2025年9月3日水曜日

Jstaff S1 The Rolling Capo

断捨離頑張ってるんだからさ、
こんな面白そうなもの売らないでほしいのだけど・・


ギター用のカポダストである
ネックにつけたままフレット間を移動できるカポである
しかしてその正体は・・・変形ロボだったりする


超豪華(に見える)ケース
ケースは109mm×109mm×42mm、厚さ2mmのプラスチック製、そしてカポ本体は銀色に輝く台紙に埋め込まれている、かなり大きく無駄に豪華??
大きめのケース、で思い浮かぶのはTHALIA CAPOだが、それでもTHALIA CAPOのほうが一回りも小さいし、換えのフレットパッドやポーチなどを収納するという「ケースの大きさ」の意味があった
しかしながら、Jstaff S1カポのケースはそうではない
「きっと何かオマケが入ってるに違いない!」と思いきや、実は単なる上げ底、期待に反してカポ以外に入っているのは圧力調整用の小さな六角レンチのみであった
それならケースサイズは半分以下でもよいし、プラケース以外のパッケージングもあったろう
コンパクトにすればもう少し安くなったのでは??あるいはポーチか携帯用ケースが付けられたのでは??とついつい考えてしまう



ローリングの仕組み
本題に移ろうw
このJstaff S1 The Rolling Capoはネック装着のままフレット間を移動できるというのが最大のウリだが、それを可能にするのは指板面とネック裏のローラーである


ネック裏のローラーはスライド時の安定性のためか2本ある


ローラー構造というアプローチはGLIDER THE ROLLING CAPOと同じといえる
しかし、ルックスはJstaff S1 The Rolling Capoの圧勝(私感です)、そして決定的に異なるのが「着脱のしやすさ」なのだが、その辺りは次項で触れてみたい


着脱方法
冒頭、「変形ロボ」と書いた所以でもある

Jstaff S1 The Rolling Capoは基本的に「グリップ式カポダスト」なのだけど、これまでの写真を見て「どこをどうグリップすんのよ?」と思われたのではないだろうか
ご安心あれ!このカポはグリップ可能なように変形するのだよ


指板上のグリップレバーとネック下のトリガーレバーを回転させると、なんということでしょう(笑)、もう普通のグリップ式カポダストに見えるではないか
着脱時にこれをしないといけないのは確かにひと手間ではあるけど、それでも両手を使わないと着脱できないGLIDER THE ROLLING CAPOに比べれば使いやすさは言うまでもない
それに、この「ひと手間」なんだかカッコエエではないかw、むしろ人前だと必要もないのにカチャカチャと脱着を繰り返してしまいそうでさえある

【さてここで一つ注意】
Jstaff S1 The Rolling Capoは最大開口幅が構造的に固定値であり、あまり太いネックには装着できない
調弦後の弦の上端からネックの下端まで26mm以上のギターには使えないか、かなり使いづらくなる可能性が高いと思われる
指板幅についてはローラーが約58mmあるので一般的なアコギやエレキでは心配ないが、クラッシックギターはフラット指板なので、装着できたとしても3,4弦あたりがビビる可能性が高い


締め付け圧の調整
ネックの厚さが薄い時は締め付け圧を強く、厚い場合は弱くできるように調整機構が備わっている
調整は六角ヘッドのイモネジを締めこむことで強くできるが、最も弱く設定しても結構な強さなので、ビビらない限りは最弱で良いと思われるし、「変形ロボ機構」のレバー部がなんとなくひ弱そうに見えるので、破損回避という意味でも可能な限り軽めに調整するのがなんとなく無難そうな気がしている
調整のための六角レンチが付属するが、1.5mmの六角レンチなので仮に紛失しても容易に入手できる(Amazonだと送料込みで数十円で調達可能)


手持ちの六角レンチを使用(付属の六角レンチはシルバー)

調整度合いを目で確認することもできる
・・・のだけど、視認性は極めて悪い(個体差かもしれないが)し、弱めの設定時は目印となるゲージすら出てこないので、そうそうお世話になることはなさそうだ
下の写真で黒の穴の中にちらっと銀色に光るのがゲージである


そろそろ「使い勝手」の話を・・
【スライドの難易や安定度】
スライドは容易かつ基本的にはとても安定している
安定、というのはスライドしたときに横ずれを起こしたり、斜めになったりしにくいという意味だが、もちろん「やり方」と「慣れ」が関係する
これは私の意見であるが
 ・フレットアップ時(音程を上げる)は「親指をネック下部分に引っ掛けて引き寄せる」
 ・フレットダウン時(音程を下げる)は「親指と人差し指で弦押さえ部の両端を押す」
というのが基本になりそうに思うが、その理由は以下のとおりだ

演奏中にカポ移動を要するのはほぼ弾き語りに限られ、かつその多くは曲中の半音上げのシーン(1フレットアップ)と想定される
この場合、私は可能ならコードの音を維持しつつフレット移動したいと、例えばCのコードを抑えながらフレット移動したいと思うので、移動のための指は「親指しか残っていない」ために「親指でネック下部分を押す」ことになる
ただ、ネック下部分のどこでもよいわけではなく、下の写真、赤いレバーの左側(黒い金属部分)に小さな突起があり、これを親指で感じながら操作することで、移動中に斜めになるのを防ぐことができる


逆にフレットダウンは演奏中ではなく、次の曲に備えてカポを移動したりするシーンが多いと思うので、最も動かしやすい「親指と人差し指で弦押さえ部の両端を押す」(または引く)という動作が合理的な気がする

【カポを使わないときの処置】
一般的なカポのように「ナットの上に挟む」というのは、いくつかのギターで試したが困難とわかった
ネックの太さとこのカポの開口限界から物理的にはさめないという場合もあるし、はさめてもローラーのせいでナット上で安定しない場合もある

ナットとペグの間に挟んでおくことは多くの場合可能だが、当然弦のテンションに影響するので気持ち的になんだかいやだw

ヘッドに挟むのも可能だが、ヘッド裏には下部ローラーの角、しかも片方の支点側が当たるため、
 ・簡単には傷つかないとは思うがヘッド裏の損傷
 ・ローラーの支点損傷
が心配される


結論を言えば、「ギターのどこかにつける」のはあきらめてどこか手近な場所に置いとくことをお勧めしたい
もしくは・・・半音下げチューニングをしておいて常に1カポをホームポジションにするくらいだろうか

【音の良し悪し】
装着時のもっさり感もほとんど感じず、私としては良い音、使える音と感じるが、そもそもこのカポの存在意義「フレット移動」が程よく便利に実現できていることを思えば、もう「音なんてビビらなければOKよ」と思えてくる
なので、「OKよ」と書いておきたいww

その他の良いとこ悪いとこ
【〇 感心するほど作りが良い】
全体的なデザインや配色、可動部分のカッチリ感、表面仕上げの質感、諸々含めて正直素晴らしいと思う

【△ 耐久性は??】
耐久性を語るほどまだ使えていないが、
 ・赤のレバー部分の耐久性(グリップレバーもトリガーレバーも)
 ・ローラーの耐久性、耐摩耗性(上下ともだが特に上の弦押さえローラー)
にはやや心配が残る

【△ ちょっと高い】
現時点で、Amazonでは7980円か6980円(なぜか販売店により異なる)、Aliexpressでは最安5600円(送料含む)ほどで販売されている
機能性や作りの良さを思うとぼったくりとまでは言えないが、5000円程度なら良かったなあと個人的には思っている

【〇 カポつけたままチューニング】
カポを付けると大なり小なり音程がシャープするので、再チューニングを要する
このとき一般的なカポだと「なんかカポのゴムが削れそう」とか「指板大丈夫?」とか(※)の気持ち的ハードル(私だけ??)があるが、S1 The Rolling Capoの場合はそのハードルが相当下がる
 ※ 気がするだけでそんなことは起こらないと思うのだが(笑)

使ってみた
まだまだ慣れが必要ですが、基本的な使い方くらいならお伝えできるかと(笑)