー「Spacestation V.3」、グリルボールを脱着可能にしたコンデンサーマイク「DT1」、マグネット式ポップフィルター「PFM、PFM+」、そしてMark Sampson氏と共同開発し、理想を形にしたギター用ぺダル「Duo Tonic」。
いずれもAspen氏の情熱が込められた魅力溢れる商品をラインナップしています。
<特徴>
■高品質なコンデンサーカプセルは、楽器とボーカルのスタジオ・レコーディングに最適です。フィードバックとハンドリングノイズにも強く、ライブステージ用としても対応します。
■脱着可能なスチール製グリルボールは、取り付けた状態ではボーカル用、取り外した状態では楽器用に適したマイクとして使用可能です。
■独自開発された0.75インチ(19mm)、薄さ6ミクロン24金マイラー・ダイアフラムの中型0.83インチ(21mm)オールブラスカプセルを採用。
■ツアー使用に耐えるラバーアイソレーテッド・カプセル・アッセンブリを採用した頑丈な構造。
■HM2スイベルマウントとビニール・ジッパーケース付属
 <仕様>
  ■低ノイズFET
  ■超単一指向性
  ■周波数レスポンス: 20Hz-18kHz、±1.5dB
  ■感度: 5mV/Pa
  ■等価騒音: 28dB SPL
  ■入力インピーダンス: 500Ω
  ■出力ソースインピーダンス: 200Ω トランスフォーマーレス
  ■最大SPL: 146dB 1%THD
  ■ファンタム電源: 48V
  ■寸法: 長さ19cm 最大直径2.1cm
  ■重量 0.4kg

使用感など

【ハンドマイクとしてのサイズ感】
ネットショップの画像では、なんとなく「ペンシルマイク」のようなサイズに見えますが
ちゃんとしたハンドマイクサイズですw
下の写真はSHURE SM58と並べてとったものですが、DT1の方が一回り大きく見えますね

【十分すぎる感度(出力)】
製品仕様では「感度: 5mV/Pa」、これをdB換算すると「-46dBV」となります
数字だけを見れば、標準的なハンドヘルドコンデンサーマイクのように見えますが・・
なんのなんの(笑)
例えばですが、同じハンドヘルドコンデンサーマイクの「AKG C5」は
感度:4mV/Pa(-48 dBV)」で、DT1とそれほど変わらないように思いますが
実際はマイクプリアンプの出力をDT1では20dBほど低減しないと同じ音量にはなりません
それだけDT1の感度が高いということになります
私自身も最初、「DT1て、なんだかセルフノイズが目立つなあ」と感じたのでしたが
数字以上に高感度なことを知らず、プリアンプゲインを上げすぎていたのが原因でした

【グリルの脱着】
別に難しいわけでは無く、ただクルクル回すだけなのですが・・・
クルクルの途中で、時々「ギリギリ、ギ~」って音を発するのが気になります
他でもないコンデンサーマイクなのだから、あまり変な音を発するのはどうかと思うので
油刺したろか!って思ったけど、さすがにまだやってませんw
でも、録音状態で脱着するのはやめておいた方が良いかな

音質など

【十分な静粛性】
プリアンプゲインを適切に設定する限り、ノイズは十分に小さいと言えます
上記のようにあまり感度の数値を信じず(笑)、小さいゲインから徐々に上げていくのが
上手い設定法かなと思います

【グリルの有無による差】
ボーカルなどではそれほど大きな差ではありませんが
グリルが有りでは、音は丸くなり、サ行が刺さることも少ないけど、少しこもるかなと
グリル無しのときには、若干ディーテールが増し、ハイ落ちが減るかな
・・と思えなくも無い(笑)
グリル内のスポンジはなかなかよく出来ていて最小限の音質差にとどめてますが
やはり影響はあるようです
フカレや唾液の飛びちりの心配が無い楽器録音のときには、
グリルを外して録音した方が気持ちよい音になるかも知れません

【音質など】
コンデンサーらしい繊細感は十分感じられますが
もう少し中域の密度感があればなあとも思います
ただし、今回のサンプル音源は、EQ含め一切の加工処理をしていませんので
多少の処理をすればまた違った感想になるかも知れません


■サンプル① グリル有り

■サンプル② グリル無し

■比較用 SHURE SM 58


2021年9月12日日曜日

最小機材でゲーム配信!

 いえいえ、私はしませんが(笑)

PS4などHDMI出力を持つゲーム機の画面を
実況付きで配信したい方へ!という内容です

本記事での条件整理


まずは、この記事の中で使用する機材ソフトをまとめてご紹介しておきます
機材にこだわればキリがないですが、少なくともすでにライブ配信されている方なら、
以下の内「HDMIキャプチャ機材」だけ購入すれば可能ではないでしょうか・・・
必要経費980円の最小機材配信ですw

【やりたいこと】
 ■HDMI出力を有するゲーム機の画面&音声を実況音声とともにPCからライブ配信する

【必要機材】
 ■OBSが可動可能なパソコン
  ノートでもデスクトップでもOKだがUSB2.0またはUSB3.0端子を持つもの
 ■1ch以上のオーディオインターフェイス
  本記事ではTASCAM US-32(1ch仕様)を使用
 ■マイク1本
  上記のオーディオインターフェイスと接続可能なもの
 ■HDMI出力のあるゲーム機
  本記事ではwii Uを使用
 ■HDMIキャプチャ機材
  本記事ではCLASSIC PRO CHD201を使用(税込み980円)
   ※本機は音声がモノラル仕様となります
    ステレオ音声が必要な場合は、別途HDMI音声分離器の追加が必要です
    しかし、最初からもう少し予算を追加してステレオ音声仕様のキャプチャ機材
    を購入する方が安価になる場合があるので、そのあたりは検討が必要です
 ■ケーブル類
  ・HDMIケーブル1本(片側:標準端子、片側:ゲーム機の出力端子に適合するもの)
  ・マイクケーブル1本(上記のオーディオインターフェイス、マイクに適合するもの)
  ・USBケーブル1本(上記のオーディオインターフェイス、パソコンに適合するもの)
  ・可能であればUSB延長ケーブル(USB2.0またはUSB3.0対応)

機材接続


機材の接続方法は下図のとおりです
USB延長ケーブルはなくても大丈夫ですが、
パソコンのUSB端子に大きな力がかかることを避けるため、あれば使うのが好ましいです

パソコン(OBS)の設定


ここでの記載は以下を条件としています
 ■パソコンにはOBSをインストール済
 ■配信に関するOBSの基本的な設定は完了
 ■オーディオインターフェイスにはマイクを接続
 ■オーディオインターフェイスをPC接続し。ドライバインストール&必要な設定を完了
つまり、「OBSによる配信はすでにできる状態」を条件としていますので
OBSでツイキャスライブに配信するための基本設定等については省略します

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さて、あとはOBSの設定だけということになります

【新しいシーンを作成】
 ・シーンウィンドウの「+」をクリック
 ・シーンの名前(ここではGAME」)を入力して「OK」をクリック

【映像キャプチャデバイスの追加】
 ・ソースウィンドウの「+」をクリック
 ・サブメニューから「映像キャプチャデバイス」を選択
 ・ソースの名前(ここでは「映像キャプチャデバイス」)を入力して「OK」をクリック
  ----映像キャプチャデバイスのプロパティが自動で開く----
 ・「デバイス」を「USB Video」に設定
 ・「解像度/FPSタイプ」を「デバイスの規定値」に設定
  ----以下はプロパティ画面を下にスクロールすると確認できる----
 ・「音声出力モード」を「音声のみキャプチャ」に設定
 ・「カスタム音声デバイスを使用する」のチェックをオンに設定
  ----下に「音声デバイス」が出現する----
 ・「音声デバイス」を「デジタルオーディオインターフェイスUSB Digital Audio」に設定

【オーディオの詳細プロパティの設定】
 ・音声ミキサーウィンドウ内の「歯車マーク」をクリック
 ・「オーディオの詳細プロパティ」を選択
 ・「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」を「モニターのみ(出力は
  ミュート)」に設定して「閉じる」をクリック

【マイクのプロパティの設定】
 ・音声ミキサーウィンドウ内の「マイク」の右側の「歯車マーク」をクリック
 ・「プロパティ」を選択
 ・「デバイス」を「マイク(MINISTUDIO US-32/42)」に設定して「OK」をクリック
   ※マイクを接続しているオーディオインターフェイスのデバイス名に設定

以上で、基本的なOBSの設定は完了です

ゲーム画面をより見やすくする


ゲーム実況を「実際のライブ配信画面(例えばツイキャスなど)を見ながら」というのは
遅延により不可能ですから、OBS内の画像を見るしかないですが
そんなときは、「OBSの画面を全画面表示する」ことで見やすさが向上します
 ・「配信開始」ボタンをクリックで配信をはじめる(←これ大事w)
 ・ソースウィンド内の「映像キャプチャデバイス」を右クリック
 ・サブメニューから「全画面プロジェクタ(ソース)」を選択し
 ・使用しているモニターの型番をクリックする
  ----これで全画面表示になります----
 ・全画面表示を終わる場合は「ESCキー」を押します

コメントを読めるようにする


全画面表示してしまうと「コメントが読めない」ということがあり得ます
この対応としては以下がありますし、できれば推奨します
 ・パソコンにモニターがもう一つある場合は、それで自分の配信を見る
 ・スマホで自分の配信を見る
しかし、全画面表示内にコメントを表示することも可能ですので、一応ご紹介します
ただし以下は「ツイキャスの場合のみ有効」ですのでご注意を

【配信ツール向けオーバーレイをコピーする(パソコンで操作)】
 ・パソコンのブラウザでツイキャスにアクセス
 ・青の「配信するボタン」にマウスをのせ「ツール・ゲーム配信」をクリック
 ・下にスクロールすると「ツールとの連携設定」があるので、その下にある
  「動画ツール向けオーバーレイ」をクリック
 ・コピーボタンをクリック
【OBSでブラウザの追加】
 ・ソースウィンドウの「+」をクリック
 ・サブメニューから「ブラウザ」を選択
 ・ソースの名前(ここでは「ブラウザ」のまま)を入力して「OK」をクリック
 ・URLにコピーした内容を貼り付けて「OK」をクリック

【OBSでソースをグループ化する】※全画面表示の為には必須です
 ・ソースウィンドウ内の「ブラウザ」「映像キャプチャデバイス」をctrlキーを
  押しながら順にクリック(2つのソースを同時に選択するため)
 ・「ブラウザ」の上「映像キャプチャデバイス」の上、どちらでも良いので右クリックし
  サブメニューで「選択したアイテムのグループ化」をクリック
 ・全画面化の手順は上記と同じですが、ソースウィンドに新しくできた「グループ化」
  を右クリックして全画面化します

おわりに


とても基本的なことしかかけませんでしたが
後はお好みアレンジしてみてください
なお、スマホゲームの配信に関しては「ツイキャスゲームズアプリ」で簡単に可能です

ぜひぜひ、すてきなゲーム配信を
お楽しみください!!!

2021年9月9日木曜日

小ネタ・CLASSIC PRO APP212R

この、どこかキセルを彷彿とする物体w
シールドプラグをストレートからL型にしてくれる、とっても便利なブツである

CLASSIC PRO APP212R
サウンドハウス価格で320円(税込)安くて便利です
もちろんシールドがL型プラグであればそれで問題ないのですが
「想定が甘かった」「置き場所変えたくなった」は世の常であります
そしてそのたびにシールド買い換えるのもエコではない


まあ「転ばぬ先の杖」といいますか、持ってるだけで安心なお道具とでも言いましょうか
「お守り」として一つ持っておくのも悪くないと思えます
使い方と言うほどのものはなく、ストレートプラグを差し込むだけです
すると・・L型プラグに変身!!ってわけw


でもね・・
実は、サウンドハウスのレビューはけっしてかんばしくない(^0^;)
今回の購入品も、最初に「ジー」というノイズを発生したりで少々慌てましたが
ぜひ、ストレートプラグの差し込みやAPP212Rのエフェクターへの差し込みを

グリグリしていただきたい(笑)

おおかたはそれで接触が改善されると思います

ただし、これは経験則でありますが

比較的安価な「標準TS(TRS)ジャック」を持つコネクタやケーブルは、
いかなる製品であれ接触問題が生じやすいです

例えばシールド延長ケーブルとか、TRSプラグ出力をLR分岐させるYケーブルとかですが、
基本的にジャック部分の遊びが大きいものが多く、
ひどいものになると、手で押さえてないと音が途切れる「使えね~」レベルのものも(^0^;)

しかしこのAPP212Rのジャック部分は、珍しく遊びの少ないものです
差し込むプラグによっては「カッチリ感」もあるし、悪い感触ではありません
安価ですし、一家に一本!!いかがでしょうか(笑)


2021年9月6日月曜日

SENNHEISER e945 ダイナミックマイク(2/2)

 そもそも、なぜこのマイクを買ったのかというと、
「超単一指向性でそこそこ良いマイク」を探したからってのが理由でありました

超単一指向性マイク


改めて説明するまでもないかもですが、
ボーカル用ダイナミックマイクの指向性にはものすごく大ざっぱに言ってしまうと
 A:単一指向性(カーディオイド)
 B:超単一指向性(スーパーカーディオイド)
の2種類があります
要は、「マイクの軸線からどの程度離れた音まで拾うのか」という差で、
基本的に、超単一指向性マイクは単一指向性に比べて狭い範囲の音しか拾いません
ただ、両者がどういった基準で区分されているかははっきりしないので
A社の超単一指向性とB社の単一指向性はあまり差が無い、ということもあるかもしれません

さて、こうした指向性がマイクの使用上、どんな影響を与えるかというと
超単一指向性は、単一指向性に対して
 ・PAのある現場ではハウリングしにくい
 ・口がマイクの軸から外れると音量の低下が大きい
といったことがあります
今回、超単一指向性が欲しかった理由はこの「ハウリングしにくい」に期待したためでした

サンプル音源
e945を含めて3本のダイナミックマイクの比較音源を作成しました
 ①SENNHEISER e945(2万円強)
 ②SHURE SM58(1万円強)
 ③BEHRINGER XM8500(2500円前後)

比較しやすいように、機材&録音条件を以下に統一しています
 ・マイクプリ:GOLDEN AGE PRE73jr
 ・レコーダー:BEHRINGER XR16 USB録音
 ・マイクプリのゲインは全て同じ
 ・EQ、コンプ、リバーブは使用しない
 ・マイク1本でギターの弾き語りを録音(マイク距離は概ね10cm)
  (ギターはマイクのほぼ真下30~40cmに位置する形となります)
   ※)歌は下手くそです、ご勘弁下さいw

【①SENNHEISER e945】

基本的に中高域寄りのスキッとしたキレのある音です
極端な近接効果がない分、やや低域は物足りない感じがしますが
エッジの効いたやや固めの音は、私としては好みの部類です
少し驚いたのは超単一指向性ということで「ギターの音はあまり拾えないかも」と
予想していたのですが、そうでもなかったこと
 ※近接効果:マイクに近づくほど低音が強調される効果のことです



【②SHURE SM58】
角が取れたやや丸い音で、人によるとこもってると感じるかも知れません
しかし中音域が太いこのマイクは、聴き疲れしない無難な音でありながら、
バンドなどの楽器の音に埋もれにくい強さもあるように思います
さすがは、長きにわたって「超定番」の座を死守しているだけのことはある
そんな底力感を感じます


【③BEHRINGER XM8500】
なんといいますか、①②の中間的でやや②のSM58に近い感じと言えそうです
昔からすきなマイクでしたけど、こうして比較してみると2500円にしてこの音は驚異的
ただし、今回のXM8500は「グリル内のスポンジを取り除き不織布を詰め込む」という
プチ改造版となってますので、そこはご留意下さい
SM58をキモチ抜けよくしたような音、やっぱり良いわ~
実は、①②と同じ位置で歌うとクリップしてしまうので、3~4cm離れて歌ったのでしたが
それでも、音量的には①②よりやや大きめとなっています(このことは次節で)


音量、というかマイク感度の話
今回の3本のマイク感度を数字で比較してみると以下のとおりとなります
 ①SENNHEISER e945:感度:-54dB(0dB=1V/Pa、1kHz)
 ②SHURE SM58:感度: -54.5dBV/Pa (1.85mV)
 ③BEHRINGER XM8500:感度:-70dB
通常、マイク感度は数値が大きい(ゼロに近い)ほど大ききなるので
上記のサンプルのようにXM8500が音が最も大きいのは「おかしな結果」のようですが
audio-technicaによるマイク感度解説には以下のような記載があります

https://www.audio-technica.co.jp/microphone/navi/dic/02.html
---------以下引用----------------------------
マイクロホンの振動板に規定音圧(1Pa)を加えた時に出力する電圧を数値にしたもので、その単位としてデシベル(dB)/1パスカル(Pa)、または「mV/pa」と表示する。
まだデシベル(dB)/マイクロバール(μbar)という古い規格で表示されている場合もあるので、注意。その場合は数値に20dBを加えると現行規格での表示と同じになる。
最近のコンデンサー型の感度は高く、-30dBV/1Paから-40dBV/1Paの間にある。それに較べてダイナミック型はやや低くなって、-50dBV/1Paから-60dBV/1Paのものが一般的である。
---------引用終わり---------------------------

これによれば、「③BEHRINGER XM8500:感度:-70dB」がdB/μbarだとすれば
dB/pa換算で-50(-70+20)dB/paとなり、聴感上の音圧と概ね一致するのですが
マイク感度の表記はメーカーによって様々で、
実際のところは「よくわからん」というのが正直なとこですw

ちなみに、マイク感度が「mV/pa表記」の場合、「dB/pa表記」に変換するには
  20log(mV/1000) ※logは常用対数(底=10)
で計算できます
上記のSHURE SM58の場合、「1.85mV/pa」は
  20log(0.00185)=-54.66dB/pa
となって、ほぼカタログ値と一致します

また上記、audio-technicaの「数値に20dBを加える」というのは
  1Pa=10μbar
なので、出力電圧が「●mV/μbar」のとき、これを「dB/par」として計算するには、
  20log(●mV/1000×10)
とすればよく、これを分解すると
  20log(●mV/1000)+20log(10)
このとき、log(10)=1ですから、「20dBを加える」とよい、ということになりますね

まとめ
ボーカル用のダイナミックマイクの場合、
基本的な音質や声質とのマッチングももちろん大事ですが、
 ・ハンドリングノイズ
 ・ハウリング耐性
 ・PAとの相性
 ・オンオフスイッチの有無
 ・重量や持ちやすさ
 ・見た目のかっこよさ 等々
の総合力が問われることが多く、またボーカリストが重視するポイントも人それぞれなので
一概に「このマイクが良い」とは言い切れません

今回のe945に関しては、すっきりした音質に満足していますが
実は「実家スタジオ」がちょっとハウリやすい環境になってるので
超単一指向性を生かしてどこまでハウリング耐性を発揮するかが課題といったところです

しかし、過去にギター音のみのマイク音質比較はやってきましたが
ボーカルの比較は今回が初めてでした
そのなかで、XM8500というやっすいマイクの健闘ぶりは目を見張るものがありました
これが、グリル内部を詰め替え得るというプチ改造の成果なのかどうかは
今となっては確かめようがないし
今現在販売されてるXM8500が全く同じ音なのかどうかもよくわかりませんが
きわめてコスパの高いマイクだ~~とは、言えそうに思います