2019年3月12日火曜日

プリアンプ Tidemark Tutorial2

LOWDEN専用のプリアンプとすべく購入
LOWDENからのPASコンタクトとSUNRISE S2のステレオ出力に対応した
ミキシングプリアンプです

3種類のTutorial2

現在Tidemark Tutorial2には、
ノーマル、フィンガー、ストラムの3バージョンが存在します
このうち、フィンガーとストラムはハイクオリティ版としてノーマルとは差別化が図られており
価格も1万円(+税)高く設定されています

  ※春からはノーマルの廃止及びハイクオリティ版の価格改定が予定されています

さてこの3バージョン、一体どう違うのか、というのが購入時最も気になるところです
しかしHPでは丁寧に説明されているものの、実際の音のイメージが湧いてきません(^_^;)
そこでTidemarkさん(PASさん・・とっちでお呼びして良いのか未だに不明w)にご相談したところ

「3種類とも送りますから、聞いて選んでいただいてかまいません」

とのめちゃくちゃありがたいご返事をいただきました
この場を借りて再度御礼申し上げたいと思いますm(_ _)m


実に幸せな光景でありますな~~~(しみじみw)
さて、実際のテストに先立って、
TidemarkのHPの記載をお借りして、この3バージョンの簡単な説明をしておきます
(以下、HPから引用)

【ハイクオリティ版(フィンガー、ストラム)と通常版(ノーマル)の違い】
 |①旧バーブラウン製のオーディオ用オペアンプを全回路に使用。
 |②限定版で好評だったソフトタッチスイッチを採用。
 |③その他各所、高性能品の部品に変更。
 | ※ハイクオリティ版と通常版の機能は変わりません。

【音質による選び方】
 |ストラムタイプはコンプ感があり、ストラム(ストローク)や、スラム奏法に適しています。
 |フィンガータイプは、タッチに対して最も追従性が良く、奥行きがあります。
 |ストラム系奏法は各弦のまとまりが必要で、逆にフィンガー(アルペジオ)は各弦の
 |独立性が必要だと考えます。
 |これらは好みやスタイルによって、求められるものが違いますので優劣を付けられる
 |ものではありません。
 |そこで、ストラムタイプ及びフィンガータイプにつきましては、お買い上げ時にお望み
 |でしたら両方お送りし、2週間程度実際に使っていただいてどちらかを決めていただく方式
 |を採用しております。
 |ノーマルは、やや音質の精細性は下がりますが、機能、能力は同等ですので、入門及び、
 |エフェクティブなボードを組んでおられ、基本音質を重視しない方にお勧めします。

(引用終わり)

基本的な部分の感想

①低ノイズ!
 宅録派には本当にありがたい低ノイズです、ブーストかけてもへっちゃらです(笑)
 もちろんTutorial2だけではなくPASコンタクトやSUNRISEの性能もあってのことですが
 ノーマル、ハイクオリティ(フィンガー、ストラム)ともに極めて低ノイズです
 ですが・・・(笑)
 実はノートラブルというわけでもありませんでしたので、参考情報を記載しておきます
 もちろん、トラブルと言っても、Tutorial2に起因するものではありません
 また、うちの環境では全て解決済みです

 【ジ~~ノイズの発生】
  これは、TidemarkさんからもSUNRISE側から僅かにノイズがのるとのご指摘があり、
  ノーマルに関しては対策品(RING側のインピーダンス変更)を送付してもらってました

     ※Tidemark様から補足1
      |サンライズのほうから、ジーというノイズが多少ありました。
      |Tutorial2はRING(サンライズのほう)の入力インピーダンスは
      |デフォルトで2Mオームです。
      |高くなればなるほど高周波まで拾いますので、その分ノイズが増えます。
      |これを500k程度まで下げれば多少は改善方向に行きます 。
      |  (⇒このためノーマルについては500kに変更して送付いただいたという次第)
      |ただし、テスト環境はMACKIEのREACHをフルテンにしてチェックしており、
      |かなりシビアにしていますので、通常では気にならないレベルかと思います。

  しかし、こちらでは当初その種のノイズは3種とも一切発生せず、
  「なんだ、大丈夫じゃん!」と安堵してたのでしたが
  テスト中に「ジ~」と言うよりもう少し低めのノイズが発生しはじめました
  結果的にこれは電源由来のノイズで、
  当初、モバイルバッテリーで駆動していたのですが、どうやらこの昇圧コンバーターが
  犯人だったようで、BOSS製の電源アダプタに交換すると嘘のように消失!!
    ⇒何か問題を感じたら「電源」を疑ってみましょう!

 【ハムノイズの発生】
  ギター→プリアンプ間のケーブルは、当初ちょっと張り込んで、こんなの使ってみました(笑)
     L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Stereo Y-Cable
   ところがこれを使うとPASコンタクト側から「ウ~~~」という低周波ノイズが発生
  そこで、今度は400円の激安ステレオケーブルを使用すると・・・
     CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CSS015
   ハムノイズを完全に撃退(笑)、私には理屈は良く分かりませんが、
  もしもYケーブルでTutorial2のTIP、RINGの2端子に入力してハムノイズがのるようなら
  ステレオケーブルでTIP/DUAL INに入力するとうまくいくかも知れません
  (全く根拠無くて、申し分けないw)

    ※Tidemark様から補足2
      |Yケーブルのノイズに関しては、ケーブル自体の劣化(酸化)がある場合、
      |ピエゾのインピーダンスの高さからノイズが載りやすくなっております。
      |Yケーブルの構造というより、酸化やはんだ不良を疑うほうがいいかもしれませんね。
      |少し補足しますと、
      |Tutorial2というかうちの製品は全般的に一般の製品よりレンジを広くとっており、
      |下は10Hzでもフラットです。そのため、電源のハム50Hzなども簡単に拾います。
      |内部に電源クリーン回路を入れておりますが、主に全体域に効きますが
      |ハムというのはかなり音量が大きく完全に取り切れない場合もあります。

  ただね~、この「ウ~~~」とか「ブ~~ン」とかのハムノイズは、
  ケーブルで解決すれば幸運ですが、そうでないと意外に手強く根治が難しいです 
  以下はあくまでハムノイズ対策の一般論ですが、最後のは「限りなくブサイク」です(笑)
    ⇒何か問題を感じたら「ケーブル」を疑ってみましょう!
    ⇒それでもダメなら「周囲の家電」を全部切ってみよう!
    ⇒それでもダメなら「電源」疑ってみましょう!
    ⇒それでもダメなら「ノイズ源のPU」を新品にしてみよう!
    ⇒それでもダメなら「コレ」みてみましょう!(笑)

②2系統それぞれに独立したコントロールがありがたい
  2系統入力をミックス可能なプリアンプというのは結構存在するのですが
  「EQセクション」がミックス後にかかる、要は1系統しかないタイプも多いのです
  しかし、マグネットとコンタクトという個性の異なるPUのミックスでは
  それぞれにEQがついているとかなり使い勝手が向上します
  GAIN、EQ、VOLUMEが2系統に独立して設定可能なのはよい発想だと思います

③やや固めのノブも好感触
  不用意につまみが動くことが防げて、ちょうど良い感じのノブです

④フットスイッチはハイクオリティ版が好みw
  自分の場合、フットスイッチと言っても足で踏むことは100%無いので
  あの「ガチッ!」っていうのよりはソフトな感触の方が嬉しいです

⑤ちょっとお願いしたいこと
  使い慣れれば、全然問題ないことだけど、こんなふうだとちょっと親切かな~~なんてw

  ・コントロールは上段TIP、下段RINGだと思われるのですが、出来れば印字がほしい
  ・シールでも良いから「FOR FINGER」とか外観だけで区別のつくようなものがほしい
  ・コントロールの右端「BOOST MASTER」については、いわゆるマスターセクションなので
   左側のコントロールとはやや異なるというのがわかりやすいと嬉しい
   コントロールを囲む白枠を別枠とするとか、ノブ色を変えるとかw


音の比較

せっかく3種類を試す機会をいただいたのだから、ちゃんと聞き比べて決めなきゃ!
ってことで、早速テストを初めて見たのですが、いや~プリアンプの比較ってほんとに難しい

最初は、3つともEQフラットで比較しようと思ったのですが、
どっちかと言えばドンシャリ好きの私なので、ある程度好みの音質での比較の方が
現実的ですのでEQはその方向で(笑)
もう一つの問題はリバーブです
私の場合、リバーブ無しでTutorial2を使うことはあり得ないのだから
本来はリバーブ有りの状況で比較して決めるべきなんですが、
まだ合わせるリバーブも決めてないので、これはもう不可能(笑)

そして、これはテストの最中に気付いたことなのですが、
どうやらノーマル版とハイクオリティ版の差が現れやすい設定 (EQやMIXバランス等)と、
差がわかりにくい設定があるようです

そこで、テストも2種類やってみることとしました
どちらのテストもレコーダーはZOOM H2n(ライン入力)を使用しました

【テスト1:割と差がわかりやすい】

コンタクトの低音もいかす感じでEQを決めています
ただ、この場合だと、各バージョンの差はわかりやすいのですが
私の感覚では「音がやや濁る」雰囲気を感じます
  ・ノーマル:基本的に良い音だが、若干解像感に乏しい気がする
  ・フィンガー:解像感が高く、その分音の立ち上がりが速く感じられる
  ・ストラム:圧力というのだろうか、太さを感じる音だが、解像感も失っていない
         (これってコンプの雰囲気にほんの少し似てる・・なぜだろ?)

3種類のTutorial2全て同じ設定(BOOST ON)



【テスト2:割と差が小さい】

コンタクトの低音はあっさりカットし、低域はマグネットに、中高域はコンタクトに
担当させる感じでEQを決めています
この場合、どのバージョンのTutorial2も音の鮮明さが増しますが、
その分差がわかりにくいという結果になっています

3種類のTutorial2全て同じ設定(BOOST ON)




私は何を選んだのか

3つとも買えれば問題なかったのですが・・・(笑)

まず、ノーマルは十分な性能で、間違いなく「使えるプリ」ですが
セッティングによってはやや解像感不足を感じることもあるので、泣く泣く除外w

フィンガーとストラムのどちらが良いかについては、正直まだ材料不足です
合わせるリバーブを決めて、それとの相性で決めるのが望ましいですが
リバーブを決めるどころか固定的に同じリバーブを使うかもまだ未定だし
決めようがありませんw
でも、差があると言えばあるけど、生死に関わるほどの大差でもない(笑)

ならば・・もう決めちゃおう!
私は、指弾きが主体でギターをバシバシ叩かない(叩けない、弾けないw)ので、
本来はPASさんの説明どおり「フィンガー」を選ぶべきなのかもですけど
一瞬でも「太い」と感じられた「ストラム」を選ぼうと思います

-----と、一度は思ったのでしたがw-----

とりあえず、リバーブを長期休眠中だったDIGITECH RV-7にして色々試してるうちに
PREDELAYコントロールのないRV-7だと特にかもしれませんが
やっぱりアタック感を最優先に考えるのがベターかなと・・・
というわけで、

「FOR FINGER」へ転向(笑)

これ以上とっかえひっかえ試してるといつまでも決まらない!!
気が変わらないうちに、ノーマルとストラムはPASさんにお返しましょう
 
吉と出るか凶と出るか・・・神のみぞ知る、ですが
 どちらを選んだとしても、少なくとも後悔はなさそうに思います
 
Tutorial2、良いプリアンプです


やめときゃエエのに記念録音(笑)

ここでやめとけば「良いレビューね」って言ってもらえたかも知れないのに
下手くそがバレると、一気にレビューへの信頼が失われるかも・・・(^_^;)
けど、まあ下手くそは周知の事実でありますし、購入の歓喜表現とでもご理解ください(笑)

LOWDEN O-32 + Tidemark Tutorial2 + DIGITECH RV-7 ⇒ ZOOM Q8
で「糸」(西村歩アレンジ)のショートバージョンです
Tutorial2の設定は写真のとおりです(上段:PASコンタクト、下段:SUNRISE S2)
そして・・・PLATEリバーブのてんこ盛りw

仕事もピークだし限られた時間なので、最良のセッティングかどうかは自信ありませんが
とりあえず自分の中では好きな部類の音です
でも、ちょっとドンシャリの「シャリ」が行きすぎたかも・・・今後の課題ですな(笑)

 

【調整のポイント&備忘録】

・基本的にはPASコンタクトを主役にして低域補強のためにSUNRISEをミックスしている
 PASコンタクトのみで使うことももちろん可能だが、
 その場合は低域の迫力を得ようとLOWを盛ると
 やや「ボンついた抜けの悪い低音」になる傾向があるので、
 PASコンタクトのLOWはフルカットし、SUNRISEで補うのがベターだと感じる

・ただ、SUNRIZEによる低域補強のためにLOWを上げると全体に解像感が落ちるので
 HIGHもやや上げている

・MIXの度合いはGAINではなく、VOLUMEで行う
 GAINは最小にしてもTIP(PASコンタクト)やRING(SUNRIZE)の音が消えるわけではなく、
 それぞれを消音まで絞れるのはVOLUMEである
 (要は各PUの音をゼロ~MAXまで調整可能なのはVOLUMEコントロールということ)
 なので、GAINはノイズが気にならない範囲で最大値にセットしておいて
 VOLUMEでミックスを決めるのがよい(と私は思う)

・EQのうちまだ掴み切れてないのがMID
 いつもだとMIDをやや絞りぎみにすれば割と簡単にドンシャリになるんだけど
 今回の場合は、確かにドンシャリだけど、なんというか「中抜け感」が強くなってしまうので
 どちらかと言えば盛り気味にしている
 よくはわからないが、Tutorial2のMIDの担当周波数はやや高めに設定してあるのかも知れない

・Tutorial2のセッティング自由度が極めて高いので、使い勝手は良いが
 反面、思うとおりの音にするのは、そうそう簡単でもない(笑)
 EQの効きが良いこともあって少しつまみ位置を変えると、もう「アレ?」ってこともあるし
 闇雲にいじってると、「あのとき良いって感じたのはどんなセッティングだったっけ?」ってなる
 もしも、良いセッティングに出会えたら、即座に写真を撮っておくことを
 強くお勧めしたい(笑)
 複数のギターでTutorial2を使うならなおさらである

・長い時間をかけてセッティングを終えた人ならご理解いただけると思うが(笑)
 それぞれのつまみの設置値が宝物のように見えてくる
 そして、ボードに組み込んで持ち歩くとき、
 何かの拍子でつまみが動いてしまわないか不安になるw
 取り越し苦労・・・まあ、そうだろうけどなあ(笑)
 
後日、フットスイッチキャップを装着
同色キャップが格好エエと自画自賛!(笑)

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