2022年11月16日水曜日

コンプレッサーBEHRINGER MDX2600

かなりレトロなコンプレッサーです
正確な発売時期は不明ですが、取説には「バージョン1.1 2002年6月」とあるので
少なくとも発売から20年は経過するのではないでしょうか

ちなみに、現在では「MDX2600 V2」という形でマイナーチェンジされています
いつ頃V2になったのかも定かではありませんが、
 ・V2のクイックスタートガイドのコピーライツ表記が2017
 ・V2のamazonでの取り扱い開始日が2018/12/12
との情報からして2018前後では無いかと推測されます

ただし、外観くりそつ!、機能も特に変更された様子が無く・・・
V2と初代でどこがどう違うのかさっぱりわかりません(笑)

MDX2600とは


基本的には2チャンネルのコンプレッサーですが、それにとどまらずチャンネルごとにエキスパンダー、ゲートノイズサプレッサー、エンハンサー、リミッター、チューブシミュレーターの機能を持つ超多機能マシンです
しかも、さすがBERINGER、お財布応援隊の名に恥じない低価格!!!
現在のV2でもSH価格で23800円、初代の中古なら1万円以下で入手可能です
 ※私のは中古品で、送料込み5800円・・ありがたいw


しかし、多機能と言うことは・・・使い方が難しそうですよね、ええ否定はしません(笑)
しかし、「超多機能」はひとまず忘れてまずはコンプレッサー達人になってみましょう
下図は、BEHRINGER名物「わかりにくい取説」を出来るだけわかりやすく!って感じで作り直したものです
ピンクで着色したところだけに集中~~~!w
それ以外はとりあえず、「押さない」「有効にしない」ということでほっときましょう
 ※特にSC(サイドチェイン)は、音源の周波数帯に応じてコンプレッションの
  かかり方を変えるというものですが、その関連の機能は「最後の最後」、
  場合によっては「ずっと使わないまま」・・でも良いと思います


まずは以下の設定を基本とします
 ・THRESHILD:概ね-20~-25dB
 ・RATIO:2~3くらい
 ・AUTOボタン:押す(点灯)
そうすると、元の音よりもやや小さい音が帰ってきますので
 ・OUTPUTノブを適量右へ回して、元の音量と同じになる位置を探す
これが超基本的なコンプレッサーの使い方となります

コンプレッサーは音色への影響が少なく、「効果がわかりにくいエフェクト」として有名ですが、上図で黄色着色した「GR(GAIN REDUCTION)メーター」が反応していれば、コンプレッサーが「仕事している」とわかります
大きな声を入力したときにGRメーターが9前後までふれていれば「良い感じ」って言えると思います
万一、大声でもGRメーターがふれないようでしたら過小入力です
コンプレッサーの意味が無くなってしまいますので以下を検討してみて下さい
 ・マイクプリのOUTPUTを上げてみる
 ・背面パネルの「OPERATING LEVELスイッチ」を+4dBuにしてみる
  ※-10dBVはホームレコーデイングレベル、+4dBuはスタジオレベル・だそうです
   細かいことは聞かないでwww

コンプレッションの操作に慣れ、結果に満足できるようになったら
自分の耳を頼りに、他の機能も試してみましょう
そして、ある程度全体に馴染んできたら・・・・
そのときは取説に戻ってみます(笑)
意味不明だった記述もその頃にはなんとなくわかるようになってるかも
しれません・・・(知らんけどw)

なぜ必要だった?


これまで私の弾き語りシステムではマイクとボーカルエフェクターを直結していたのでしたが、綺麗な音なんだけど、どこかメリハリが無いような気がして、倉庫で眠っていたマイクプリをつないでみたのがコトの始まりです(下図の赤枠)

ART TUBE MPは真空管交換済み

たしかに、気のせいかマイクの情報量が増して、すこし音が元気になったようで、しばらくは気に入ってたんですが・・・
しばらくすると「ん?私って歌下手???」と(笑)
そう、マイクの情報量が増えると言うことは、いろいろアラが目立って「下手が誇張される」という惨事もあり得るわけです(もちろん上手な人はより上手に聞こえるw)

しかし、せっかく導入したマイクプリアンプ、これも活かしながらなんとかならんものか
考えたあげく、声の強弱の幅を少し狭めることでなんとかなるかも、そうだコンプレッサーだ!!!(笑) ってわけで、以下となった次第であります


【笑える後日談】

後になって冷静に考えたら、ボーカルエフェクター(VOICELIVE2)にもコンプレッサーが内蔵されており、しかもそれが機能する設定にしてあったコトに気づいた
  ※冒頭に書いた「どこかメリハリが無いような気がして」というのも、
   あながち耳が変だったというわけでもないようだwww
すでにエフェクター内でコンプレッションされていたのだから、MDX2600買う必要は全くなかったのだが、まあそんな冷静さがあれば、そもそも山のような機材に埋もれるようなことにはなっていない・・のだよw
結局、MDX2600の購入で、しばらくは「コンプの二重掛け」となっていたのだが、別に多段のコンプレッションがいけないという訳では無い
ただ、二重にかかってるという意識が無いものだから、気づくまでの2日ほどは意図しない音に悩まされたのであったw

しかしあなたMDX1600持ってたよね


はい、そのとおりですが、すでにラックに組んであるから取り外すのがめんどくさい


ところで、うり二つのMDX1600とMDX2600、何が違うのでしょう??
ざっとした検証ですが、以下の2点以外には大きな差はなさそうです
【①TUBE回路の有無】
 MDX2600にはありますがMDX1600にはありません
 取説では「ヱレクトロニック・チューブから生まれる典型的な透明感かつ温もり
 をもっサウンド特性を出力信号に与えます。」とありますが・・・w
【②ENHANSERとDE-ESSERの扱いの違い】
 ENHANSERもDE-ESSERも1600、2600ともにありますが
  ・MDX1600:ENHANSERは調整可能、DE-ESSERはオン/オフのみ
  ・MDX2600:ENHANSERはオン/オフのみ、DE-ESSERは調整可能
 という違いがあり、これに伴い前面パネル構成もやや異なります
 ちなみにENHANSERもDE-ESSERは以下の通りです
  ・ENHANSER:高周波数のダイナミックなブーストを可能とし、
   中低域で作動したコンプレツシヨンにより低減した中音域および高音域
   に対しるレベル低減をブーストする
  ・DE-ESSER:オーディオ信号内に含まれる「シュ」音の消去を行う

さて結果は?

さすがに「ん?私って歌上手???」ってことにはなりません(笑)

しかし少々声を張っても、割れない、破綻しない、という安心感は得ることが出来ました
それと、声の強弱の差が小さくなったことでほんの少し下手さが薄れたって気もします
 ※上の「笑える後日談」で書いたとおり元々ボーカルエフェクター内で
  コンプがかかっており、それを解除してMDX2600にまかせただけ
  なのだから、そんな変わるか?って話なんです・・
  でもまあ、新機材導入による気分的なフラシーボ効果に加えて
  内蔵エフェクトと単品エフェクターの差もある程度あったと
  思います(いや、思いたい)

コンプレッサーは「下手隠しのエフェクター」と呼ばれることもあります
その反面、ソロギターにしろボーカルにしろ「表現したいニュアンスが薄れてしまう」
すなわち意図したとおりの表現にならないとして、嫌う演者さんもいます

たしかに「今が盛り上がるところ!!」って頑張っても思ったほど音量が上がらないのは
めっちゃストレスにもなるし、特にソロギターの場合はその傾向が顕著です
そこでキモになるのはRATIO・・・ソロギターなら最大でも2:1くらいでしょうか

ボーカルの場合は多少RATIOを大きくしても「気持ちの盛り上がり」ってニュアンスはある程度つたわると思うので、RATIOを3:1くらいまでは上げられそうです

いずれにしても、コンプレッサーは、効果は目に見えにくいけど大事なエフェクターです
相応の試行錯誤は覚悟しないといけませんが、一度はトライしてみたいですね

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