2022年7月30日土曜日

WARM AUDIO WA273 マイクプリアンプ(1/3)

スタジオコンソールの世界に輝かしい名を残すRUPERT NEVE ( ルパート・ニーブ)氏
残念ながら2021年2月、94歳で亡くなられましたが、プロ用機材ばかりでなくマイクプリアンプをはじめとする一般向けの製品も数多く、プロアマ問わず今も多くの人に愛用されています

1970頃発売という「NEVE1073」

ただ・・・私のような者からすれば、あまりに高嶺の花!かつビンテージなんて入手自体困難
もちろん実機を見かける機会もなければ音を聴く機会もないわけです
「ニーブ最高!」というネット記事にあこがれはつのるばかりですが、正直、何がニーブの音なのか、何が良いのかもよくわからないのであります

しかしながら、ニーブコピーやニーブクローンという機材がいくつかのメーカーから発売されており、本家をしのぐと言われるオーロラオーディオのような高級機もある一方で、中にはかなり安価なものも存在します
もちろんニーブ本来の音を知らないのだから、それらを聴いて「うんうん、これだよ」なんて満足はないのですが、ニーブワールドの末席に座った気にくらいはさせてくれます(笑)

私自身、いわゆるニーブ系と呼ばれるGOLDENAGEやFOCUSRITEなどの製品を使ってきましたが、ニーブクローン機の中ではダントツのコスパと評価を誇る「WARM AUDIO」を試していないのが心残りでありました・・・・


そもそも必要か?マイクプリアンプ


あくまで音響やレコーディングのプロでは無い「私」からみたマイクプリアンプ考です

【確かに無くても大丈夫とは、いえる】
最近のオーディオインタフェイス内蔵のマイクプリは大変よく出来ていて、そんなに不満を感じる場面はありません
単体マイクプリアンプの使用、非使用で音がどう違うかを上手く言葉にするのは難しいくらいですから、ある意味「無くても大丈夫な機材」と言えるかも知れません
いずれ近い将来、オーディオインターフェイスのマイクモデリング技術がさらに進化し、「昔はあったよね~マイクプリアンプ」なんて日が来るかもしれませんw

【しかしながら、「なんとなく違う」のだ】
単体マイクプリアンプを使うと、上手く表現出来ないのですが、音のなめらかさ、密度感、透明感、太さ、立ち上がりの良さ、そんなものが少しずつ微妙に違って来るように(私は)思います
ネット上では1つの表現として「音が前に出てオケに埋もれない」等と表現する方もいらっしゃいますが、これはアコギソロ録音が目的の私には「ちょっとわからない世界」ではあります
ただ、いずれにしても「なんとなく違う」は、聴く人の「耳の質と経験値」があってこそですから、違いの大小も人それぞれだし、違わないと感じる人もいると思います

【無くても大丈夫、違いも微妙なら、なぜ使う?】
なんとなくだろうが、微妙だろうが「違う」と感じたらそこを追求するのが「趣味」というものだからです(笑)
私、一時期ゴルフにはまりましたが、距離が伸びる、打感が違う、強い球筋、易しく打てる・・そんな「ようわからんもの」を求めて毎年のようにドライバーを変えてた時期があります、趣味ってそんなものです
おっと話がそれそうw
しかし、趣味でかけられるお金には限りがあるし、WARM AUDIOだって安いとはいっても13万はアマチュアに優しい金額ではありません
私にとって、そんな投資に見合う動機(言い訳?)はこんなものです
 ・世間の評価をみるかぎり、きっと思うような「違いがある」にちがいない
 ・いや、そもそもその「評価」の真偽を確かめたい
 ・自身の「耳の性能」も試してみたい
 ・スタジオにもあるような機材を使うという安心感
 ・単なる見栄や好奇心、根拠の無い期待感・・・etc
問題は、「買う前に違いはわからない」ということ
私自身は、マイクやマイクプリの購入遍歴とネット評価で想像しますが、まあね、そりゃ「がっかり」だってないわけじゃないっすw
でも今回は、買って良かった!と思っております!!

WARM AUDIO WA273

どのレビューを見ても「これは良いね」という言葉が並びます
もちろん「価格を考えれば」というのが前提なのでしょうけど、「NEVEの音だ」という言葉には、心を揺さぶられます(本家は知らんけど・・・)

購入はいつものサウンドハウス、5%オフキャンペーンで決意しましたw
1Uの機材にはあり得ないほど巨大な箱(輸送用ではなく製品の箱です)で一瞬目を疑いましたが、大きさだけでなく重さも尋常ではない(^0^;)
しかし、そこは昭和生まれの私・・・「重いものは良いものだ教」の信者なので大満足です

実はこのWA273は音だけじゃなくて、見た目も本家NEVEに似せているらしい・・
ミーハーな私はご本家は知らなくてもすっかりNEVEユーザーの気分であります(笑)


コントロール


WA273には英文マニュアルしかついていませんので、私自身のためにも(笑)、ここですこしグーグル先生に手伝ってもらいつつ、各コントロールの機能を紹介しておきます

1.+48Vスイッチ
48ボルトの機能は、コンデンサーマイクやXLR入力を介して継続的なファンタム電源を必要とするその他のデバイスに電力を供給します。この電力は、音質の低下を防ぐために一定のレベルで供給されます。ファンタム電源がアクティブになると、隣接するLEDが点灯します。

2.極性スイッチ
この機能は、信号の極性を反転させます。複数のオープンマイクで録音する場合は、極性スイッチを使用して、マイク間の位相キャンセルに対処します。

3.トーンスイッチ
使用する(押す)とWA273の入力インピーダンスは300オームになります。
押していないときのWA273の入力インピーダンスは1200オームです。
この機能により、ほとんどのマイクのトーンが顕著に変化します。
コンデンサーマイクとダイナミックマイクには1200オームのインピーダンス設定が推奨され、ダイナミックマイクとリボンには300オームが推奨されます。
このスイッチには、理由から「トーン」というラベルが付いています。ほとんどのリスナーは、切り替えられていない設定がよりオープンで自然であり、エンゲージされた設定がよりパンチの効いた、アグレッシブな、または厚いことに気付くでしょう。すべてのソースで両方の設定を試して、録音に最適なトーンを見つけることを強くお勧めします。
特定の状況でどの設定を使用するかについては、耳を最終的に判断してください。(・・と説明書に書いてありますw)

4.ライン入力スイッチ
WA273背面のTRSライン入力に接続し、XLRマイク入力を切断します。

5.インサートスイッチ
挿入ループを信号パスに切り替えます。

6.インストルメントスイッチ
WA273の前面にあるインストゥルメント入力をオンにし、XLRマイク入力を切断します。

7.TS機器入力
WA273の前面パネルの機器入力に、アコースティックおよびエレキギター、ベースギター、キーボード、シンセサイザー、ドラムマシン、といったさまざまな機器を接続できます。

8.ゲイン調整ノブ
音源のゲインを調整する22ポジションのゲインスイッチです。

9.ハイパス(ローカット)ノブ
50Hz、80Hz、160Hz、300Hzの間で切り替え可能。
 ※オクターブスロープあたり18d8と書かれているが・・意味がよくわかりません

10.出力制御ノブ
WA273を出る信号を制御します。録音デバイスまたは信号チェーン内の次のデバイスの入力に過負荷をかけないようにします。
また、プリアンプのゲインをより強く駆動する能力が向上し、さまざまな設定でより優れたカラーリングとトーンシェーピングが実現します。

システム構築


さて、WA273単品でも使えなくはないのですが、使い勝手を考えるとそんなわけにもいきません
 ・PCなしでも、マイク録音(録画)が可能、この場合は高品質なリバーブが欲しい
 ・もちろんPCでの録音も可能、このときはオーディオインターフェイスのリバーブでOK
 ・ステレオにもモノラルにも対応可
まあそんなことを考えながら、以下のようなシステムとしてみました

問題は、「ステレオにもモノラルにも対応可」という部分です
本来リバーブはWA273のエフェクトループ端子につなぎたかったのですが、マイク1本の場合でも対応するため、
 ・信号の流れを単純化しておきたかった
 ・確実にモノラル対応とするにはUR816cのミキシング機能の活用が確実
と考えたので、とりあえず直列接続としています



ここで、一応の音出し確認を実施

しか~し、ここでノイズトラブル発生!!!


(次回に続く)

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