2021年11月13日土曜日

アコギ用無線&有線ピックアップ X2 DOUBLE

先日ご紹介した「アコギピックアップ DOUBLE X0」と同じ
DOUBLE ACOUSTIC(株)のアコギ用ピックアップですが、
X0は有線接続だけだったのに対して、X2は有線に加えて無線でも接続可能!
のはずでしたが、ことの顛末は・・まああとはお読みくださいませw

先に結果だけ書けば、
残念ながら
「廃棄処分」となりました(泣)


X2 DOUBLE


例によってAli expressを徘徊中に発見
といいますか、ここで一度買い物をすると、「あれもあるよ、これもあるよ」と
親切なメールがたくさん届きます(笑)
そして「ついつい見てしまう」というおきまりのパターン(^0^;)

そこで目にとまったのが、「送料込みで60ドルの無線接続可能なピックアップ」です


ありえないほどお安いのだが、ここでちょっと残念な記憶がよみがえる

SKYSONIC WL-800JPの教訓


多分、現在も現行商品だと思いますが、SKYSONIC製の無線ピックアップです
しかし、発売当初にはちょっとした混乱がありました
それは、「SKYSONIC FS-1」という同型機が存在したためです

ここで、SKYSONIC社のQ&Aから、その説明について引用してみようと思います

-------以下、「https://www.skysonic.net/wl800jp-qa」から引用-------
「SKYSONIC FS-1」は、スカイソニック社が中国で販売しているワイヤレスピックアップです。
そして、国内正規輸入代理店である、スカイソニックジャパン及び、株式会社神田商会では、「FS-1」は一切取り扱っておりません。
「FS-1」と「WL-800JP」との大きな違いのひとつは、使用する周波数にあります。
「FS-1」が採用している周波数760Mhzは、現在日本では、自動無人運転などの高度交通システムに割り当てられており、一般使用が禁止されております。
もし「FS-1」を日本国内で使用した場合、電波法違反となり、使用者に「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑」が科せられます。
また、販売者が海外での使用を想定して販売している場合、罰せらせるのはあくまで使用者であり、販売者は罪に問われません。
上記の理由のため、日本国内で「FS-1」を使用する事は法的に許されておりません。ご注意ください。
「WL-800JP」は、日本における電波法に適合した周波数を用い、「FS-1」をベースに、より音質、品質を向上させた製品です。安心してお使いいただけます。
-----引用終わり-----

おわかりのように、日本での電波法によって認可されているかいないかが大きな違いですが
海外で先行発売されたSKYSONIC FS-1ではその辺の情報開示が十分ではなく
価格も安かったことから、知らずに購入された方も多かったのではないかと思います
販売側も「販売者は罪に問われない」ということで、
オークション等でも普通に売られてました

しかしこのことで、無線機器の使用は「電波法の認可を受けた機器が必要」という
ことの認知度がある程度高まったかもという、功績??もあったような(笑)
かくいう私もその一人であります

技適マーク


それでは、どう見極めるのかというと、それは「技適マーク」です
以下は新旧の技適マークですが、どちらも有効です

技適マークは、電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています
ただしH31の省令改正により、表示は印刷だけではなく「表示を容易に識別することができるものであること」となっています
例えば「技適表示のないwifiメモリをPCに直接接続し、PCディスプレイで技適マークが確認できる」といったケースも認証機器に含まれます
したがって、表示が見当たらないというだけで不適合というわけではありませんが、判断できない場合は最寄りの総合通信局に相談が必要です

ちなみに、も一つ注意が必要な事項に「スプリアス規格準拠」があります
正直、私はあまりこのあたりに明るいわけではないので「受け売り」ですが
H17の「無線設備のスプリアス発射の強度の許容値に係る技術基準等の関係省令及び関係告示」により、H17.12.1以降、新スプリアス規格が設けられています
これにより当初は、新規格にあわない旧規格に基づく機器はR4.11.30までしか使えないことになっていました
しかし、今年(R3)8月には、コロナ禍の影響で新規格への移行が遅れていることを踏まえ、無線設備規則の一部を改正する省令(平成17年総務省令117号)の附則第3条及び第5条の一部を改正し、その使用期限を当分の間、延長することとなっています
したがって、旧規格の機器でもR4.12以降も使用可能なのですが、新規格への移行自体は継続中ですので、いずれ新規格でなければ使えない日もやってくると思われます

さてX2 DOUBLEやいかに??


購入ページではどうしても詳細な仕様や技適マークの確認が出来ませんでした
なのでよけいに「もしかしたら、いけるんじゃね?」との疑念というか期待というか(笑)
で、ついついポチって

さて、到着したX2 DOUBLEですが、残念ながら説明書にもどこにも技適マークはありませんでした
箱に貼られたシールには各国の基準に基づくマークが印刷されていますが、そこにもなし


このうち「Fの横に二重丸」のようなマークは「FCCマーク」といいます
これはアメリカの通信・電波を管理・監督しているFCC(米国連邦通信委員会)から認定を受けた証です
しかし「アメリカでOKなら、日本でもOK」なわけではありません
少し調べれば「日本とアメリカは相互認証協定(MRA)を結んでいる」ということにたどり着きますが、相互認証協定は「相手国での電気通信機器の販売・使用にあたって義務づけられている認証を、自国の認証機関で実施可能」というだけです
アメリカの規格を満たしていても、日本で使用する場合は電気通信事業法や電波法の規定に基づいて使用される必要があり、そのまま日本で使用することはできません

最後の可能性としては・・・・
X2 DOUBLEの基板内に技適マークが印刷されているかも、という可能性ですが
日本向けに売りたいなら、元々目立つところに表示されているはずですし
もうバラす元気もない(笑)

そんなわけで、X2 DOUBLEは限りなくクロ決定!

じゃあどうする??


実はここからは、購入後に調べてわかった話になります

当初「もし違反機器でも、有線接続があるじゃないか!無線使わなければOK!」と思ってました
しかし、ネット上には「電波発射の有無にかかわらず電波を出せる状態となっていれば、電波法違反にあたる」という情報があります
これが、全ての無線機器に適用されるかどうかは、私自身まだよくわかっていませんが、仮にそうだとすれば、有線接続をしたとしても、「電波を出せる機器を持ってるだけで違法」ということになってしまいます

残念ですが、ここまで調べて廃棄決定です

しかし、廃棄するにしてもどうすれば良い???再度、上の写真を見てみましょう
 ・CEマーク
  EUの法律で定められた安全性能基準を満たすことを示します
 ・FCCマーク
  アメリカの無線通信規格を満たすことを示します
 ・矢印2つが組み合わさったマーク
  ヨーロッパでグリーンドットと呼ばれるマークらしいが、国によって扱いが異なる
  ただまあ、リサイクルゴミの分別に関するものではあるようです
 ・ゴミ箱に×のマーク
  EUの処分する際に埋め立てず、リサイクルするよう求めるマーク、
  下に太線があるので製品価格にリサイクル費用が含まれていることを意味します
 ・RoHSマーク
  EUにおいて特定の有害物質が基準値以下の製品に付けられるマークです

まあ当然ながら国内法で規定されるマークはない・・・・
私の場合、幸いなこと?に住んでいる自治体から「不燃・粗大ゴミでかまわない」と了解をもらいましたので、そのように処分しましたが、「いざ捨てるにも悩ましい海外製品」

妙にこんな言葉が頭をグルグルします(笑)

「君子危うきに近寄らず」
偽エリクサーに2度も引っかかった私ですけど(^0^;)

まとめ


技適マークの確認できない無線機器は購入しない!!!これにつきます
もしかして大丈夫かも・・・なんてスケベ心も出さない!(笑)
廃棄するにしても、自治体によっては面倒なことになる可能性も無いとは言いきれません

でも、AliExpressや製造元を恨む気持ちもありません
まあ「日本では不適合」など書いてもらえばありがたかったですが、
「つくる」のも「うる」のも違法ではなく、電波法はあくまで使用者の責任を問うものです
60ドルの勉強代で「身にしみてわかった」だけでも良かったと、ほんとうにそう思います
それに、この記事を書くために色々調べて勉強にもなりました

失敗談ではありますが、何かの折りに皆さんのお役に立てばと思います
ちなみにwifiもBlueToothも無線機器です
「BlueToothだから大丈夫」なんてことはありません
3年前にハーマンインターナショナルが、Bluetoothスピーカー「Traveler」を
電波法令の技術基準適合証明を取得していなかったとして、
製品回収したという騒ぎもあったようです

蛇足ですが


これは数年前に購入した、中国製のギター用無線シールドです


ちゃんとついてましたね、「技適マーク」(笑)、よかった~~~~!


そして、Rの文字の右側にある番号は技術基準適合証明の番号です
これを、総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」ページで検索すると
以下の結果が得られます
スプリアス既定も「新規定準拠」のようですね、これで安心して使えます(笑)



4 件のコメント:

Be-m.R さんのコメント...

ziziさん、おちかれっす♪

この手の“ワイヤレス問題”、ややこしいですよね~(苦笑)
僕、仕事柄ワイヤレスマイクが絡むんで、新スプリアス規格も去年聞いて古い型のワイヤレスマイクを総とっかえしました。
これってスマホが普及した事が影響してるんですかねェ?、何にしてもめんどくさいったらないですね(苦笑)

zizi さんのコメント...

>Be-m.R さん

コメントありがとうございます!

う~~ん、確かに「おちかれ」な結果となってしまいました
「君子危うきに近寄らず」に加えて「安物買いの銭失い」も
座右の銘としましょう(笑)

スプリアス規格は「いらん電波は出すなよ~」的な話なので
確かにこれだけスマホが増えた状況では必要なことなのでしょう
しかしめんどくさいのは
「技適マーク=新スプリアス準拠」とは言えないことですね
一目でわかる「使っても良い無線機器」のマークをつけて欲しいなあと
切に願います(笑)

UME さんのコメント...



十分に満喫してらっしゃいますね、AliExpress沼を(爆)

しかし、ちと電波モノは難しいですよねぇ、、
私だって、かつて買いましたもの、FS-1(笑)

でも、これこそがこの沼の面白さとも、
い、いえなくも、無い、、、、かなwww

zizi さんのコメント...

>UMEさん

おひさしです!!!

最近では自ら望んで沼に飛び込んでる感じですけど(笑)
たしかに電波ものは難しいですね~
無線機器は日本製が間違いないですが
WS-20のように中華製でもOKなものがあるのが悩ましいです
ついつい、スケベ心が起きてしまいます(笑)
日本の電波法完全準拠とか書いてくれてれば良いんですが