2015年11月3日火曜日

ハムノイズ撃退装置を作ろう

エレアコのPU~シールドの間で発生するハムノイズのお話です
最初にお断りしておきますけど、「なーーんだ、そんなこと」ってくらいの内容です(笑)
電気関係に詳しい方には、落胆と失笑しかないかもしれませんけど
どうか、広い心でよろしくお願いします!

ハムノイズ、あの「ウーーーー」とか「ブーン」とか聞こえる、低周波の連続したノイズ
シールド処理の不完全なピックアップを使った場合や、
経験上、経年劣化したアンダーサドルピエゾなどでも現れます
自分も詳しいわけではありませんが、
ピックアップがアンテナとなって外部ノイズを拾って発生するものだそうです

この除去のためには、いろんな対処が考えられます

①ソフト処理
 録音後の音源に対してノイズ処理を施します
 Audacityの「ノイズ除去」とかもありますし、専用の「ハムリムーバー」といったソフトも存在します
 ただし、そこそこお値段もするのと、どんなに良くできたソフトでも、ノイズ除去とともに必要な
 音域までダメージをうける可能性があります

②録音時にローカット(ハイパス)フィルターを使用する
 ハムノイズは低周波ノイズですから、ローカットフィルタである程度軽減することが可能です
 ただし、録音機種によってはローカットの周波数帯を設定できないものもあったりしますから
 完全に除去することは難しい場合があります

③ノイズ源を除去
 よく言われるノイズ源としては、品質の悪いテーブルタップ、ACアダプター、パソコン、
 その他電化製品などがあります
 このノイズ源が特定出来れば、それを遠ざけるか通電をやめることでノイズ除去できる場合があります
 しかし、特定も大変だし、仮に特定出来ても録音のたびに対応するのはとても面倒です

④シールド処理
 PUまわりを何とかしてシールドしてしまうわけです
 PU本体だけじゃなくて、配線のシールド線化とかいろいろありそうですけど
 私は具体的にどうすればいいかといった知識が無くて、未だトライできていません
 アンダーサドルピエゾの場合は、シールド処理しなくても、「位置を少しずらすだけで消えた
 (回答12番)という情報もありますが、私自身は未確認です

⑤アース処理(その1)
 一般に「弦アース」という方法です
 ブリッジピンの穴に差し込んだ弦のボールエンド部分に接触するようなアースを
 ギター内部に仕込んで、「弦を手でさわることでノイズを消去する」という仕組みです
 多分、トップ板の裏側で弦のボールエンドに接するようにアルミ箔か何かを装着し
 これとエンドピンジャックの金属部分を結線すればいいのだと思いますが
 ちょっとあやふやなのと、想像しただけでめんどくさそうで(笑)、未だトライできていません

⑥アース処理(その2)
 ハムノイズを経験した人であれば、「シールドプラグをさわったら音が止まった」ということも
 同時に経験していないでしょうか
 そんな感じで、ピックアップから録音機までの経路のどこかでアースをとってやれば、
 ハムノイズはほぼ許容範囲内まで低減することが可能です
 (理屈としては⑤と同じことです)

今回ご紹介するのは、⑥の方法です
しかし、ずっとプラグを手でさわったままギターを弾くことは不可能ですよね(笑)
そこで考案したのがこれです


コードは特別なものではなくて、
いらなくなった家電製品の電源コードを2本に裂いたものを使いました(長さは2mくらい)

このコードの片方にクリップを半田付けしています
クリップはあまり大きなものではなく、プラグを挟んだときにがたつかないように、
少し小振りのものが良いです
事前にシールドプラグを挟んでみて、しっかり挟めるものを選定して下さい
また、最近の100均には色つきのクリップも多く売ってますが
もしかしたら塗装の関係で導通が良くないものもあるかもしれないのでご注意下さい
(すいません、これに関しては未検証です、ハンダ付けの前に確認するなどして下さい)

もう片方には、アルミの薄い板に銅箔を貼ったものの銅箔部分に半田付けしてます
アルミは、基本的に導電材料ですが、半田付けが難しいので、
いったん銅箔に半田してからアルミに導通させています
この銅箔はamazonで購入しました
裏にのりがついたものなので、アルミに上手く導通するかちょっと心配でしたが大丈夫みたいです


もうお気づきだと思いますが、使い方は簡単!!
クリップでシールドのプラグを挟んで、アルミ板を体のどこかに接触させます
私は足で踏みます(^◇^;)

 
足で踏むだけで録音上もほぼ気づかない程度まで低減することができます
問題があるとすれば・・・・真冬でも裸足にならないといけないってことでしょうか
まあそんなときは靴下の中に突っ込んじゃうとか(笑)

以下は効果検証ビデオです
途中に入る声はピックアップが拾ったものなので小さく不明瞭です、ご容赦下さい



12 件のコメント:

しばしば さんのコメント...

動画の中のギターは消えないですねー。。。
冗談はさておき・・・
ノイズを消すにも状況に応じていろいろな方法があるんですね。
勉強になります。
この前買ったBM-800ですがiPhoneだと録音できたのですがビデオだとダメでした、そこで安いファンタム電源を注文してしまいました、全てziziさんの影響ですよー・・・

zizi さんのコメント...

おはようございます

実はギターちょっとの間消えてました
といいますか、この動画は何年か前に作ったもので
動画のギターが一体何を使ってたのかわからなくなって
夕べ探しまくったのですがワカラズ
今朝になってアストリアスだったと判明しました(笑)

ファンタム電源ですか~、こんな感じかな?
http://www.amazon.co.jp/Andoer-48V%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4-%E4%BB%98%E3%81%8D%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF-Phantom-Supply%E3%80%90%E4%B8%A6%E8%A1%8C%E8%BC%B8%E5%85%A5%E5%93%81%E3%80%91/dp/B00WQF5E08/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1446516746&sr=8-1&keywords=%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A0%E9%9B%BB%E6%BA%90
となると、両端キャノンのマイクケーブルが1本必要になりますが・・
もしお持ちでなければ調達して下さいね

本来ビデオの外部マイク端子ならプラグインパワー対応なのですが
供給電圧が機器によってまちまちなので
運悪く使えなかったのかもしれないですね

でも・・・・せっかくだったら
プリアンプかミキサーでファンタム対応のが良かったかな~
などと、沼の主は申しております(爆)
深い深い沼の底までお供いたします
いや、主もまだ底までは見えておりませんけど・・・

しばしば さんのコメント...

いろいろと情報ありがとうございます。
本当に助かります。
下記2点注文しました。
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/19263/
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/25560/

今日はサンタ(1986と1995)2本を弾いていましたが
同じサイズのギターでも太く暖かい音の1986とキラキラした綺麗な音の1995と、
どちらもギター全体で鳴っていて気持ちいいです、やっぱり手放せないかなーと・・・
この2本の違いがハッキリ分かるような録音ができたら最高です。

zizi さんのコメント...

さすがです!!
多分48vの方が若干音がよいと思いますが12vでも大丈夫かと・・
あと蛇足ですがBM800注意3箇条をば(笑)
・ブーとかジーとかしゃれにならないノイズが出るときは
 マイクとマイクコードの抜き差し数回で多分消えます
・かすかなホワイトノイズは消えませんが、気になる場合は
 Audacityというフリーの音声編集ソフトで消去可能です
・BM800自体の出力は比較的高いので問題ないとは思いますが
 ビデオ側のゲインが調整できず音量が不足する場合とかは
 プリアンプが必要です(不要なことを祈りますが)
 この場合はオーテクのAT-MA2が便利かもしれません

サンタのツープラトン・・なんと贅沢な(^_^;)
僕も2台がかりのラリアットを食らってみたいです
いつの日か1台リード、1台サイドの多重録音を・・・(笑)

ギターの録音で困ることの一つに
弾き手が聞こえてる音と、聞き手に届く音が異なるというのがあります
録ってみたものの自分のイメージと違うことが良くありますが
このトラップに入ってしまうとなかなか抜け出せないので
「正面からはこんな風に聞こえるんだな」
くらいに受け止めるのが良いと思います

マイク位置でも音は相当に変わりますが
ネックジョイント正面、距離40cm(このマイク結構感度が高いので)
からはじめて、距離を前後させながら調整してみて下さい
10cm変わると全く違う音になると思います

mssumasum さんのコメント...

ZiZiさん、こんにちは

装置は簡単でも効果てき面ですね。
昔、ライブに出てた頃はハムノイズに随分と悩みましたけど、
最近の製品はどれも質が高くなったように感じます。
今はコンデンサマイク1本で撮ってますから、
とくに問題は生じていませんけど、
でもシールドを使えば今も昔も変わらない状況かも…。
現在、収録時に心がけているのは、
できるだけシンプルなセッティングにして、
余計な装置は接続しないようにすることです。

zizi さんのコメント...

mssumasumさん、こんにちは

さすがにライブでこれをつけるのはちょっと恥ずかしいですし
からだとどこで接触させるかも問題大ありですが(笑)
効果だけは間違いないです
今のPUはほんとに良くできてるので
マグネット系やマイク系ではほとんどハムノイズが出ることはありません
問題はアンダーサドルピエゾとコンタクトですね
コンタクトは処理次第で何とかなってる製品もありますけど
アンダーサドルは結構手こずります

シンプルセッティングは大事ですね
機器だけじゃなくて変換コネクタなんかも出来るだけ使わないのが良いみたいです
マイク録音じゃないですけど
先日、ラインの環境に組み込んでたエキサイターをバイパスすると
ものすごく音がすっきりして驚きました
元々ごちゃごちゃといろんなものを使ってみたい人なので(^_^;)
どうしてもこういう落とし穴に落ちやすいんですが
最後はシンプルイズベストだと実感します

がめラ さんのコメント...

う~ん勉強になります。80%位まだ理解できませんが・・・

zizi さんのコメント...

がめラさん、こんばんは~

う~~~~~ん(笑)
わかりにくくてすいません!!
多分、エレアコ使ってアンプか録音データから
「ウ゛~~~~~~」というハムノイズに遭遇したら
一気に100%解明すると思います
出会わない方が幸せですけど、不幸にも出会ってしまったら
再度このページを見直して下さい、です!

キャプテンチュウハイ さんのコメント...

おはようございます。

爆笑せず感心してしまい、リアクションを間違えてしまいました。
弦アースと同じことを別ルートでやられたんですね。

一般的じゃないやり方を考え出すのはDIY好きとして共感してしまうところです。
正しいやり方をそのままやるより、その人なりのアイデアが見られるものって
凄く好きです。

足で踏むのも分かる人にしか分からないマニアックな世界観が素敵ですよ。


現実的な話では、ご指摘の通り銅箔の糊やクリップの素材の導通は私も怪しい気がします。
ただ、ノイズが気にならなくなれば良い、という話なので聴覚上問題なければOKですよね。

zizi さんのコメント...

キャプテンチュウハイさん、おはようございます

このお道具は、自作のコンタクトPUがあまりにもノイズまみれなので
何とかならないかと作ったもので、1年以上前、去年の8月の製作です
出来上がったときには「なんて素晴らしい!」と自画自賛だったんですが
その後、ネット徘徊中に
ほとんど同じものをつくてた方がいらっしゃるのを発見して
相当しょげた記憶があります(笑)
でも、体にアースをとればOK、と言うことに気づいたら
あとは似たような発想になるのかなって、納得もしましたけど(^_^;)

いまのところ、私の中では作って良かった工作の第1位に君臨しております
弦アースはそのギターにしか効果ないけど
これは全てのギターに使えるという汎用性の高さ!(爆)
うちにはまだ数台、ハムハムな困ったギターがあるので
今も現役で活躍してもらってます

丸に橘 さんのコメント...

うーむ。専門用語が飛び交っていますね。。。。
しかし、ノイズがケーブルからも発生しているということは分かりました。
人生、至る所にノイズ有り、、、人類とノイズの戦い。。。
私の場合、自分の演奏が最大のノイズ、なんてことにならないよう、練習します。
ちょっと自虐的でした。(笑)
それにいたしましても、ziziさんの研究には唸ります。

zizi さんのコメント...

丸に橘さん、おはようございます
このところ忙殺状態で、なかなかそちらにも行けずすいません

生でのみ弾かれる方だと「なんのこっちゃ?」
って感じだと思いますが、
ライン録音されたりライブされたりすると悩まされる場合があります
100Hz前後の低周波の場合が多いので
耳障りなだけじゃなく、ずっと聞いてると気持ち悪くなってしまいます
これを低予算で何とかならないかと
研究すること苦節2日(笑)
今回は、手持ちの材料だけで作ったので材料費ゼロ円でした~