2018年10月28日日曜日

シールドで音は変わる?

世間では定説となっている「シールドで音は変わる」ですが
なるほど!とは思っても、実際に体感できる機会というのは意外と少ないものです
それに、体感するために各種ケーブルを色々買ってみるというのも
なかなかできそうでできない(笑)
よほどひどい音じゃ無い限りは「他の使ってみよう」ってことにはならないものですしね

「よほどひどい音」には、私は一度だけ遭遇しています
なにかの機材のおまけで付いてきた細いシールド・・・
ノイズは無かったもののガリガリに痩せた音で
それをクラッシックプロの安いシールドに交換しただけで「すごい!!」って思ったものです(笑)
でも、それ以降は「よほどひどい音」には出会っていないし
逆に「すごい良い音」と言うシールドにも出会った覚えがない
要するに「ひどい」と「普通」の差は誰にでもわかるけど
「普通」と「最上」の差というのはなかなか聞き取れないし
加えて、そこにはきっと楽器との相性みたいな要素もかかわってくるだろうから、
余計にわかりにくい世界なのだと思います

ところで、シールドで音が変わるということについては
電気的に考えるといくつか裏付けがあるようです
シールドの線材、シールド網線、被覆材の材質によっても音の減衰傾向が変わるらしいです
例えば、・・・・
 ■線材の交流抵抗値が少ないと高域ロスが少ない
 ■シールド全体がコンデンサーと似た性質を持ち、静電容量が小さいほど高域ロスが小さい
 ■線材の断面の外側を高音域が伝播しやすい性質から
  太めの芯線を撚ったものより、細めの芯線を多数撚ったもののほうが高音劣化が少ない
なので、シールドによる音質変化は、電気的な理論に基づけば「確実にある」といって良さそう
でも、そこを聴き取れるかが問題といえそうです

じゃあ、手持ちのシールドから「普通ランク」から「特上ランク」まで、聴いてみましょう!
っていいたいとこですが、まあ見事に安物しか持ってない(爆)
というわけで「普通ランクでも変化が聴き取れるか?」
というお手軽企画になってしまいますが、お時間が許せばおつきあいくださいませ(笑)




★サンプル音源

以下の音源は、全てのエフェクターをバイパスし、ALBITのプリアンプだけを通った音です
宇坂ギターにSkysonic PRO1を付けて弾いています


【①PLANET WAVES The Circuit Breaker】 5000円前後


【②OYAIDE G - SPOT CABLE】 4000円前後


【③CLASSIC PRO  GIC050】 800円前後


【④VOX VGS - 50】 1300円前後


【⑤HOSA HGTR - 015R】 1600円前後


【⑥SPEAKER CABLE】 HOSA SKJ-410 1800円前後


★音の感想

一つ一つにコメントを付けるほど明確に聴き分けられておりません(笑)
でも、5000円以下のいわゆる普通ランクシールドであっても、結構変わるものです

値段から言って順当なのかもしれませんが
「①PLANET WAVES The Circuit Breaker」「②OYAIDE G - SPOT CABLE」
の2本は「可も無く不可も無く」的にバランスが良いと感じました
ネットでは評価の分かれる「②OYAIDE G - SPOT CABLE」もそんなに悪くない
むしろ①よりもやや良いかなって思えるくらいですが
①はなんと言っても私の常用シールド・・・
②よりはすこし薄味な感じですが、すっきり感もあって良い音です

逆に「あれれ?」って思ったのが「③クラッシックプロ」
悪い音には思えないのですが、音が痩せると言うよりも妙にダイナミックレンジが狭い感じで、
音量も他のシールドに比べて控えめです
でも、このようなシールド比較をしてみなければ気付かなかった、その程度の差なのですが

その他特徴的なところをかいつまんで書いてみると
ふくよかだけど高域が少し物足りないと感じたのが「⑤HOSA HGTR - 015R」
それと対照的に多少中高域寄りの音でメリハリが感じられたのが「④VOX VGS - 50」

意外に健闘したのは「⑥スピーカーケーブル」でした
このケーブルは上の写真のようにシールド網線のない2芯ケーブルです
しかし、特にノイズも感じないし、そこそこ解像感も音の艶も感じられたのが好印象でした
ただ、異常なほど太く、よって取り回しも極めて悪い(笑)
また、なぜだかわかりませんが機材側のプラグを差しただけだと、強烈なノイズを発する
ギターにはちょっと・・・(^_^;)

★まとめ 

ここまで来ると、シールドの音質差というのは確実にある、としか言えません
ただ、その差を善し悪しとして一概に評価できない(ノイズが出るとかは論外として)
音の好みや機材との相性によっても評価は変わってきます
そう考えると、シールドの特性を良く分かって使い分けるなら・・・
それはもうエフェクターと同じようなものですね(笑)

しかしそうはいっても星の数ほどあるシールドの特性を把握して使い分けるなんて無理です
私の少々乱暴な結論としては・・・
ネットの評価を多少参考にしながら3000円~5000円くらいのシールドを選んどけば
少なくとも「がっかり」だけは無いかと
音にそれほどこだわらないなら1000円台のシールドでも、そこそこいける
予算に余裕がなければクラッシックプロでも気絶するほど悪い音ではない・・・(笑)
  |実際自分も長い間クラプロを使ってましたし、悪い音と感じたこともなかったです
  |結構タフなシールドだし、今も機材用に使ってます
という感じで、音質差は存在するけどそれほど目くじら立てなくても、と思う次第です

エビデンスやモンスターのような1万円超えのシールドも珍しくないですし
特注すれば10万円のシールドもきっと製作可能でしょうけど
そこまで行ってしまうと、電源ケーブルも機材間の接続ケーブルもみんな気になる(^_^;)
オーディオの世界ではこういう状態を

電線病に感染した~!

といいます
皆様もご健康にはくれぐれもお気をつけください


10 件のコメント:

丸に橘 さんのコメント...

ケーブルも、意外と値が張りますよね。私も、よせばいいのにカールコードを2本も買っちゃいました。(笑)
素人なのに、お馬鹿な私です。。。。
でも、どうなんですかね。よく聞くことではありますが。
ziziさんは「音質差は存在するけどそれほど目くじら立てなくても」ということですので、まあ、多少の個体差はあっても、大して変わらない、素人は簡単に騙せる。。。。のであれば、そこそこの値段のもので十分、10万円はいらんだろう、と。
そういうことなんでしょうね。

zizi さんのコメント...

>丸に橘さん

シールドもそうですが「音」全体のことも極論すれば「嗜好品」ですので
自分の耳が喜んでさえいれば、値段に関係なく何でも良いの世界・・
なのかなと思う今日この頃です(笑)
しかし、美術品もですが良いものを見続ければ目が肥える
音も同じで良い音に接し続ければ耳が肥える
そんな中で、もっと良い音を!という方向に走る部分も理解できます
それは私にとっても「危険な世界」であります(笑)
ただ、マイクのようにギターの生音を録る場合で言う「原音忠実」というのは
良く分かるのですが
シールドやエフェクターという電気信号の世界の中での「原音」ってなんぞや?
と思ってもしまうのです
結局、自分の中でもその答えが無いので
「ま、いいか・・」という安直なところに落ち着いているのが
シールド等にあまりこだわらない原因なのかも知れませんです

もあい さんのコメント...

はじめまして、もあいと申します。
実践本意の記事、時々興味深く拝見させて頂いてます。
とても参考になります。

可聴域の表皮効果を云々するような電線病にはかかりたくないと思っていますが(笑)
他の2つの電気的要素についてはなるほどと思います。
アクティブタイプのピックアッツを使っておられるようなので、シールドの容量がどれ
ぐらい効くのかな~と思いましたが、出力インピーダンスはそこそこあると思いますの
で無視はできないのでしょうね。

以前、こんな机上のお遊びをした事があります。
今回実施された実験はこんな低レベルの話ではないと思いますが考え方としては
ちょっと定量化できるような気がします。
http://k8.sytes.net/moai/archives/243

zizi さんのコメント...

>もあいさん

初めまして、ziziと申します

「実践本意」を裏返してみますと「理論不在」と言うことでありまして(笑)
私自身は電気的知識は全くなく、理論的なお話かできないので
とにかく「実際にやってみてご評価は皆さんにお任せ」というスタイルで
ひた走っております(^_^;)
中学高校でもう少しまじめに授業を聞いておれば
回路図くらいは少しは読めたのにと悔しく思っております

そんなわけで、もあいさんの記事も「低レベル」なんてとんでもない(笑)
自分には難解でして、とても理解までたどり着けないです
でも、もあいさんの記事を拝見しながら、
今回の実験もシールドの交流抵抗値と静電容量を示しながら聴感上の差を示せば
もう少し定量化できたかな~とも思いました
(これがなかなか調べられないのですがw)
ただ、シールドに限らず機材の数値が個人の嗜好にどう訴えるかが
なかなかにわかりにくいということもあり、それが
私の「評価は読者に丸投げ」というスタイルの記事の多さにつながってる
ようにも思います(笑)

とても貴重なご指摘、そして情報提供ありがとうございました!!
今後ともよろしくお願い致します

もあい さんのコメント...

ziziさん
こんばんは、出かけており反応が遅くなりました。

 理論か実践(実験)かはどちらもバランスが必要なんだと思います。
趣味で実験を充実させようとするとどうしてもお財布が気になってしまいます。
計算はコンピュータがあればだいたいの事は出来てしまうので机上のお遊びは
際限なくできてしまうんですよね。的を得てるかどうかは別にして自己満足で
終わる事もできてしまい厄介かもしれません。

 あと、ziziさんご指摘の人間の耳の定量化がまだまだ進んでないのでこれまた
厄介です。sonyのようなプロの世界でも計測器による検査を経て最後の最後は
やっぱり人間の耳(資格を有する検査人)で決まると聞いた事があります。
そんなもんなんですね。加えて個々の好みが左右しますし。
逆に言えばだから奥が深くて面白いという事でしょうか?


 ziziさんには及びませんが、ボクもアコギの音どりをもう少しうまくできなかと
思案しています。今のところリボンマイクが相性がいいのではと思ってるところです。


 今後も多くの実験レポート楽しみにさせて頂きます。
こちらこそ今後ともよろしくお願い致します。

zizi さんのコメント...

>もあいさん

人の耳の定量化というのはすごく面白いですね!!
人間は「良い音」というのをどう定義づけているのか
もちろん100%当てはまる定義は無いとしても
7、8割以上の人が共通して感じる良い音、というのがあるならば
大事な指標になるかも知れませんね
一説には「大きな音=良い音」という情報もあるようですが(笑)
繊細感、解像感、ダイナミックレンジ、空気感、ノイズ・・・
仮にアンケートで調べるとしてもなかなか大変そうな気もしますが
きっと、大手の音響メーカーさんやサウンドエンジニアさんなどは
こうした情報というのを何か握ってるのかも知れませんね
自分自身の耳や感性も肥やしていく必要はもちろんですけど
音楽の最終目標が「聴いてもらうこと」なのであれば
他人の感性に想いをはせることも大切なのかも知れませんね
なんか、すごく興味深い問題提起・・・ありがとうございます!!!
現役を退いたら、研究してみたいかも知れないです(笑)

アコギの音録り・・・
僕なんか人の録音を聴いて「くっそ~~負けた~~、どうして~~」
という場面ばかりです(笑)
録音のセオリー的なものは一応踏まえてたはずなのになあ
疑問と反省の日々でありますが
そこに・・・リボンマイクですか・・・・
とっても危険なエサ、ワナ?(爆)
今にも食いつきそうな自分が怖いです~~~~~!!

bs-guitar-funnypage さんのコメント...

ご無沙汰しております。
電線病には感染していませんが、山登病にかかっておりました。
今年は紅葉が長持ちし、先週まで毎週山に出掛けておりました。
この一年はほとんどPUを通していないのですが、昔から○○先生が良いというベルデン8412オンリーです。
確かにこの実験で一番輪郭がはっきりしているのは①プラネットウェーブですね。個人的には②オヤイデが好みです。
このような実験には大変頭が下がりますが、このような事を機に今迄通りで良いねと浮気をしない私です。

zizi さんのコメント...

>bs-guitar-funnypageさん

すっかりご無沙汰でした、私の方も仕事に追われてました
こうして書きためた記事が自動的にアップされるのですが
気がつかないままに新記事がアップされてて自分で驚くという状況です(笑)

「今まで通で良いよね」と思っていただくのも
この記事の役割の一つと思ってますよ~
ご紹介したものに興味を持っていただくのもよし
手持ちの機材で十分だ!ット思っていただくのもまたよし
そんな風に読んでいただければ、書いた甲斐があります!!!

raynnowui21 さんのコメント...

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zizi さんのコメント...

>Hi raynnowu21

Thank you for your comment
I'm writing what I felt, but I don't have much knowledge, so I might make a mistake
But please visit again if you feel interesting
I'm looking forward to it