2018年1月28日日曜日

イルカの誘惑 (4/4) ~終章~

前回までは、高揚感たっぷりに書き通してきたつもりだが
さすがにお安くは無いギターを同時に2台も購入してしまった心情たるや
正直に吐露するなら、とてもワクワクだけでは済まない
気分は上がったり下ったりのまさにジェットコースターだった

  ◆ドルフィンに電話するまでの逡巡も

    ◆震える手でATMの「はい」ボタンを押したときの、罪悪感に似た気持ちも

      ◆期待と不安にまみれながら到着を待つ時間の重たさも

諸々含めて、きっと忘れられない記憶となることだろう

そしていろいろな人にお世話にもなった

 ・金額面を含めてお世話になったドルフィンギターズさんと
  わけのわからない質問や要望にも、丁寧で優しい対応をいただいたスタッフのT様

 ・遠方ゆえ実機を見に行けない私に代わって実機確認していただいたしばしばさん
  もちろんあの「しばしばの誘惑」(「イルカの誘惑(2/4)」参照)の人でもある

 ・そして、現在「良いギターを捜索中」の某氏
    |少し前になるが、彼から「今、気になるギターがあるんだよね」と
    |聞いていたそのギターが、実は今回の2台のうちの1台であった
    |私はそのことをすっかり忘れてしまっていて(^_^;)
    |たまたまの出会いと自分の判断で購入にいたったとは言え、形だけ見れば「横取り」
    |この意図せぬ偶然と私の失念をお詫びしたのであったが
    |こころよく???お許しいただいた彼にとても感謝している

激しく揺れ動いたこの半月間の出来事と、
多くの人への感謝をここに書きとどめておきたい・・・と、
そんな思いが今回の「イルカの誘惑」4部作となった次第である



後悔というわけではなく、こんなふうにギターを買ったあと、必ず頭に浮かぶ言葉がある

「たくさんギターを買うより、1、2本に絞ればもっとすごいギターが買えるのに」

そのとおりである
今回のことにしても、1本に絞って、もうちょっと背伸びすれば、
あのErvin Somogyi でも、お尻くらいは視界に入る

でも、私はアコギにふれてからまだ日が浅く、ギターの音の可能性と言えば良いのか、
どんなギターからどんな音が出てくるのかの方にむしろ興味があるし
経験値不足のため、まだ自分の中ではっきりとしない「良い音のイメージ」を
いろいろなギターを弾いて少しでも確かなものにしたいという思いもある
余談だが、これまでに買ったギターを「機材リスト」で見てもらえれば、
ああ、音を探しながらギターを買ってきたんだね」というのが
良く分かってもらえると思う
メーカーもシェイプも価格帯も見事にバラバラであるからして・・・

しかし私の場合、どこまでいってもギターを1、2本にまでは絞り込めないだろうとも思う
それは「1本のギターの音として<良い音>を定義するのは難しいだろうな」と考えてるためだ
経験値を高めて基本的な「良い音イメージ」がある程度固まったとしても
気分、体調、お天気、曲目・・・いろんな要素で「何を良い音と感じるか」って変わるもの
まあ、1台のギターで多彩な音色を出せる技術があれば別だが
私などは唯一無二な究極のギター1本より
いろんな個性のギターに囲まれていた方が楽しいギターライフになるのではないかと
思ったりするわけだ

それでも、さすがにこれからは、「手当たり次第」って感じでギターを買うことも無いだろう
できれば10年くらいの間に(続けてればの話だが・・)
今の玉石混淆状態から、選りすぐりの5、6本程度にできれば良いなと思っている
とはいえ、もし良いタイミングで良品と出会えたら、
ソモギだってあきらめたわけじゃないが・・・(笑)

ただ、困ったことに
手放す前にギターを弾くと、「たすけて、堪忍して」とばかりにいい音で鳴るんだな・・・
その懇願を振り切れるかどうかが絞り込みの鍵となりそうだが
温情派のziziさんのこと、まだ当分の間、ギターミュージアム状態は続きそうだ



さて、この2台のギター、「ziziギターミュージアム」では24台目と25台目のギターとなります
(以下、ドルフィンさんの写真をお借りしてます)

Greven J-Herringbone Deluxe
 (Brazilian Rosewood)
NISHIHARA GUITARS REYDEN SJ
 (German Spruce & Honduran Rosewood)

下手くそが持つには過ぎたギターですが
きっとギターライフをいっそう豊かで楽しいものにしてくれることと思います
その楽しさを「音」に変えて、少しでも皆様にお届けできれば
安い買い物だったと思える日もくると・・・

 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 
なんか綺麗にまとめようとしとるが・・・・

 
な、わけないやろう~~💢

どうすんじゃ、老後~!

どうすんじゃ、おどりゃ~!三途の川、ギター漕いでわたるんか!


(怒気に満ちた足音が迫る)
 
 
いやいや、これは「財形貯蓄」といいましてな・・・って、えっ?

いゃ~~!、やめて~!、暴力反対~~~!

何持っとるん?、そ、そ、それハカランダいうんです~、墓ちゃいます~

は、話せばわかる、い、イルカが、イルカが・・・

ボコッ!、バキッ!、グェッ!



(静寂、そして静寂・・・)



 我が人生に・・・悔い・・・あり・・・

合掌




 「イルカの誘惑」 THE END

 

10 件のコメント:

ドラ さんのコメント...

あはは!!
ziziさんすごい!
ラストにハカランダで墓穴までほったw

ziziさんと一緒にハラハラドキドキしながら
終章をむかえました!

ziziさんの知力・体力(色んな意味でw)行動力ぜんぶがすばらしいです!


いつかziziさんのギター小説がよみたいです
そんで直木賞の副賞で今回の罪悪感をチャラにしましょう!
ziziさんなら夢じゃないですw

あ、けどその副賞はきっと・・・

Ervin Somogyi に化すんだろうな・・・( ̄▽ ̄

zizi さんのコメント...

>Doraさん

まずは最後までお読みいただいた忍耐力を褒め称えたい(笑)

買うたびに「○○の誘惑」を書いてたわけでもないのですが
今回は一桁違うお買い物で「決断」も「罪悪感」も半端なかったので
なんと言いますか、
「落ち着かせるために」せっせとテキスト打ってたと
そんな部分も多いにあったわけです

その甲斐あってか、
皆様に楽しんでもらえたかどうかはさておき
連載?を終えてかなりすっきりした気分です
これで、こころおきなく新しいギター弾けそうです~~w

直木賞・・・・夢の印税生活(爆)
でも、副賞の100万円ではソモギは難しいので
2、3回受賞しないと(^_^;)
やっぱり夢は夢のまま・・・みたいですw

丸に橘 さんのコメント...

しかし。。。2台同時購入!
恐れ入り奉りました。
これは、ziziさんの財力を証明していますね。
しばしばさんといい、ziziさんといい、羨ましい。。。
それにしても、2台ともカッタウェイというのも面白い組み合わせですね。
ぜひ、詳しいアップをお願いします。

zizi さんのコメント...

>丸に橘さん

ソロギ弾きさんだときっとカッタウェイを選ぶ方が多いでしょうね
僕はJ-GUITARを見てても
写真でカッタウェイじゃなければ読み飛ばしますw
手持ちのドレッドもGE兄弟以外は減らしていこうかと思ってます

しばしば さんのコメント...

こんばんは。

うーむ、そんなに悩んでいたとは、
知らなんだ。。。

でもねー、もし売れていても結局またニシハラギターや
グレーベンを探す旅は続いてたと思います。
いろんな面でタイミングがピッタリだったのだと想像しています。

師匠が購入したNISHIHARAギターは、
自分が去年のギターフェスで西原さんと
オーダーギターの最終の詰めをしながら
弾いてネック幅とか参考にさせてもらったギターでもあり
なんだか縁を感じます。
まさかあのギターを師匠が購入し自分が確認のために
また弾くことになろうとは・・・

ギターの本数は難しいですよね。
たとえ世界一のギターでもきっとその1本では
満足できないし、同じタイプばかりでも飽きてしまうし
弾く曲でギターに求めるものは違ってきますよね。
自分はドレッドばかりだったので、かなり整理したのですが
全く後悔はしていません。
今となってはドレッド最高と思っていたあの頃が嘘のようです。
やっぱり1つだけに拘っていたら
見える世界も狭いし、知らないことばかりだったと
いろんなことを教えてくれた師匠には感謝感謝です。

最低でも3本、できれば5本。
趣味的なものまで入れると自分は7〜10本は
手元に置いておきたいです。
多分それ以上あると1週間に1回も弾かないギターが
出てきてしまいそうです。

まだまだギター探しの旅は続きそうですね( ̄▽ ̄)

zizi さんのコメント...

>しばしばさん

それはまあ、人並みに迷いますよ「人間だもの」(笑)

ギターに限らない話ですけど
良い音って弾く人、聴く人の数だけきっとあるんでしょうね
ソロギ弾きと弾き語りの人でもかなり嗜好が異なるし
まあでも、それだから無数のギターというのも存在するのでしょうけど(^_^;)

ただ、ギターを完全に一人で楽しむだけならまだしもですが
誰かに聴いてもらうという機会があったり、それが目的だったときは
もっと話もややこしくなりますね

こんなふうに多くのギターを弾いてきて
一つだけ怖いなあって思うのは
これ最高じゃ!って思ってるのは自分だけで
実は裸の王様なんじゃないかってことです
自分が気持ちよいことが一番だから、別に裸の王様も悪いばかりじゃないんだけど
それでも時々、「喜んでるのは俺だけ??」なんて
少し怖くなったりします(笑)

きっとこれは、練習に一生懸命すぎて
これまであまり有名なギタリストの演奏も聴いてこなかったせいかなとも
思うのですが、
僕には、まだまだ「耳を肥やす」必要が多いにありそうです(笑)


ギターの必要本数ってやっぱり一桁ですよね
記事にも書いたようにできれば5、6本って思うけど
曲調とかチューニングとか考えてるともうちょっと必要かな
まあ三途の川を渡るときは2本あれば
両足に1本ずつはいて渡れそうですけど(爆)

J minor さんのコメント...

ziziさん、こんにちは。

>  |こころよく???お許しいただいた彼にとても感謝している

世の中には太っ腹な人もいるんですね~♪

まあそんなことはともかく、どちらも当たりのギターだったようで、よかったですね。
こっちなんか、買ったとたんにお壊れになったもんなあ~。
ギターの神に見放されているんじゃないの?

この前ちょろっと話したギターを売っているお店は月曜日が休みなんでねえ。
困っちゃいますよ。
で、今頃 Lowden S-32J が登場したりしてね。秋だったら即買ってたかも(新品だけれどね)。

まあ当分こっちは駄目そうです(苦笑)

zizi さんのコメント...

> J minorさん

いや~~、ほんとに太っ腹な度量の広いカタで助かりました
しかし人間って舞い上がってしまうと大事なことも忘れてしまう(笑)
気がついたときはマジデ青ざめました(^_^;)

2本ともといいますか
まだグレーベンとはご対面を果たせていないw
実はちょっとした修復作業がありまして
それが塗装を伴うので時間がかかってます
なので当たりかどうかはまだわからん~~(^_^;)

けど、逆に2本とも同時に到着しないで良かったなとも思ったりして
おかげで長い時間感動が持続しますw
J minorさんも2本買うときは時期を少しだけずらすと楽しめますよ~~(笑)

例のギター、もうかっちゃいましょう!!
楽しみにしてますよ

めぐみ さんのコメント...

師匠 おはようございます。

いゃあ~、ギターブログで
これだけ面白い私小説が読めるとは・・・
感動しました。

ご存知ない方にお知らせしますけど、
師匠はお話も面白いんですよ。
音楽家・作家・噺家、そして大金持ちの実業家。
さらにさらにイケメン。
もうね、天は二物どころではない
えこひいきしまくりですよ。

それはそれとして、
なんのこっちゃ(^_^;

アコギの本数は、
最低でも7本は欲しいですよね。
生アコギのドレッドノートとカッタウエイ。
エレアコのドレッドノートとカッタウエイ。
12弦ギター。
ナッシュビル弦用のアコギ。
12フレットジョイントギター。

好きなブランドが三つあったとしたら
かける3で21本。
師匠の持ちギター数は妥当なところです。
まあ、予算も置く場所もない
というひとでも、
生アコギのドレッドノートとカッタウエイ、
この2本くらいは必要でしょう。。
ドレッドノートだけでは
ペンタトニックも半分しか弾けませんしねぇ。

最後に、師匠、
後悔することはありません。
ゲーテも言っておりますです。

「苦しみが残していったものを味わえ。
苦難も過ぎてしまえば甘い」

逡巡とプレッシャー、
苦しんで苦しんで出した結論。
その木に実った果実は
とぉっても甘いですよぉ~
実の子となってくれた
この子たちの甘美な音色に
師匠はこれからどれほど慰められることでしょう。
その代価としては決して高くはありません。

遠くない将来、師匠の苦しみによって
私たちはErvin Somogyiの珠玉の音も
きっとここで聴けることになるでしょう。
楽しみにしていますぅ~o(^-^)

zizi さんのコメント...

>姫様

ああもう、短い時間でも姿がみえんと心配する
やっと一安心(笑)

4部作楽しんでいただけましたでしょうか
姫様に褒めていただけると書いた甲斐があります
ブサイクが不細工に書き散らしたもので
もう姫様の言われるように「天は二物」などはあり得ませぬ(笑)
せめて一物欲しいと願いますが、・・ん?一物・・・
話がシモに走らぬように、この辺で自重しときます(^_^;)

ギターの本数
「○本はいるよね~」って理由は人それぞれでしょうけど
まあ1本というのはつらいから、どうしても複数欲しくなりますよね
僕の場合はというと
◆まずはチューニングの種類別にというのがあります
 ずぼらゆえ、って部分は大ですが(笑)
 レギュラー、DADF#AD、CGDGBDの3つはやっぱり必要かなあ
◆次に鉄弦に加えてナイロン!
 これも音の変かが楽しいし指が痛いときも弾けるから必須
◆その次に音色かなあ
 材やシェイプで微妙に変わる音が楽しい
そんなこと考えるとすぐに10本くらいになりそう・・・恐ろしいw

「苦しみが残していったものを味わえ。苦難も過ぎてしまえば甘い」
なるほどなあ・・・・
そういうことならもっともっと買っても・・・・
いか~~ん、上手くのせられるところでした(笑)
まあ今後は物々交換的に手に入れるくらいにしたいと思ってますけど
ziziギターミュージアムでは、寄贈、寄付のたぐいは拒みません(^_^;)
従いまして、takamine君の寄贈にも対処できるように
場所の確保、寄贈者のネームプレートなど準備中ですので
ご安心してご送付ください
その場合の送料は着払いでけっこうでございます(爆)

まあ冗談はオイトイテ
4部作一気に放出して、気分的にも落ち着いたので
以降は元通り中3日の更新に戻りますが
よろしければまた読んでやってくださいね
ただ、妙な物で4部作の文体からなかなか抜け出せなくて(笑)
アップ予定の記事を書いてても変な感じですが・・
ではまたそのときに!!!
姫様もお体大事にね!